第1254話 夕食後の打ち合わせ。(まずは報告。)
夕食後のティータイム。
武雄、アリス、エリカ、カサンドラ、エルヴィス爺さん、フレデリック、ヴィクターと夕霧達、ビエラ達チビッ子達という今居る主要メンバーが揃っていた。
「ポクポク肉トンカツ・・・凄いの!!
のうフレデリック、アリス達が絶賛する意味がわかったのじゃ。」
エルヴィス爺さん大興奮です。
「はい、タケオ様、トンカツは前にも頂きましたが油が甘く感じました。
あれは調理法が違うのですか?」
「いえ、調理法は一緒です。
素材の違いですね。」
「素材でこれほどまでとは・・・
いや・・・まさかこの歳でさらに美味しい物が食べられるとは。
これはゴドウィン伯爵にお願いして輸入量を増やして頂かないといけないかもしれませんね。」
「フレデリック、それはジェシーお姉様にお願いしている最中ですよ。」
「ううむ・・・
となると見返りが必要でしょう。
飼料の量を多くお願いいたしましょう。」
フレデリックが考えながら言う。
「うむ・・・確か今日の書類にあったが、あれは一旦戻しじゃの。」
「畏まりました。
ゴドウィン伯爵家との取引額の調整をいたします。」
「うむ、それでなタケオ、まずは養鶏場、その後に酪農に着手する事にしたからの。
紅魚養殖事業については2名ほど当てて実施はするがの、成果という点は当分は出ないじゃろうからの。
エルヴィス家としては酪農の拡大を推奨する運びになる。」
「はい、牛乳や生クリームの増産とスイーツ類の発展ですね。」
「うむ。」
「人工湖の方は問題はないのですか?」
「うむ、人工湖の造成は来月半ばからじゃの。
今は最終的な図面待ちじゃが・・・ロバートの所から船の設計者が来るのじゃろう?
その者の意見も聞きたいの。
わしらでは大規模な港の知識はないからの。
その者の意見を聞きながら修正をしようと思う。」
「わかりました。
手配はいたします。」
「うむ、頼むの。
わしからは以上じゃ。
アリスとエリカ殿は今日は屋敷に籠っておったの。
どうじゃ?成果はあったかの?」
「はい、資料には目を通させて貰いました。
明日は成功事例の現地視察を予定しています。」
「うむ、気を付けての。
じゃがあまり目立った感じの物はなかったからの。」
「いえ、例えば農業向けの肥料の置き場の分散提案とかは確かに地味ではありますが、有効性がしっかりと出ているようです。
ただ、管理が大変なようではありますが。」
「うむ、農業関係は少しずつ実施していったからの。
あまり急すぎる変革は負担も大きい、予算上出来る事と実際の労働力との差は出てきてしまうの。」
「そこの修正をするのが文官達の役目です。
エリカ様は大きく物を見る事が重要かと思われます。
そして文官が修正をしてきたのなら真摯に受け止めればよろしいでしょう。」
「はい、ありがとうございます。」
エリカが頷く。
「伯爵、タケオ、私達からの報告です。」
夕霧が立ち上がり皆にいう。
「うむ、聞こうかの。」
「はい、何ですか?」
エルヴィス爺さんと武雄が頷く。
「まずは関の報告。
前日からどうも魔王国側の関周辺の魔物が居なくなっています。
ですが、エルヴィス家側の魔物に変化はありません。
シグレ。」
「はいっス。
ビエラがエルヴィス領に入った際の森の中っぽい感じがするっス。
なのでドラゴンに匹敵する特異な魔物が領内に来たから余波で関の魔王国側に居る魔物達が一気に引いたと考えるのが妥当っスね。」
「ドラゴン並み・・・ヴィクター、そんな事あるのですか?」
「さて・・・アズパール王国側までドラゴンが来ることはほとんどないのですが・・・」
ヴィクターが考える。
「ちなみにエルヴィス家の魔物達はビエラに怯えていますか?」
「ないです。」
「それは嘘っスね、最初はあったっスよ。
でも流石に毎日だと慣れてきているようっスね。」
「滅多に来ないドラゴンがね・・・ビエラ、どう思いますか?」
「あ~・・・あ?」
ビエラが腕を組んで首を傾げている。
「主、ビエラも『ドラゴンが来れば鳴き声が聞こえても良いはずなんだけど』とドラゴンではないようです。」
「ドラゴン相当かぁ。
これは要観察事項ですね。
時雨、その辺の情報はお願いします。」
「タケオ、越境しての調査はしていないっス。
今の所、関周辺っス。それでも良いっスか?」
「それで十分です。」
「了解っス。」
シグレが答える。
「それとタケオ、早く関周辺の土塁を見に行ってください。
補修が必要ならしなくてはなりません。
ジェシーの所の関もしないといけないんですから。
シグレがジェシーの所に派遣するスライムを持て余しています。
向こうの関近くまで行かせています。」
夕霧が言ってくる。
「そういえばジェシーの所に派遣する予定じゃったの。
タケオ、確認してから誰を派遣するか検討しないといけないの。」
「了解です。
もう少し落ち着いたら見に行きます。
シグレ、先行して向こうの地形や地質の確認をして来て貰って良いですか?」
「地形と地質っスか?」
「ええ、土塁もしたいですが、そもそも岩ばかりだったり崖があったりしたら違う事を考えないといけませんからね。」
「了解っス。
地形と地質っスね。
深さを30㎝くらいでスライム専用通路を作るっス。
こっちの関から向こうの関とこの街から向こうの関で良いっスよね?」
「・・・ええ・・・まぁ・・そうですね。」
武雄が「情報網が凄まじい勢いで構築されていく」と思うのだった。
「暇なスライム招集っスね!
あ、川があったから東町から分岐した方が良いっスかね?」
「とりあえず東町から行ってみなさい。
余裕があれば直接こっちの街に繋げば良いでしょうからね。」
「わかったっス。
ハツユキやるっスよ。」
「わかった。」
シグレとハツユキがお仕事が貰えて嬉しそうに頷くのだった。
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