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第1281話 昼食。(東町局長との雑談。)

町の酒場を借りて武雄達と東町の文官達が一堂に会していた。


「では、食べましょうか、いただきます。」

「「いただきます。」」

皆が武雄が作った焼きパスタを食べ始める。

アリス達や特産品祭りに来ていた文官達は満面の笑顔で、他の文官達は恐る恐る食べ始めるが直ぐに頬張り始める。

「いっぱい作りましたからね。

 おかわりはありますよ。」

武雄は楽しそうに皆に言う。

「「はい!キタミザト様!」」

特に若手が目を煌かせて返事をする。

「キタミザト様、すみません。

 昼食を作って頂いて・・・本当はこちらで用意しなくてはいけなかったのですが。」

東町局長が武雄の横で申し訳なさそうにしている。

「いやいや。

 今回急遽お願いして場所を用意してくれたのです。

 これぐらい何の事はありません。

 ほら、局長、温かい内に食べましょう。」

「はい!

 ん~・・・やはり凄い、ウスターソースは良いですね。」

「ええ、特産品祭りのあとで街の方では野菜炒めが流行っているそうです。」

「なるほど、野菜炒めですか。」

「ええ、塩味、ウスターソース味、少し甘めの中濃ソース。

 この3種類が基本で、他にも肉の種類を変えたり、肉の代わりに紅魚のような魚の切身を入れて見たり、トウガラシを入れて少し辛くしたというのもあるようです。」

「ほぉ・・・なるほど。

 東町は今、この店や他の店と共同で商店向けに買いつけが行えるように生産元に問い合わせしています。」

「そうですか・・・まだ一般家庭にはいきませんか。」

「まずは商店で様子見でしょうが・・・この味ならばすぐに一般に売れるかと。

 販売方法というか取り扱い店は私達の方で選別しようかと考えてはいます。」

「ふむ・・・・街の方からの返事はどうですか?」

「卸してくれる事にはなっていますが、今は数量の話し合いとなっています。

 なのでどのくらい仕入れられてその量をどう分配するのかを仕入量が決まり次第皆と話し合おうかと思っています。」

「なるほど。

 ベッドフォードさん達は結構頑張っているのですけどね。」

「いや、エルヴィス伯爵邸がある街だけでなく領内全域に出しますからね。

 作るだけでも大変だというのはわかります。」

「ええ、まだ始まったばかりなのですが、一気に問い合わせがあるようです。

 大丈夫かなぁ。」

「私達からすれば嬉しい悲鳴なのですが。」

「運送が増えれば通行量も上がります。

 税収が増えるわけですね。」

「まぁ他にも税収はありますが、それも増加する1つですね。

 税収は事後の話なので、今話す事ではない事でしたね。

 ウスターソースはキタミザト様が臨む領民の笑顔を増やすという結果に繋がります。

 私達東町の住民も笑顔にさせたいですね。

 出来れば早急に供給が増えれば良いのですが、なかなか上手くは行かないでしょうか。」

「・・・西町の農地開発計画を聞いていますか?」

「野菜の増産でしたか。

 4村分・・・相当の面積で拡大をさせるという話でしたが・・・」

「局長という地域を預かる者としてどう思いますか?」

「東町を除く3町どれも農地拡大路線を打ち出せています。

 これは素晴らしい事でしょう。

 ですが・・・西町が一番大変ではないでしょうか。

 農地拡大は耕して種を植えれば良いといった簡単な物ではありませんから。

 確か西町局長が会議の際に4村分と聞いて現状の1.5倍でも賄いきれないと言っていました。

 来年までに1.7倍の農地が用意が出来るかどうか・・・といった感じでしょう。

 唯一の救いは作れば売れるという確約がある事でしょうか。

 領民達が奮起してくれることを祈るばかりです。」

「ええ、なので今年は予定よりも少ない量しかウスターソースに回せないという事らしいです。

 それでもかなりの量がウスターソースに向けられるようですよ。」

「それはウスターソースを作る方も大変ですね。」

「実際凄いみたいですね。

 発起人としてはこうなるとは薄々わかっていましたが、ちょっと急なのですよね。

 そこだけが心配です。

 もしかしたらウスターソースの工場で街の街区自体が書き替わるかもしれません。」

「でしょうね。

 領内と近隣貴族領さらには魔王国向けですから・・・ある意味で東町でなくて良かったです。

 この町ではそれほどの生産体制は取れなかったでしょう。

 私達は消費する側で頑張らせていただきます。」

東町局長が頷く。

「人工湖が出来た後の集荷や荷捌きや人員の宿泊地の整備でしたよね?」

「まずは人工湖の工事の際の作業員用の宿舎や酒場等々の準備ですね。

 こちらは手配が終わっています。

 その後の輸送船の人員や荷捌き、各商隊の宿泊地としての整備はこれからです。

 昨日お教えいただいたキノコ栽培に関しては今朝の時点で専任の職員を2名配置しています。

 その2名は木を見に行かせております。」

「すみません、急で。」

武雄が頭を下げる。

「いえいえ、町が活性化するのです。

 早く行動させないといけないでしょう。

 それに北町があれほど発展しようとしています。

 私達も負けてはいられません。」

「大儲けは出来ないのですが、堅実な事業になればという考えですから。」

「はい、それで十分です。

 で・・・出来ていますか?」

東町局長が武雄に聞いて来る。

「はい、こちらが昨日話していたキノコ栽培の最初の作業予定表です。」

武雄が局長の前に出す。

「ありがとうございます!」

東町局長が深々と頭を下げる。

「まずは最初ですから、足りない事、わかった事等を書き込んで経済局や総監部の方に報告を上げてください。」

「畏まりました。」

東町局長がホクホク顔で返事をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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