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第1268話 148日目 準備万端。(皆の寝室で・・・あぁ、見ちゃいけなかったか。)

武雄とアリスはいつも通り夕食を食べ、湯浴みをし、ベッドでグダグダしていた。

「アリス、何を見ているのですか?」

「ん~?魔物の挿絵が載っている資料ですよ~。

 エリカさんが見たいと言っていたグリフォンってどんなのだったかと思いまして。」

「へぇ~・・・何々?幻想種、グリフォン。

 鷲の翼と上半身、肉食獣の下半身をもつ生物、雑食だが肉を好んで食べる。

 非常に誇り高いとされる。

 ・・・以上?」

「ですね。」

「えーっと・・・外見的にはそれとなくわかりましたが・・・

 ヴィクターの話だと人型になっているのですよね?」

「誇り高い・・・容易にグリフォン形態になってくれないですかね?」

「んー・・・そうですね。

 無理を言ってもしてくれないでしょうね。

 ヴィクターだって頼まないと狼になってくれませんよ。」

「あ~・・・そう言えば私、ヴィクターもジーナちゃんも狼になった所見た事ないんですよね。

 獣人とは聞いていますが、私的には人間感覚で接しています。」

「そう言えばそうでしたね。

 まぁ私もジーナの狼形態しか見てないですけどね。

 銀の毛でフサフサですよ?」

「コラとかミアちゃん軍団の狼とかの感じですか?」

「まぁ似たような感じですが・・・ジーナの場合はもっと野生臭さはないですね。

 日常が人間形態なので。」

「・・・あぁ、なるほど。」

アリスが考えている。

「今度見せて貰えば良いのではないですか?

 まぁ今はそれよりもグリフォンなのでしょうけどね。」

「グリフォン・・・見てみたいなぁ。」

アリスがのんびりとしながら言うのだった。


------------------------

エリカの部屋。

エリカも湯浴みを終えて、ベッドで本を読んでいた。

「まさか、グリフォンが見れるなんて!

 ふふふ、資料の中で一番見たかったのよ!

 長年の夢が叶う!

 どんな感じなんだろう?

 触れたりするのかな?鷲だから艶やか?意外とモフモフ?

 楽しみだなぁ♪」

アリスと同じ本を見ながらにやけていた。


(あ~・・・パナちゃん、出辛いわ。)

(コノハ、見なかった事にして明日朝一で聞きましょう。)

(そうだね。

 出来れば他人が居ない所でエリカの出自聞きたかったなぁ。)

(タケオは知っているのでしょうか?)

(さぁ?わからないわね。

 こういったのは覗いて見る事ではないしね。

 直接聞きたいんだけど・・・タイミングを失ったわね。)

(アリスは何も?)

(アリスにかぁ・・・

 他人から出自なんて言って欲しくないでしょう?)

(確かに。

 ですが、悲惨な過去だった場合は本人に聞くのは厳しいのでは?

 タケオとアリスに事前にそれとなく聞いてみましょう。)

(そうね。

 じゃあ、この部屋から退散という事で。)

(はい。)


エリカの部屋から人知れず精霊が出て行くのだった。

・・

武雄達の寝室。

「と、いう訳でエリカの出自を教えてください。」

チビッ子状態のパナが武雄に全てぶちまけていた。

チビコノハは顔に手を当てガックリとしている。

「・・・ふむ、アリス、コノハ達の前でエリカさんの出自の話はしなかったですかね?」

「そう言えばした事なかったですね。

 エリカさんが来たのはコノハ達と契約する前ですし。

 エルヴィス家(実家)キタミザト家(うち)では普通に知っている事ですしね。」

アリスが考えながら言う。

「・・・?どう言う事?」

「いえ・・・あ~・・・やっぱり本人に聞きなさい。

 こう言った事は他人から聞く物ではないでしょう?」

「それはそうだけど・・・すでに亡国になっているとかだったら嫌じゃない?」

「それは無いですね。」

アリスが否定する。

「ええ、エリカさんは母国で何かあったわけではないんですよ。

 まぁ本人達からすればいろいろあったんでしょうけどね。

 大きく見ると・・・『まぁ別に?』程度です。

 なので、明日聞きなさい。」

「ん~・・・ん?

 エルヴィス家とキタミザト家が知っているという事は・・・研究所の人員は?」

「マイヤーさんとアーキンさんとブルックさんは知っていますね。

 他の面々は報告書は見ているかも。

 今度来る面々は微妙。」

「・・・ん~・・・何だか中途半端ね。」

「どちらかと言うと・・・『気にしない』と言うのが一番情報統制が出来ているんですよね。

 隠そうとするから見つかる、気を使おうとするから発覚する・・・だから気にもしない。

 世の中そんな感じで出来ているのです。。

 エリカさんは『そういう者』と軽く考えて、普通に文官として友人として扱っているだけです。

 それに出自はどうしようもない事ですからね。

 本人が気にしていないのに周りが気にしても意味はないですよ。」

「おぉ~。タケオ、ある意味この国では異質な考えね。

 あまりそういった事を言いふらすのはお勧めしないわよ。」

「・・・パナ、こういった話は王都で私がしていますよね?」

「各局長にしていますよね。

 特にジーナとかで。」

「遅かったか・・・まぁ、タケオの言い分は真っ当だし、間違ってはいないと思うわ。

 でも世の中そうでない者もいる。

 発言をする時は人を見なさいよ?」

「わかっています。

 王都の局長達は普通に受け入れてくれましたよ。

 まぁ、地方の貴族の前では言えませんけどね。

 特に奴隷が居るような地域では・・・」

「うん、それで良いわ。

 じゃ、パナちゃん、寝ようか。

 アリス、タケオ、おやすみ。」

「そうですね。

 タケオ、アリス、おやすみなさい。」

「「はい、おやすみ~。」」

チビッ子2名を武雄とアリスは見送るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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