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第1260話 幌馬車の改造をしてみよう。1(まずは現状の幌馬車の改造から。)

武雄はいつもの起床関係を熟し、散歩がてら訓練場で拳銃を撃ち、朝食を取ってから用事を済ませに外出をしていた。


ローチ工房にて。

武雄とキャロル、ローチと工房の主だった面々が話合いをしていた。

「ご夫婦ですか。」

「ええ、ご夫妻で来て頂けるとの事です。

 部屋を用意して頂けますか。」

「それはもちろん用意はいたしますが・・・

 ふむ・・・どうなりますかね。」

ローチが腕を組む。

「キタミザト様、どのような方針で行かれるのですか?」

キャロルが武雄に話を振る。

「ふむ・・・キャロルさん、荷馬車を簡単に言うとどうなりますか?」

「荷を積み、馬で牽くでしょうか。」

「そうですね。

 荷台があって、荷を積み込み、馬で牽く。

 では、船での輸送はどう言えますか?」

「そうですね・・・船の荷台に荷物を乗せ、船で運ぶ。」

「そうですね。

 要は船も荷馬車も運ぶ物を台に乗せる(・・・・・)という行為であって後はどう引っ張るかの違いでしかないとなります。」

「極論ですね。」

「ええ、極論です。

 馬でなくても狼だって牽けるので良いでしょう?」

「まぁ・・・そうですね。」

「来ていただくご夫婦については後で話しましょうか。

 まずは馬車の試作についてです。」

「はい、例のベアリングを仕込むのですね。」

キャロルの言葉にローチ達も頷く。

「ええ、まずはそこからです。

 例えば馬1頭で牽ける重量が増えるのか。

 もしくは2頭牽きでどのくらい多くの重量が運べるのか。

 その試作と試験ですが、キャロルさんにはユニット化をお願いしたいですね。」

「ユニット化・・・ですか。」

「ええ、ベアリングの耐久性の確認や製作についてはお任せします。

 そしてベアリングを現場で組み立てるというのは案外大変そうな気がします。

 なので、1つの部品としてローチ社長達に納入するべきです。」

「となると私共はサテラ製作所から納入されたのを車軸に付けて荷台に付ければ良いのですね。」

「・・・荷台に付けてからではなく?」

「それでも良いのですが、まずは車軸の方にしっかりと固定してから上から荷台を取りつけた方が良いと私はキャロルさんの話を聞いて思っています。

 なので、私共は馬車の車輪軸に取り付けてから荷馬車の下に付けたいと考えています。

 如何でしょうか。」

「ふむ・・・うん、製作現場がいうのであればそれで作ってみた方が良いのでしょうね。

 それで・・・2台くらい作ってみますか?」

「そうですね・・・うちとしては1台分で4個となると費用がこのぐらい掛かるのですが・・・」

キャロルが武雄の前に費用が書かれた紙を出す。

「へぇ~・・・思ったより安いですね。

 ローチさん的にはどう思いますか?」

「荷馬車の価格に転嫁させますので・・・高すぎるのは頂けませんが、そこは説明するほかないでしょう。 あと試作用は中古でよろしかったでしょうか?」

「構いませんよ。

 一番安いのでしましょう。

 取付等々で色々穴を開けたり、切ったり貼ったりするでしょうからね。」

「となると改造用に2台、比べる対象として1台の3台を用立てます。

 組み込み自体はサテラ製作所から来てからすれば良いから・・・2日で出来るか。

 重りとなるのは・・・空のワイン樽を借りて行って・・・」

ローチが考えながら言う。

「ローチ社長、費用はいくら渡しますか?」

「えーっと・・・ベアリングの価格が2台分で・・・これだから・・・

 うちの経費を乗せて・・・金貨50枚でどうでしょうか。」

「わかりました。後で持って来させましょう。

 それと試験の時は怪我に注意して実施する事。

 試験結果等の資料を作る際は良い事も悪い事も書く事、変に気を回さなくて結構です。

 今、何が悪くて良い事は何なのか、わからなければ発想は出来ませんからね。」

「はい、畏まりました。

 試験等についてはキャロル殿とテイラー殿と話し合って実施します。」

「はい、お願いします。

 と・・・これでベアリングの話は終わりですね。」

「はい。」

「次は荷馬車と船の関係性ですね。

 流通は『早く多くの物を』というのが根幹だと考えています。」

武雄の言葉に皆が頷く。

「となると。

 船から荷馬車、荷馬車から船への荷物の積み替えの時間をどうやって短くするか。

 これが重要な考えになってきます。」

「ふむ・・・キタミザト様の仰りたい事はわかります。 

 ですが、実際に船の荷を荷馬車に乗せるのに船を停めておく場所から、荷馬車を置いておく所まで人手を使って積み替えるのが普通かと考えます。

 出来たとしてその距離を縮めるとかでしょうか。」

「ふむ・・・ローチ社長、黒板もしくは大き目の紙はありますか?」

「あ!はい!紙を用意しています。」

ローチがそう言うと他の面々が武雄達の前に紙を用意する。


「つまり・・・荷馬車とは車輪が付いた台座、船とは箱の上の台座。

 ここに個々の荷物を乗せるのが大変という事なんですよね?

 という事は・・・台座の上に大きな箱を作って・・・箱ごと船に移動したら?」

「なるほど・・・荷の積み替えをある意味馬車ごとさせると。

 確かにこの方法はありですね。」

「こんな事が・・・箱ごととは・・・

 問題はどの程度の箱を用意出来るか・・・確かに運べる重さの試験は重要ですね。

 それによって箱の大きさが変わると。

 キタミザト様、この箱は何て呼称しますか?」

「コンテナ・・・でどうでしょうか。」

武雄がにこやかに言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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