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第1264話 来ちまった。3(同行者等々。)

「では、行きたい人~?挙手!」

「「「はい!」」」

武雄が聞くとアリスとエリカとチビッ子達が手を上げる。

「皆して行くのかの?」

エルヴィス爺さんが苦笑しながら言う。

「アリスやビエラが手を上げるのは予想通りですが、エリカさんが?」

「はい。私も行きます。

 魔王国の者を見れる機会なんてないですからね。

 今後の為に話を聞いておくのも悪くないと思います。」

エリカが嬉しさを無理やり抑え込んだ無表情を装った顔で返事をする。

好奇心だだ漏れです。

「エリカさん、本音は?」

アリスが苦笑しながら聞く。

「グリフォン見てみたいです!

 本でしか見たことがないんです!

 ビエラ殿のお陰でドラゴンは見れました!次はグリフォンです!」

「なるほど・・・

 まぁ安全は自分達で確保してくれれば問題ないですし、向こうも他国に来てまで暴れたりはしないでしょう。」

武雄が考えながら言う。

「・・・ふむ、気を付けての。

 フレデリック、こちらからはあるかの?」

「そうですね・・・特にはないかと。

 今回の交渉は魔王国との交易です。

 この分野はキタミザト家に一任していますのでエルヴィス家としては何もありません。

 ご存分に楽しまれるとよろしいかと。」

「わかりました。

 えーっと・・・明日には関に着くのですか。

 東町までどのくらいですか?」

「ここから馬で1日、馬車なら1日と半日、関からだと馬で1日、馬車で1日と半日程度ですね。」

「同じくらいという事ですか。

 ・・・東町で会いましょう。」

「であるなら、東町周辺では人工湖の予定地が縄で仕切りしていますのでよろしかったら視察をお願いします。」

「了解しました。

 ヴィクター。」

「はっ!」

「試験小隊に連絡。

 マイヤーさん、ベイノンさん、アーリスさん、オールストンさん、ブレアさんの5名に東町への同行を命じます。

 衣服は旅支度のままで可です。

 アーキンさん、ブルックさん、アニータ、ミルコは居残りとし、アンダーセンさん達が到着後、各部屋への案内や訓練場への案内等々をして貰います。

 ヴィクターは通達実施後、幌馬車1台を用立ててローさんの店先に付ける事。」

「畏まりました。

 マイヤー様達が乗って来た幌馬車を手放しているはずですので、そちらを探させていただきます。」

ヴィクターが頷く。

「アリス、エリカさん、ビエラ達は旅支度と食料の買出し。

 時間があれば料理長に頼んでお菓子の催促をしておく事。

 夕食前までにビエラとクゥ、ミアはコラ達に事情を説明しておく事。」

「「はい!」」

「出立は明日朝一、強行軍ですが、その日の内・・・深夜になってしまうでしょうが、東町まで移動します。

 向こうが着く前に場を用意する為に半日早く移動します。

 夜間の移動も兼ねますので準備は怠らないように。」

武雄が皆を見ながら言う。

「フレデリック、伝令に先に東町に行かせ宿等の手配をさせるのじゃ。」

「畏まりました。」

フレデリックが頷く。

「夕霧、時雨、初雪はどうしますか?」

「ん、私は伯爵の所にいます。」

「私は森で監視の仕事っス。」

「私がタケオに付いて行きます。」

夕霧達が考えもせずに意思表明する。

「了解です。

 初雪が来るならアリスと一緒に旅支度を軽くしてきなさい。」

「わかりました。

 アリス。」

「買出しの時に一緒に買いましょう。

 すぐに揃いますよ。

 エリカさんも良いですね?」

「ええ、異存はないんだけど・・・今更ながら聞いて良いでしょうか?」

エリカが神妙な顔つきをする。

「はい?」

アリスが不思議そうに聞き返す。

「夕霧殿、時雨殿、初雪殿って・・・魔物なのですか?」

「「??」」

エリカの質問に皆が首を傾げる。

「いや・・・皆さんが気にしていていないのでエルヴィス家では普通なのでしょうけど・・・

 領内を探索しているようですし、3名で意思の共有とか言って手を繋いでいますし・・・

 普通の人間では出来ませんよ。

 なので・・・魔物かと・・・あれ?違いますか?」

エリカが皆を見回しながら言っている。

「言ってませんでしたか?」

武雄が代表して聞く。

「・・・全く聞いていません。」

「そうでしたか。

 それはすみませんでした。

 夕霧達はスライムの最上位であるエルダームーンスライムという種族です。

 攻撃力は皆無でエルヴィス家で保護地区を作って協力関係を作っています。

 あ、ちなみに彼女達を王都が欲しがっても行かせませんからね。

 やっと良好な関係が築け始めたのにそれをこちらの都合だけで反故にして協力体制を崩してしまうとこの地が不安定になる可能性が高いのです。」

「陛下達には?」

「まだ知らせていません。

 王都ではスライムの上位種はほとんど認知されていません。

 物珍しいからと言って欲しいと要請された所で家族や仲間を売るわけないでしょう?

 今は信頼関係を構築中です。

 それが上手く行くまでは出来ません。

 なので、エリカさんは王都で口外も当分禁止。

 折を見てこちらから報告を上げます。」

「はぁ・・・ん~・・・ならいつか領外に出せる時は第3皇子一家にも来ていただけますか?」

「条件関係は要相談ですが、何かあるのであれば私と一緒に行くのも可能ですね。

 私達に許可なくスライム達を強奪しにくるなら・・・」

「あ~?」

「きゅ~?」

「主が行かなくても私達が行きますよ?」

チビッ子が強襲を宣言する。

「はぁ・・・ドラゴン達に守られている魔物に手を出すのは馬鹿げています。

 それにタケオさんの言い方なら、少し時間がかかりはしても協力関係が強化されればこちらにも紹介と派遣はしてくれそうです。

 それまでは口外しないように努力はします。

 ですが、私も人間です。

 ついポロっと殿下達の耳に入れてしまう可能性も無きにしも非ずです。

 早めの協力体制の確立をお願いします。」

エリカがため息交じりに言う。

「そこは努力していきます。」

武雄が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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