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第1279話 150日目 久しぶりに考察時間。(トンカツが大人気のようです。)

武雄は朝食後に庁舎の会議室を借りてそこで書き物をしていた。

正確には思いついた物を書くあのノートに何か書きこんでいた。


「・・・ん~・・・」

武雄はノートに走り書きをしながらたまにボーっとしたりして再び書くという事を繰り返している。


簡単なラフ画を書きながら昨日の木臼にどう足踏み駆動を組み込むか、半自動にするためには手間を少なくしないといけない。

縦回転を横回転にする事はミシンで出来たとしてクランクシャフトのような機構にすれば臼も回せるはず。

次はユニバーサルジョイントで効率的に回転を伝える事が出来れば器具を小さくする事が出来るはず。

それに最初に木臼に自動的に籾が落ちるようにするのはまぁ簡単だろう。

360度から出てくる処理された籾殻と玄米を集め、袋等に入れるのは下側の臼に勾配付きの受け板を付ければ問題ない。

問題は・・・


「・・・籾摺りした後の籾殻と玄米との選別かぁ・・・

 はぁ・・・精米された状態の米しか買った事ないし、米の籾摺り後なんてわからないよね・・・米を食べるのも苦労が絶えないものなんだね。

 昔言われていた『お百姓さんが汗水垂らして作ったものなんだから残したら罰が当たる』は強ち間違っていないという事ですか。

 さてと、愚痴を言っても意味はないし、江戸時代辺りではクリアしていた事だろうけど。

 籾殻と玄米・・・・微振動による比重での選別?・・・微振動かぁ・・・出来なくはないけど大量に処理は出来ないだろうなぁ。

 簡単にするには、水か薄めの塩水に浸して玄米は沈み籾殻は浮く事を・・・ないか、そもそも水分に浸けるというのは無理だろうし、あれは籾の中身が入っているのかを浮き沈みで確認する方法だったかな?

 となると・・・昔の事は何かで見ているはず、ガスも電気もない時代に大量処理をする為に何か良い器具を作っているはずなんだよなぁ。

 この部分はもう少し考えるか。

 早急に回答を求めるならコノハや仁王様だけど・・・何でもかんでもコノハに聞く訳にはいかないし、聞くにしても考察をしてからしないとなぁ。」

武雄がため息交じりにノートを眺めている。


会議室に人が入って来る。

「タケオ様、お留守番お疲れ様です。」

「タケオさん、戻りました。

 言われた物を買ってきましたよ。」

アリスとエリカが入って来る。

「おかえりなさい。

 では机の上に置いてください。

 お茶を淹れますね。」

武雄が立ち上がりお茶の用意を始める。

「「は~い。」」

アリスとエリカが武雄の指示通りに買って来た物を机に置き、席に座る。

「タケオ様がここに居るという事はまだ場所が決まっていないのですね。」

「ここでも良いんですけどね。

 酒場を借りた方が私はやり易いですからね。」

武雄がアリスとエリカの前にお茶を配膳しながら言う。

「んん~・・・でもこれだけ時間がかかっているという事は借りられなかったという事ですよね。」

「でも東町局長さんが動いているのですよね。

 断わるとは思えません。

 他にも話しているのかもしれませんよ。」

アリスとエリカがお茶を飲みながら考えを述べる。

「食べさせるなら温かい料理が良いですからね。

 と・・・今日と明日で同じ料理を出しても面白くないですよね。

 ウスターソースの料理はどうしましょうかね。

 ちなみに2人はどう思いますか?」

「「2日ともトンカツ!」」

アリスとエリカが同時に答える。

「いくら2人でも2日も同じだと飽きるのではないですか?

 まぁ今までトンカツを食べてきた人達の反応を思い出すとトンカツなら向こうにこちらの印象を良く出来そうですが・・・うん、明日はトンカツで良いでしょう。

 ちなみに今日は東町で働いている人達向けの慰労料理なんですよね。」

「トンカツ~。」

「2日連続で良いです~。」

2人が引き下がらない。

「却下、それに人数もいますからね。

 もう少し手間が少ない物を選びたい所ですよね。

 この町でウスターを流行らすのですから肉を選びたいというのはわからなくもないですが・・・・」

「野菜炒めですか?」

「それはエルヴィス伯爵邸がある街でたくさん食べてますよ。

 あれ以外でと言うのが良いでしょうね。」

アリスの問いかけにエリカが横から否定する。

「お好み焼きは堅魚節の削り器待ちですから保留として、あ、焼きパスタがありましたね。」

武雄が頷く。

「そう言えばあまり出ていませんね。

 それは良いかもしれません。」

アリスが頷く。

「なら今日の昼食兼慰労料理は焼きパスタにしましょう。

 それに目玉焼きを乗せれば味が濃くてダメな人も食べられるでしょうしね。

 エリカさんも良いですか?」

「私はタケオさんが作るのならなんでも美味しいと思っていますからお任せします。」

エリカが楽しそうな顔をするのだった。


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マイヤー達とカサンドラはというと東町の外周を散策していた。

「ふむ・・・若干防衛には力を入れていない感じがありますね。

 外壁が結構低めです。」

「いや、壁は低くても町の外堀がありますよ。

 確かに幅は狭いですが、これだけでも結構防衛力は高いのではないですか?」

「カサンドラ殿はそう見ますか。

 他に意見のある者は?」

「物見台が少し低いですね。

 まぁ木造ならこのぐらいが適度なのかもしれませんが、もう少し高さが欲しいですね。」

「背の高い木が少ないですね。

 これも意味があるのでしょうね。」

等々、意見を言い合いながらしているのであった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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