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第1253話 エルヴィス家の夕食前。(面倒な将棋をしている模様。)

武雄がハワース商会と話合いを終えてエルヴィス邸の玄関に到着した時。

「「あ、タケオ。」」

玄関先に時雨と初雪が来ていた。

「おや?2人ともどうしましたか?」

「さっきタケオが訓練場に来ていたっスけど、話に行った時には帰っていたっス。」

「私達、話したい事ある。

 なので来た。」

時雨と初雪が武雄を見る「なんでいないの?」という顔で言っていた。

「入れ違いになりましたね。

 夕霧も呼んで話を聞きましょうか。」

「そうっスね。」

「わかった。」

時雨と初雪と一緒に武雄が玄関を入るのだった。

・・

夕食前の客間。

アリスとエリカがのんびりと将棋をしていた。

そこに武雄達が入って来る。

「あ、タケオ様、おかえりなさい。」

「タケオさん、おかえりなさい。」

アリスとエリカが立ち上がる。

「はい、ただいま戻りました。

 2人とも今日の分は終わったのですか?」

「とりあえずです。

 実施の成功例をまとめたので、明日は実際に街中を見て確認しようかと。

 ですよね?エリカさん。」

「ええ、明日は歩き通しだと覚悟してます。

 それにしても数が多かった・・・タケオさん、エルヴィス伯爵家は凄いわ。」

エリカがウンウン頷いている。

「エリカさんが何か政策について考えの足しになるのならそれは良い事ですね。

 それで頭を使ったのにまた頭を使う将棋をしているのですか?」

「はい、特別ルールです。」

「特別ルール?」

「先に今は負けた方が勝ちで兵の駒が無くなった瞬間に王を取れば勝ちです。」

「うん、わかりません。

 最初に王を突進させれば負けそうですけど。」

「それを敢えて取らないのが今のルールです。

 そして兵の駒が無くなったら王を取った方が勝ちです。」

「えー・・・すみません、本当に意図がわかりません。

 最初から王を取りに行けば良いのではないのですか?」

「それはいつものです。

 ですけど、この辺の駆け引きを考えてみるのも面白いかと、どうなるか?はしてみないとわかりません。」

「そうですよ。

 今はアリス殿と私が切り替えの時を伺っているんです。」

「まぁ2人が楽しければそれで良いです。」

アリスとエリカが変則ルールで楽しんでいる。


「ハツユキとシグレが来た?」

夕霧が客間にやってくる。

「「ユウギリ。」」

シグレとハツユキが振り向く。

「2人ともどうしたのですか?」

「タケオに相談っスよ。」

「あとユウギリに報告。」

「・・・とりあえず情報を共有しましょう。」

ユウギリがシグレとハツユキに近づき情報の交換を始めるのだった。

・・

ユウギリ達3名は報告は夕食後となり今は厨房に行っている。

そしてもうすぐ夕食の時になってエルヴィス爺さんが客間にやって来て武雄に愚痴を言っていた。

「・・・タケオ、執務は疲れると思わんかの?」

「それがお仕事だと思いますよ。」

「うむ・・・それはそうなんじゃが・・・

 はぁ・・・もう歳じゃ、早くスミスが王立学院を卒業しないかの?」

「3年後ですね。」

「・・・すぐに家督を譲ろうかの。

 ふふふ、王都にはお願いしておかないとの。」

「交代の時はどうやるんですかね?」

「王城に呼ばれるの。

 陛下の前でわしが退任の意を述べて了承し、継承者に爵位が授与されるの。

 わしの時はそうだったし、確かフレッドやロバートの時もじゃの。

 たぶん変わっておらぬ。」

「面倒ですね。」

「まぁそういう物じゃの。

 来年あたりに王都にお願いしておくかの。」

「・・・卒業と同時に向こうで交代式ですか。

 スミス坊ちゃんは爵位はどうなるのですかね?」

「ん~・・・何とも言えぬの。

 現状は伯爵じゃが・・・良くて伯爵位普通なら1つ下げて子爵位かの。

 むしろタケオがその時どうなっておるかじゃの?」

「男爵から子爵に1週間とかからなかったですね。」

「ふむ・・・今回の功績を考えれば伯爵位もすぐかもしれぬの。」

「あれは私の成果というよりアリスや精霊達の成果ですからね。

 これで伯爵位となれば無用な嫉妬があるでしょう。」

「かもの。

 じゃが、それでも王家一同と王都文官は印象が良いのではないかの?」

「時間が過ぎれば評価が薄れますよ。」

「うむ・・・なら研究所の成果が必要じゃの。」

「盾だけでは流石に・・・」

「なら流通網じゃの。」

「あれはウィリアム殿下経由です。」

「料理や食料についてはうちじゃの。

 王都の評価とはなり辛いの。」

「はい、王家や文官の個別になら評価してくれて全体となると流石に今の所、方策がありませんね。」

「ふむ・・・領地持ちは維持をしながら発展をさせて行けば伯爵までにはなると思うがの?」

「それは魔王国側がおかしいですね。

 3貴族共伯爵なんですから、西側の5貴族の中で伯爵は2家だけですよ?」

「発展しておらんのじゃろ?」

「いろいろな所に喧嘩を売りそうな言い方ですね。

 ですが・・・まぁ見た感じ発展というよりも現状維持状態です。

 そういえば王都の壁以外の領地持ちで男爵は私の同期のバビントン殿だけですね。」

「じゃろうの。

 地方は現状維持で子爵位までは行くからの。

 じゃが、1から領地の発展じゃと割と早い段階で伯爵位になるかもしれぬの。

 初代が一番爵位が上がるのじゃ。」

「・・・エルヴィスさんの基準はちょっと違うかもしれませんよ?」

「わしらも基準は知らぬがの。

 案外簡単な審査基準のはずじゃ。

 でなければ誰もが認められぬであろう?」

「それは・・・そうですね。」

タケオがエルヴィス爺さんの言葉に頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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