第1231話 チビッ子の防御力を上げよう。(新人の教育は?)
武雄達は甚平の打ち合わせと作業服の最終確認を終え屋敷への帰路に就いていた。
「主~・・・私達の作業服作ってください。」
ミアが武雄の肩に乗っかりながら言ってくる。
「ん?どうしましたか?
コノハとかにもですか?」
「違いま・・・いや、それも含めて私とビエラとクゥのヘルメットから作業服まで一式欲しいです。」
「ふむ・・・ビエラは子供用を作れば良いとして・・・クゥが服を?」
「きゅ?」
クゥが武雄を見上げる?
「クゥ、着ますか?」
「きゅ~・・・きゅ?」
クゥが頭を押さえて鳴く。
「主、クゥはヘルメットが欲しいそうです。」
「きゅ。」
「タケオ!はい!」
ビエラが手を挙げる。
「ビエラも服を?
女の子の見た目ですし、戦いにも出す気はありませんから作業服はいらないのではないですか?」
「タケオ~・・・あ~。」
ビエラも頭を押さえる。
「主、ビエラもヘルメットが欲しいそうです。」
「ビエラも?
・・・何があったのですか?」
「子供達が・・・」
「真面目に怖い思いをしたんですね・・・
いや、これは少し言っておかないといけないかもしれませんね。
マイヤーさん達に言いますからね。」
「・・・主~・・・親が言って子供は聞くのでしょうか?」
「ん~・・・私が言うと皆は子供達に強めに言うはずですね。
そう言われると自信がないですし、むしろ陰湿になるかもしれませんが・・・」
「なので主が言うのは私達にとっては悪影響です。
ですので、ヘルメットをください。」
「はい!」
「きゅ!」
ミアの言葉にビエラとクゥが激しく頷く。
「検討します。
ヘルメットはビエラは後日、ラルフ店長に頼みますか、クゥとミアは別口ですね。
まぁ・・・ステノ技研ですかね。
それに襟章とかで打ち合わせしないといけないですよね。」
「わかりました。
では、次はステノ技研ですね。」
「はい!」
「きゅ!」
武雄達が移動するのだった。
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試験小隊の訓練場にて。
午前の訓練が終わっていた。
正確にはマイヤーを頭にベイノン、アーリス、オールストン、ブレアのベテラン組とアーキン、ブルック、アニータ、ミルコの教育組に分かれてしていた。
ベテラン組は筋トレや剣技の自己修練を、教育組は行進訓練をしに行っていた。
そんなベテラン組は一通りやり終わり、皆で訓練場の端で車座に座って休憩していた。
「ん~・・・久しぶりに何も気にしないで体を鍛えた気がするな。」
「そうだなぁ。
王都に居た時は任務優先だからな。
ここまでじっくりと体をイジメて、剣を振るのは久しぶりだな。
というか腕立て腹筋の出来る回数が減っていて愕然とした。」
「あ~・・・それなぁ。
落ち込んではいないとは思っていたんだが、それなりに年齢を感じてしまったな。」
「まぁこれに魔法を駆使しますからね。
任務が遂行出来る程度は体を鍛えているのですけどね。
で・・・えーっと・・・マイヤー殿、昼食を挟んで次は魔法ですかね?」
「そうだな。
アーキン達と話をしてからだが、アニータとミルコと一緒に初期からもう一度してみるのも有りだな。」
「ふむ・・・確かに一からしてるのも良いですよね。」
「原点回帰というやつですか。
魔法師専門学院での初歩をしてみますか?」
「それも良さそうですね。
肉体も魔法も数日はじっくりとしてみますか。」
「あ、4人が帰ってきましたね。」
とアーキン達が帰って来る。
「皆さん、戻りました。」
「お疲れ様です。」
「「戻りました~。」」
アーキンとブルックは普通に挨拶し、アニータとミルコは少し息が乱れている程度で挨拶する。
「お~・・・行進訓練お疲れ。
昼前はこれで終わりか?」
「はい、少し早いですが昼食時は街中が混みますので早めに取ってその後は休憩所で休憩です。」
「昼食後はどうするんだ?」
「懐中時計で言うと13時から1時間程度の座学をして2時間魔法、少し休憩して1時間剣技ですね。
あとは軽く自習して終了です。」
ブルックが懐中時計を見ながら言う。
「座学か?」
「はい、魔法のイメージの仕方や今日やる内容の確認とか。
街中での情報とかですね。
アーキンと休憩中に話して決めています。」
「そうか。
いやな午後は私達もそっちと一緒にしようかと思ってな。」
マイヤーが言ってくる。
「なるほど・・・今日の魔法は初期の無詠唱訓練と敷地と森の境界の補修ですけど問題ないですか?」
「問題ないな。
アーリスとブレアが魔法分隊だからな。
他の面々より専門家に見て貰った方が皆にも良いだろう。」
「なるほど、確かに私達よりもアニータとミルコの癖がわかるでしょうか。」
「というか大なり小なり誰でも癖はあるんだが・・・
まぁ初期の時だからな2人を見ておくか。
アーキン、ブルック・・・あ、いやいいや。
アニータ、ミルコ2人ともこれまでしていて注意された事はなんだ?」
アーリスがアニータとミルコに優しく聞く。
「魔力量を抑えなさいと言われました。」
「最小で発動しようとしても魔力量が多いと。」
アニータとミルコがおずおずと怒られるかと思って声を小さめに言う。
「ふ~ん。
アーキン、何をさせているんだ?」
アーリスがアーキンを見る。
「ファイア、アクア等の発動で水一滴を火や氷にするイメージで撃たせていますが・・・
最初に比べればマシになったのですが・・・少し多いんですよね。
慣れだと思うので数を撃たせています。」
アーキンが考えながら言う。
「それじゃ治らないだろう・・・」
アーリスが呟く。
「え?」
ブルックが驚き顔をさせる。
「よし、今日は俺が見てみるか。
アーキン、ブルックそれで良いな。
2人はベイノン殿に久しぶりに見て貰え。」
「「はっ!」」
アーキンとブルックが敬礼をするのだった。
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