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第1258話 148日目 最近の王城では。(問題児を相談しよう。)

王城の食堂での朝食風景はというと。

アズパール王と第3皇子一家とパットとエイミーが朝食を取っていた。


「ふ~ん・・・タケオの所からタンポポ茶が来ないな。

 久々にあれが飲みたい。」

アズパール王がパンを食べながら言う。

「お義父さま、無理を言っても意味はありませんよ。

 農地があるからといって1日、2日で育つわけでもないですし。

 それにそうそう栽培が上手くいくとは限りませんよ?」

アルマが呆れながら言っている。

「そうですよ。

 今は麦茶で良いじゃないですか。」

レイラも呆れているようだ。

「わかっておるが・・・25年手を付けないと言った手前出来ないしなぁ。」

「25日にすれば良かったですね。」

「・・・そんなことタケオに言えるか。」

「「それはごもっともで。」」

「ん~ん~・・・

 麦茶を濃くして飲むか。」

「苦いだけですよ。

 ちなみに僕は試しましたから実体験です。」

ウィリアムが苦笑している。

「はぁ・・・あの2名の子が早く栽培を軌道に乗せるのを待つしかないか。」

アズパール王がため息をつく。

「で、エイミー。

 どうだ?」

アズパール王がちらりとエイミーを見る。

「・・・えーっと・・・お爺さま、何が『どう?』なのでしょうか?」

エイミーが口に持ってきていたパンを皿に置き聞き返す。

「王立学院だよ♪」

アズパール王が楽しそうに聞く。

「・・・私、今日にでも卒業して良いですか?」

「ん?何かあったのか?」

「グレースです。

 やっとこっちの言い分は教え込めたとは思うのですが・・・とっても心配です。」

「・・・こっちの言い分?

 何をグレースに言ったんだ?」

「スミスとジーナについてです。

 どれだけ言葉を要した事か!

 あの子あんな感じでしたか?

 かなり意固地ですよ。」

「んー・・・我の前ではそういった発言はしないからな・・・

 パット、お前は会ったか?」

「前に会いましたが無視していました・・・最近は会っても居ません。」

「え・・・パット、グレース(あれ)を無視してるの?」

エイミーは驚き顔をパットに向ける、顔には「やり方教えなさい!」とマジマジと書いてあった。

「無視とは穏やかではないな。

 パット、何があった?」

アズパール王が真面目顔で聞いて来る。

「はぁ・・・グレースは王都から外に出た事すらありません。

 なので王城の城壁より外の世界は全て本からの受け売り(・・・・・・・・・・)なんです。

 聞いていて本で読んでいる程度の内容しか話して来ないんです。

 かなりつまらないですよね。」

「・・・なーに知ったかぶりしているんでしょうか。

 私から言わせればパットも同じです。

 身がない、実がない、重みがない。」

「おい・・・流石に俺はあれほど酷くないだろう?」

「だと良いね。」

エイミーがパンを食べるのを再開する。

「・・・ふむ・・・

 ウィリアム、どう思う?」

「ははは、僕も通った道ですよ。

 王都から出ていないのですから・・・地方の暮らしがまず想像出来ないんです。

 王都の国民を見て地方の国民を思う。

 地方の悪い噂は十分に理解しないまま、他人の意見などを受け入れる。

 兄上達が居なくなって多少外を見る機会があってから考えが変わりましたけどね。」

「女子にはまだまだ壁の外は厳しいからなぁ・・・

 かと言って視察に行かせても向こうで用意した物を見るだけでは意味がないし・・・

 まぁわかった、実情とグレースの思い込みとの差が激しいんだな。

 それは追々何か対策するように人事局の方に言っておく。

 エイミー・・・それで良いか?」

「お爺さま、ありがとうございます。

 その対応策が功を奏しているかは随時報告します。」

「うむ、頼む。

 で・・・エイミー、どうだ?」

「・・・えーっと・・・他にありませんが?」

「くっ!エイミーではわからぬか!

 アル殿、どうだ?」

「そう言った事は直接言葉で言わないとわからないのが人間だと思われますが・・・

 スミスとジーナの出迎え準備の事ですね?」

「うむ。特にスミスのな。」

「な!?」

「お付の方が買出しに行っておられますから問題ないかと。」

「ふむ・・・」

「ねぇ、アル、私何も知らないんだけど。」

「私も言われていませんから具体的な内容はわかりませんが、コソコソッと出かけておいでですよ?

 夕食後とか。」

「・・・自由時間になのね・・・んー・・・

 あの野郎、何を企んでいるんだ?」

「エイミー・・・口が悪いです。」

「・・・問いただしましょう。」

「まぁほどほどにな。

 それとパットはどうだ?

 ウィリアムの所に仕事の補助に行かせているが。」

「僕は・・・」

パットがウィリアムを見る。

「まぁ・・・そこそこです。

 早く物を覚えて貰わないといけないですね。

 当分は資料の読み込みでしょうか。」

「うへぇ・・・もっと政策の事が出来るかと思ったのに・・・」

パットが嫌な顔をする。

「そうだよね~パットは基礎段階だもんね。

 基礎がなければ政策は出来ないわよ。」

「現時点で政策をするなんておこがましい。

 さっさと資料を読みなさいよ。」

アルマとレイラが「基礎もなければ先はない」と言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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