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第1220話 その頃の寄宿舎では。3(エイミーの心労と2人の新入生。)

アルがエイミーにコノハの事を少し教えていた。


「・・・嘘でしょう?

 アルの話が本当ならコノハって使い方によっては戦争で活躍出来るではないですか。

 安産の精霊とか言っていましたが、危険極まりないですよ。」

「だからコノハは最高位の神々の一角なのよ。

 私は親と子の絆や忠誠を養う徳系と多産、肥沃、豊穣の大地の精霊だし、アモールは宇宙・・・本気を出せば単体でこの辺一帯は更地に出来る武力持ちよ。」

「・・・ちなみに・・・アルは本気を出すとどうなるの?」

「私?・・・攻撃とか出来ないけど・・・土地を豊かにさせてこの辺一帯を森にしちゃうかな?

 建造物だろうが、石畳の道だろうが所かまわず木々を生やして深い森にしちゃいます♪」

「可愛く言ってもダメです。

 はぁ・・・アルもコノハと同じ威力が高いのですね。」

「コノハに比べれば私なんて優しい物よ?

 ちょっと文明が終わるくらいだし。」

「・・・同じことをコノハも言いそうですね。」

「あ~・・・コノハなら『私は歴代の武器を貸しただけ、どう使うかなんてわからないもん』とか言いそうね。

 だけどコノハは酒造りや食べ物に興味津々だし、アリスも戦争とか考えてなさそうだけどね。」

「・・・それが唯一の救いですし、アリス様もタケオさんも好き好んで戦争はしないでしょうから・・・

 今後とも協力関係を築いて行かないといけませんね。」

「そうね~。

 今はあの子が問題かな?

 ジーナとスミスに何かあればあの2人飛んできそうよ?」

「あはは・・・飛んでくるなんてそんな・・・ん?飛んで?・・・ビエラ殿とクゥ殿?」

「あ~、なるほど揶揄ではなく本当に飛んできそうね。」

アルが「そう言えばそうだった」という顔をさせる。

「アリス様とタケオさんだけでも大変なのに・・・ビエラ殿にクゥ殿、さらにはコノハにパラス、マリ、パナの精霊達・・・

 王都がもたない?」

「軽~く見積もって半壊程度じゃない?」

「・・・グレースには今度しっかりと教育しておきます。」

「それが無難かもね。」

エイミーが困った顔をしているのをアルが苦笑しながら頷くのだった。


------------------------

宿舎の方はというと。

「いや~♪ルークの言う通り私の間違いでしたね。

 私が恥をかかずに済んで助かったよ。」

なぜか1階の食堂でコートニーとルークは一緒に夕食を取っていた。

「間違いなんて誰でもするだろう。気にするな。

 で、コートニー・・・なんで俺達は名前呼びなんだ?」

「苗字は親達の事わかっちゃうしね。」

「どうせ授業が始まれば必然とわかると思うんだが?」

「それはそれ。

 それにそっちの方が親しみやすそうでしょ?」

「呼び方は関係なくコートニーは親しみが体から溢れていると思うんだが。」

「・・・私臭い?」

「そういう事じゃない。

 はぁ・・・緊張していたのが解けそうだ。」

ルークがため息交じりに言う。

「ルーク・・・貴方に緊張は似合わないわ。」

「酷い評価だ・・・だが、緊張していない者なんているの・・・あぁ、目の前にいたか。」

「酷っ!ルーク!麗しき女性を前になんて事をいうのかしらね?」

「麗しいのならもう少し緊張感を持ってくれ。」

「私が緊張していないと思っている?

 私が初めてルークの部屋に行った時とか!」

「・・・聞きようによってはどう取られるかわからない危険な発言をするなよ。

 まだ会って数時間なのに・・・」

「時間?」

コートニーが聞きなれない単語に食いつく。

「いや・・・何でもない。

 だが会って間もないのは確かだよ。」

ルークがそう言いながら食事をしている。

「そうね~・・・まさか私も会って間もない男性と食事を共にするとは思わなかったわ。」

「言い方に気を付けよう。」

「気を付けていると思うけど?」

「狙ってなら一級品だ。」

「お褒めに預かり光栄ね。」

コートニーが楽しそうに笑うが、ルークは面倒そうな顔をする。


「おや?新人さん?隣良いかな?」

食事を持った女性が近寄って来る。

「はい!コートニー・ラックと言います。

 よろしくお願いします。」

「俺・・・僕はルーク・マイヤーと言います。

 よろしくお願いします。」

コートニーとルークが立ち上がり挨拶をする。

「ははは、別に立たなくて良いよ。

 私はターラ・シトリン、2年生よ。」

「「よろしくお願いします。先輩。」」

そう言いながら2人は座る。

「・・・良いわ。

 『先輩』呼び良い!」

ターラが嬉しそうに頷く。

「えーっと・・・ルーク君は数日前から居るね。

 何度か食堂で見たわ。

 コートニーさんは今日からかな?」

「はい、それと先輩、私に『さん』付けはいりません。」

「僕も必要ありません。」

「うん、ありがとう。

 君達2人は親御さん兵士?」

「ええ、私もルークも父親は兵士ですが。」

「そうかぁ・・・んー・・・2人ともこの後予定あるかな?

 少し話をしない?」

ターラが微笑みながら言う。

「・・・」

コートニーは目線を反らして考えている。

「先輩、一応聞きますが、それはどういった事ですか?」

ルークも訝しがりながら聞く。

「んー・・・そうだなぁ・・・

 第二研究所 総監カルロ・マイヤー殿のご子息と王都守備隊 第二情報分隊長ベインズ・ラック殿のご息女の行動を制限する物ではないけど、聞いて損はないと思うわよ?」

ターラが真面目な顔付で言うのだった。

「「!?」」

2人は目を見開いて驚くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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