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第1255話 夕食後の打ち合わせ。(今後の事。)

「最後に南西の森の状況っスね。

 ミアの部下の狼と鷲が連日ずっと監視しているっス。

 ちょっとあからさま過ぎて攻撃されないか心配っス。

 あとサイウンとシウンの見た情報だと森の奥に群れは移動してあっちも監視を置いているみたいっス。」

「ふむ・・・ミア、コラ達はどうですか?」

「はい、主、毎日連絡は貰っています。

 現状では周囲からの観察をしています。

 ですが・・・夕霧、魔力溜まりは知っていますか?」

「オークやゴブリンが出て来る黒い水たまり?」

「はい、あれがある節があります。

 なので森から出なくても一家を賄っているかと。」

「ふむ・・・ミア、魔力溜まりとはなんですか?」

「極稀に魔力が集中している場所・・・水たまりが発生する事があります。

 そこからオークやゴブリンなどの魔物が発生します。」

「・・・それは頻繁にあるのですか?」

「んー・・・頻繁と言えば頻繁ですが・・・

 多くの魔物が死んだ跡に発生する事がありますが、ほとんどは自然発生でオーク3、4体を出したら消滅します。

 ですが、要領が良い魔物は継続的に回りに死体を置いて維持をしている事もあるのは見た事があります。」

「なるほど・・・ん?ビエラ、どうしましたか?」

武雄がビエラがミアの説明を聞いて考え込んでいるのに気がつく。

「あ~?・・・あ?」

「ビエラ、本当ですか?

 クゥもわかりますか?」

「きゅ?」

「ビエラだけですか?」

「あ~・・・」

ビエラがミアに何か言うとクゥはわからないようだ。

「ビエラは何て言ったのですか?」

「えーっと・・・ビエラが言うには魔力溜まりを作る方法は3つ。

 自然に発生する、魔物の死骸を集め腐敗させながら半強制的に発生させる、魔法陣を使って強制的に魔力溜まりを作る。

 この3つだそうです。

 ですが、ビエラも魔力溜まりの魔法陣は200年前くらいまでしか見たことがないそうです。」

「エルヴィスさん。」

「ふむ・・・わしは知らんの。

 フレデリックも知らんと思うの。」

「はい、私も知りません。

 ヴィクターはどうですか?」

「ん~・・・魔法陣でオークを発生させる・・・どこかで見たような・・・」

ヴィクターが思い出している。

「あー。」

「え・・・ビエラが最後に見たのがここから南の魔王国内の所なんですか?」

「はい!あ、あ~、あ。」

「なんですか!?その数は!?」

ミアが驚いている。

「ミア?」

「いえ・・・200年くらい前に見た時は・・・オークが200体、ゴブリンが400体だそうで・・・

 あり得るのですか?」

「オーク200体・・・そうかあの本ですね。

 その話は魔王国に居る時に見た文献にありました。

 確か森の中から一団がいきなり攻めてきて集落が飲み込まれ、討伐したというような話だったかと。

 数個の村と町に被害が出たというのと原因は魔法陣によるオークの大量発生が原因だろうと書いてあったと思います。

 で、領主達は皆、オークとゴブリンの飼育方法を検討したとあったと思いますね。」

「ヴィクター、魔法陣を使った際に発生する数はわかりますか?」

「確か・・・考察事項で魔法陣の大きさや数、距離に寄って違いがある可能性がと・・・ですが、私の代では廃れた技術でしたので私は使用した事はないです。」

「廃れた?」

「はい、野良のオークは躾が大変です。

 私の代の領主達は繁殖させて一から躾をしている為、魔力溜まりの魔法陣は使用していません。

 私も報告書程度の知識しかないので何とも言えません。

 魔王国に行けば文献等は探せるかと思います。」

「ふむ・・・エルヴィスさん。」

「たぶんタケオが来てからと2年前の襲撃はそれを使った可能性があるの。

 集結しているのがわからずに襲撃してきたという状況証拠。

 そしてヴィクターとビエラの話を総合するとそうなるのじゃ。」

「・・・ミア、確かミアを連れていたのは人間(・・・)でしたよね?」

「はい・・・フードを被ってはいましたが、確実に人間です。

 でも主、私が鳥かごに入れられてオーガやゴブリンの居る所に付いた時は集結済みでしたよ?」

「・・・人間が・・・んー・・・」

「少なくともわしらは知らぬの。

 さて・・・どの国かの(・・・・・)?」

「エルヴィス家を疎ましく思っている者。

 もしかしたらそう思わせようとする者。

 アズパール王国の国全体を東側に意識を向かわせたい者。

 ・・・普通に裏を考えればウィリプ連合国とその息のかかったアズパール王国内の者とそれにそそのかされた者達がいる・・・でしょうか。」

「ふむ・・・

 少なくとも魔法陣はわしらは知らぬが、王都ではわかるかもしれぬの。」

「そうですね。

 各所に聞きに行きましょうか。」

「タケオ。頼むの。」

「はい、その時は聞きに行きます。」

武雄が頷く。

「あ~?」

ビエラが武雄を見ながら言う。

「そうですね。

 主、その狼一家のいる所を調べてはいかがですか?

 定期的にオーク等を処理しているのはほぼ確実です。」

「そこはミアの判断に任せます。

 これはこの地域でコラ達が上位に立つ為の仕事です。

 それに今は情報を確認している最中です。

 調査の結果、私達も参戦が必要なら行きますけど、率先しては私はまだ出ませんよ。

 聞いた限りでは現状脅威でなさそうですし、コラ達がその地を平定させてからゆっくりと確認に行っても良いでしょう。」

「わかりました。

 コラ達にも注意はしておきます。」

「それと夕霧、時雨、初雪。」

「「「はい。」」」

「領内で魔力溜まりが頻発する箇所の確認をしてください。

 手出しはしなくて良いです。発生個所の確認をお願いします。

 もしかしたら何か規則性があるかもしれません。長い目で調査をする事。

 初雪が彩雲達と地図を作りますからその際に記載して行きましょう。」

「「「はい。」」」

武雄が簡易的な方針を決めるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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