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第1271話 エリカの出自。(系譜にドラゴンとな。)

今の幌馬車の休憩組はエリカとアリスです。

「エリカ。貴女の出自は何なの?」

チビコノハがエリカに詰め寄っていた。

「いや・・・何と言われましても・・・」

エリカがコノハの剣幕に後ずさっている。

「コノハ、エリカさんの出自を聞いてどうするの?」

「・・・どうもしませんよ。

 エリカは魔法が使えるか聞きたかっただけです。」

コノハがアリスの方に顔を向けて言う。

「エリカさん、魔法使えるのですか?」

「ええ、私もカサンドラも使えますよ。

 まぁ戦場に立つことはないだろうという事でケアとかシールドとかアクアとか初級魔法のみ出来・・・

 あ、やっぱり使えません。」

エリカが何か思い出したかのように逆の事を言いだす。

「?・・・エリカさん、どういう事ですか?」

「すっかり忘れていましたが、私魔法具が無いと初級魔法ですら使えないんです。

 前は指輪で特定の魔法・・・例えばファイアが出来るようにして貰ったのを付ければ出来ますし、ケアを出来るようにして貰えれば出来ます。

 ですが、家を出る時に置いてきました。

 旅の最中、調達しようかと思ったのですが、何だかんだと忘れていました。」

「家系的な物ですか?」

「うちは代々そうなんです。

 魔法の適性も魔力量もそれなりにあるのですが、発動用のスティックを使ってだと基本的には1個だけ魔法が使えるんです。

 それも皆違うので色々試して確認しないとわからないんですよ。

 私はたまたま早くにわかったので出来ますけど。

 何年もわからないとかあるみたいです。

 ちなみに財力を駆使して初級魔法が使える指輪を作る事は出来ますが・・・指輪も一々付け替える訳にはいかないので・・・

 携帯するのは3個ぐらいまでにしていましたね。」

「へぇ~、でも良いですね。

 私は魔法が出来ませんので羨ましいです。

 ちなみに何が出来るのですか?」

「私は・・・簡単に言えば限定的な爆裂です。」

「エクスですか?」

「似ていますが違うんです。

 私の場合は相手の体で狙った部分をボンッと。」

エリカが手をパッと開いて説明する。

「・・・えげつないですね。」

「まぁ、相手を破壊する事のみに特化してしまっていて使い勝手が悪すぎなんですよ。

 今まで何も役に立った事ないんです。」

「でもエリカさん、なんでそれを私に?」

「いや、これ意識的には狙うので動かれていると発動し辛いんですよ。

 たぶんアリス殿ぐらいになれば良く動かれてしまうので当たらない気がして・・・

 座っているときや話をしている時にするのが一番なのですが・・・何もないのにいきなり当てる訳にも行きませんから敵意を向ける相手を狙うという事になるのですが・・・普通面と向かって敵意を向けはしませんから結局、私の魔法は使えないんです。」

エリカが苦笑する。

「・・・そうでしょうか?

 使いやすそうですよね・・・ん~・・・交渉とかする際に恐怖を与えるのに役立ちます。」

「そんなの交渉ではないですよ。

 恐喝です。」

「確かに。」

「ねぇ、アリス、エリカ。

 エリカの出自はどこなの?」

コノハが聞いて来る。

「私はカトランダ帝国の元皇族です。

 現皇帝陛下の長女ですよ。

 家出したんです。」

「あれは家出なんですかね?」

「家出ですよ。」

「カトランダ帝国の皇族かぁ・・・

 ふ~ん・・・だからビエラが気にしているのか。」

コノハが呟く。

「ん?コノハ何?」

「いやね。

 今回ビエラがエリカと一緒に帰って来たでしょう?

 その時にビエラがエリカをすっごく気にしてたっぽいのよ。

 チビッ子部屋で結構話していたわ。

 『エリカは何かある』って。」

「あ~・・・確かにビエラ殿に常に見られていましたね。

 ミア殿と何か話をしていて経過観察と言われましたけど。」

「ん~・・・ん?でも待ってね・・・

 アリス、アズパール王国も元を正せばカトランダ帝国なのよね?

 前に屋敷にあった本を見たんだけど、そんな事を書かれていたはず。」

「ええ、約1000年前に当時のカトランダ帝の弟君に国の東側を任せる事にしたのがアズパール王国の建国に繋がりますよ。

 現陛下はその弟君から数えて34代目ですね。」

「という事は、エリカの状態がエイミー達現王家にも適用されるという事か。

 でも、ビエラが気にしているのはエリカだけ・・・となると・・・なるほど、エリカは魔力量が多くてビエラが気にしているのかな?」

「いえ・・・帝都で昔計りましたが、魔力量は5000程度ですよ。」

「多いですね。」

「多いけど・・・ビエラが気にする程でもないわね。

 魔力量じゃないとして・・・血筋なのかな・・・

 エリカ、皇族の逸話に何かない?

 剣の一振りで山を切り開いたり、海を割って歩いてみたり、妖精と結婚とかでも可よ。」

「そうですね・・・本当かどうかわかりませんが、大昔のご先祖様はドラゴンと子を成したとかいう話は残っています。

 なのでカトランダ帝国皇族旗はドラゴンの紋様ですし、その系譜であるアズパール王国もそうですよね。」

「・・・ドラゴン・・・ビエラが反応したのはそこかなぁ。

 エリカは資質的に先祖返りしているのかもしれないわ。」

「・・・これと言って何もないんですけど。」

「ドラゴンと人との子ってどんな感じなんでしょうね?

 そもそもドラゴンは卵生ですよね?

 どうやって子を成すのでしょう?」

アリスが不思議がっている。

「まぁ良いわ。

 とりあえずエリカはその爆裂の魔法が出来るように魔法が発動出来る指輪の購入が先決ね。」

「そうですね。

 何だかんだと帝都でも旅の最中でも王都でも買い忘れました。

 東町にあれば良いのですけど。」

「ありますよ。

 と言っても私も東町には頻繁には行った事ないんですけどね。

 魔法具商店はあったはずです。」

「じゃあそこで購入ね。

 他の初級魔法関連は戻ってからテイラーに作って貰った方が良いわよ。」

「そうですね。

 テイラー店長なら魔法刻印も使えますから良い物を作ってくれますよ。」

アリスも頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
うーん。設定的にエリカが先祖帰りだとするなら余計にウィリアムとくっつけて血を濃くするべきだと思うんだけどなぁ。どうするんだろう。
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