表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1286/3634

第1273話 関に到着。(武雄達は強行軍。)

アズパール王国側の関にて。

「はい、書類の確認をしました。商隊の方々の越境を許可いたします。

 今日はもう夜になりますのでこちらでの宿泊ですね。」

関の兵士が書類を見て頷きながら聞いて来る。

「ええ、この先に確か野宿する場所があると聞いています。

 今日はそちらで。」

シモーナが受け答えをしていた。

「了解しました。

 何かお入り用はありますか?」

「えーっと・・・平気です。」

「それとキタミザト様方が東町に向かわれているとの伝令が来ています。

 商隊の方々はそのまま東町に向かわれてくださいとの伝言です。」

「あ!はい!わかりました。」

シモーナが返事をするのだった。


シモーナは関の詰め所から出て皆の所に向かって歩いて行く。

「シモーナさん。どうだった?」

レバントが近寄って来る。

「普通に事務処理は終わりました。

 問題ありません。

 それと向こうからはキタミザト子爵様が来るそうです。

 東町で引き渡しとなると思います。」

「うん、向こうの街までは行かなくて済みそうね。」

「そうですね。

 それにいつも東町で受け渡しですからね。いつも通りです。

 ですが、久しぶりに越境して流石に疲れました。」

「いつもは従業員の方が?」

「ええ、私が来たのは本当に久しぶりです。

 関も大して変わっていませんね。」

「さてと、今日はこの先で野宿ね。

 シモーナさん、中で何か売っていたかしら?」

「売っていましたが、特に珍しい物は無かったですよ。」

「そうかぁ、食料は足りてる?」

「ええ、十分に。

 それに帰りはエルヴィス伯爵領の東町で買い物をしますので帰りも十分です。」

「問題ないわね。

 じゃあ、ダニエラちゃん達を連れて野宿の場所に移動しましょうか。」

「はい。」

シモーナとレバントがヴァレーリ達の元に行くのだった。


------------------------

ヴァレーリ達はシモーナが越境の受付をしているので暇を持て余していた。

「あ~・・・簡単に越境してしまったな。」

ヴァレーリが草むらに座りながら言っている。

横を見ると。

「・・・総石造りで門は鉄製、高さも7、8mはありますか。」

「堅強そうですね。

 資料では見ていましたが・・・うん、確かにこれを正面から落とすというのは犠牲者が出てしまいますね。」

カストとフレッディが関の門を見ながら考えていた。

「まぁ・・・良いか。

 カールラ、どうだ?」

「いや・・・普通ですね。

 生えている植物は変わりませんし、これといって敵対的な意思も向けられませんし、普通です。」

「ふむ・・・好奇な目はあるか?」

「まぁ、多少。

 そこはエルフですからしょうがありません。」

ブリアーニが苦笑している。

「はぁ・・・そういえば蟲も大変そうだが、人攫いはどうだ?」

「収まっていると思うわ。

 一時期は本当に多くて・・・それにしても足取りが掴めないのよ。

 私達の国の町や村は割とエルフのみ住んでいるから他種族が入ってくればわかるんだけど・・・

 内部犯行というのもあまり考えられないし・・・怪しい者達からは何も出て来ないのよね。」

「ふむ・・・難しいな。」

「エルフなんて食べても美味しくないだろうしね。」

「確かに筋張ってそうだな・・・食べるならオークか牛だろう。

 エイクスもたまに食べると美味しいな。」

「私はエイクスなんて王城に行った時しか食べた事ないわね。」

「そっちの方が産地だと思うが?」

「うちでは獲れないかなぁ。」

「なら帰りにうちに寄った際に出してやろう。」

「お~、楽しみが増えた。」

と話しているとシモーナ達がやってくるのだった。


------------------------

武雄達一行は。

「お!・・・今のは結構、段差がありましたね。」

武雄がガタゴトと揺れる荷台に居た。

同伴者は。

「ええ、暗闇での移動は結構大変なんですね。」

アリスが固定されている酒瓶の箱に座りながら言ってくる。

「でも、買い込んだ松明はあまり消費していないですね。」

エリカは真ん中で松明等々の上にシーツを何枚にも重ねて敷いて軽く寝れるようにしてある所に座りながら言う。

「あ~♪」

「きゅ♪」

「揺れる揺れる。」

「・・・」

チビッ子達も荷台に居た。ちなみに初雪はスライム形態になって幌馬車の隅っこに鎮座している。

まぁつまりは今荷台に居るのは夜間行軍をした事ない面々で

「さっきの休憩の時に予定よりかなり早いとは言われていますけどね。」

「マイヤー殿の行程表ですか?」

「ええ、どうも1時間程度早いそうです。」

「えーっと・・・1時間だから・・・

 確か朝の説明の時は懐中時計で10時・・・22時に着く予定でしたよね?

 今が19時だから21時には着くのですか?」

「ですね。

 予定通りと言えば予定通りですが、休みを1回多く入れる予定だそうですよ。

 もうここからは御者も先導組も交代は無しで行くそうです。」

「私達不慣れですしね。」

「まぁやった事ないような物だし。」

武雄の言葉にアリスとエリカが頷く。

「なので、次の休憩時にはハチミツ入りのレモン水を皆に出しますけどね。」

「あ~、タケオ様が何か水筒に細工していましたよね。

 前の特産品祭りの時に料理長に出していたやつですよね。」

「細工はしていないですが、その通りです。

 水と塩とハチミツとレモンを入れて置いているだけですよ。」

「たまに振っていますよね。

 あれ汗かかないと美味しくないのではないですか?」

「それはハチミツが溶けるようにとね。

 まぁ皆さんの口に合わないなら私が飲みますよ。」

武雄が苦笑するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ