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第1227話 マイヤー達はテイラーの魔法具商店へ。(何か失敗したよ。)

テイラーの魔法具商店。

「ほぉ、意外と揃っていますね。」

「王都と遜色ないですね。

 ん?これはなんだ?」

ベイノン達は店内を見ている。

「おーい・・・見過ぎじゃないか?

 店長、すみませんね。」

カウンターに居るマイヤーがテイラーに謝る。

「いえいえ、構いませんよ。

 マイヤー様は私の事はどこまで?」

「陛下から経緯はそれとなく聞かされています。」

「そうですか。

 他の方々は?」

「たぶん知りません・・・ですが、所長のおかげでこの街は精霊が多いのは知っていますし、スミス殿もジーナ殿も精霊魔法師です。

 それにここに居る者はウィリプ連合国へ所長と共に行っていますのでパナ殿も一緒に行動していますので特に問題はないかと。」

「そうですか。

 ニオ。」

「やっとか。」

チビ仁王が姿を現し、カウンターに座る。

「うむ、我はテイラーの精霊のニオだ。」

「研究所の総監マイヤーです。

 よろしくお願いします。」

「うむ、あとでスズネが来るだろう。

 その時にテトが一緒に・・・ん?」

とテトが工房の方から飛びながらやって来る。

「ニオ~こっち手伝ってぇ。

 って、テイラーの店に客が居る!?」

テトが店内を見ながら驚く。

皆が「ん?ここは精霊がいるんだ」と普通に顔を向ける程度で済ませている。

「おぉ、テト、丁度良かった。

 タケオの部下達だ。」

「あぁ、なるほど。

 テイラーの上客ね!

 皆様、第二研究所の研究員、スズネの精霊 テトです、お見知りおきを。

 で、ニオ、こっち来て手伝って。」

「ん?今日は試験的に液体注入をすると聞いたが?

 15㎝程度の木材にするのだろう?」

「そうなんだけどさ、な~んか危なそうだよ。」

「はぁ・・・そうか。

 建物を壊すわけにはいかんな。

 テイラー、行ってくる。」

「はい、行ってらっしゃい。」

テトとニオが奥に飛んでいく。


「・・・・自由ですね。」

マイヤーが呟く。

「まぁキタミザト様がそういう方なので。

 私達もやりたい事をしています。」

「まぁ所長ですからね。

 それでニオ殿が液体注入と言っていたのは?」

「あぁ、槍の柄の開発をする事にしたんです。」

「槍の柄・・・ですか。

 良質の木材が我が国には少ないのですよね。」

「はい、皆様が来られる前に伯爵様とゴドウィン伯爵ご夫妻の前で精霊達が槍の講義をしましてね。

 その時に今のアズパール王国の槍の柄は使えないが、槍は戦争に使えるという結果となりまして、新しい柄の開発が急務なのです。

 一応、魔王国側から数十本を輸入して作ってみるという事になっていますが、独自開発が出来れば収入になるとステノ技研では研究する事にしたんです。

 その一環で木材にスライムの体液を注入し、加熱する事で強度を増せるのではないかという事なんですが・・・今日小さい木材に注入してみようという試験だったのです。」

「ほぉ、なるほど。」

と話していると。

奥から何か重い物が床に激突する音がする。

それと同時にワーワー騒いでいる。

「「・・・」」

マイヤーとテイラーが奥を見ながら何とも言えない顔をする。

「あ、そうだ。

 アーキン様、注文されていたのが出来上がっていますよ。」

テイラーが窓際の鈴音の張り紙が残っている机でのんびりしているアーキン、ブルック、アニータ、ミルコの4人に声をかける。

「出来ましたか。

 アニータ、ミルコ。」

「「はい。」」

アーキン達が席を立ちカウンターに行く。

「これですね。」

テイラーがカウンターの下から物を取り出しカウンターに置く。

「これは・・・所長の小太刀ですか。」

マイヤーが鞘に収まった状態の物を見ながら言う。

「はい。

 アーキン様にご注文を頂いたのが出来ました。」

「注文したのか?」

マイヤーがアーキンを見る。

「ええ、この子達にはショートソードより短い方が良いと思ったんですよ。」

「だが、小太刀はショートソードと振り方が違うんじゃないか?」

「そうなんですよねぇ。

 でもこの体にショートソードはまだ長いんですよ。

 持っていても振られている感があるので・・・

 ナイフは基本的に違いますしね。」

「まぁ・・・ナイフは予備だからなぁ。

 ナイフだけでも任務だけなら出来るかもしれないが、不測の事態には対応しづらいな。」

「はい。

 それにこの小太刀は振り易いので魔法師が使うのに便利なのではないかと思っています。

 テイラー店長、加工は?」

「宝石も仕込みましたし、魔法刻印も入れました。

 キタミザト様の時よりも宝石が少し小さい物で出来ていますが問題はありませんよ。」

「魔法刻印ですか??」

マイヤーが聞いて来る。

「はい、元々少しは出来ていたんですが、ステノ技研の方に本格的に教わっているんです。」

「王都以外ではほとんど見かけないですね。」

「ええ、まぁその辺は歴史的な背景はありますが、世間的に少しずつ広まれば良いかなぁと思いながら私としては今、習得中です。

 商品としては良い成果がもう少し出せれば良いんですけどね。」

「魔法刻印が施されている剣はどちらに?」

「えーっと・・・あっちの棚の脇ですね。」

テイラーが棚を指す。

「では、失礼して。」

マイヤーが席を立つ。

「マイヤー殿、どうしたんですか?」

「店長さんと何話していたんですか?」

等々隊員達が近寄っていく。

テイラーは店内を見ながらアーキン達と小太刀の微調整をするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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