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第1219話 その頃の寄宿舎では。2(ルークの友人確保とエイミーとアルの話。)

寄宿舎の部屋に入って早・・・何日だ?1週間か。

私ルーク・マイヤーは日記を付けております。


「はぁ・・・今日が3月20日か。

 えーっと・・・制服は3日後に取りに行けば良いんだよね。」

ルークは日記という日々の日報を見ながら確認する。

「それにしても・・・王家と貴族方が居る寄宿舎とこっちの一般生徒の宿舎は近いんだなぁ。

 ・・・そう言えばさっき豪勢な馬車が到着していたけど、貴族か王家が来たのかな?」

ルークが窓の外を見ながら呟く。


寄宿舎は基本個室が与えられていた。

まぁ高い費用が掛かるのに相部屋もないのだろうが。


と扉がノックされ許可を出すと荷物を持った女性が入って来る。

「こんにちは、隣に入った・・・あれ?男性?」

「・・・うん、男だよ。

 女性かぁ・・・隣?」

「うん、そう言われたんだけど・・・あれ?」

「女性と男性は別階・・・と書いてあるよね。

 という事はどちらか居ないはずだね。」

「ええ・・・んー・・・叫んだ方が良い?」

「はは、叫んでも事態は俺の方が悪くなるだけだし、時間の無駄かなぁ。」

ルークが苦笑いしながら答える。

「そうだね~。」

「じゃあ、1階の職員の所に行こうか。

 俺も行くよ。」

「え?良いよ!のんびりしていたんでしょう?悪いよ。」

「あ~・・別に良いんだ。

 お腹が空いたからね。そろそろ食堂に顔を出そうと思ってね。

 ついでだよ」

「そぉ?・・・ならご一緒して貰おうかな?

 あ、私コートニー、コートニー・ラック。

 今年入学者よ。」

「俺はルーク・マイヤー。

 同じ今年入学者だ。

 よろしく。」

「うんうん、同い年だね。

 そうかぁ、貴方がマイヤーさんの息子さんね。」

「・・・父を知ってるの?」

「実際は知らないけど・・・父から話はね。」

「そぉ。

 まぁ良いか。とりあえず君の荷物を持つよ。」

「んん~??

 私が間違えたと?」

コートニーが難しい顔をさせる。

「そうじゃない。

 女性の荷物を置き去りに出来ないだろう?

 そのぐらいの甲斐性は持っている。」

「あぁ~・・・女性に優しいのね。感心感心。

 なら・・・こっちでお願い。」

コートニーは小さい方をお願いしてくる。

「・・・わかった、そっちのには貴重品だね。」

「貴重品というか下着かな。」

「そういうのは言わなくて良い。」

「あら~・・・初心ね。」

「はぁ・・・君は初対面で馴れ馴れしいね。」

「んー・・・君と一緒でどちらに入っても問題無いように教育がされたからね。

 ある程度の礼節と大ぴらの性格。

 大ぴらの方が敵は作らせないとかいう感じで。

 学院生活に困らないであろう立ち振る舞いというやつだね。」

「俺はそんな教育はされてないよ。

 君のはどちらかというと素なのでは?」

「女の素は見せない物よ。

 化粧と同じで幾重にも・・・て置いて行かないでよ。」

ルークがコートニーが言い終わる前に歩き出す。

「ほら。行くぞ。」

ルークが疲れた顔をさせて歩いて行くのだった。


------------------------

こっちは寄宿舎。

ちなみに王立学院は寄宿舎制だが、『寄宿舎』と言うと貴族や王家が住む宿舎、『宿舎』と言うと一般生徒用の宿舎を指す。


グレースが去ったエイミーの部屋。

隣の部屋ではドタバタと音がしている。

「はぁ・・・面倒な子だなぁ。」

エイミーはアルが淹れたお茶を飲みながら窓の外を見ている。

「あの子大丈夫?地方貴族に対しての敵対心とは言わないけど。

 知識の偏りがあったわよ?」

「アル、あれが王都住まいの貴族の標準的な思考だと思いますよ。

 王都に住んでいる貴族達は他領を本でしか知りません。

 なので、ああいった本からの受け売りをしてしまうのでしょう。」

「・・・エルヴィス家がね~・・・

 アリスやスミス、レイラにジェシーを見てるとそうとは思えないけどね。

 まぁ上辺の物しか見ていないのは私も一緒かぁ。

 さっきの話が本当ならコノハ達今頃大変そうね。」

「ええ、あの意見が本当ならね。

 ですが、タケオさんが雇用されてすぐに意見が通っていたり、ヴィクターやジーナが何の違和感もなくスミスの横に居る事である意味でさっき言った女性の発言が低いというような事態にはなっていないというのがわかります。

 ・・・しっかりと考えたのならエルヴィス家は政治的に他種族に対して意識的差別は低い為、人間種の男女の性差がほぼないだろうという事がわかるんですけど・・・」

「そうね・・・男女の前に種族の違いがある物ね。

 なら向こうは安泰かぁ。

 コノハ達楽しんでいるかな?」

「アルもしてみたい?」

「私はコノハのようにはなれないかなぁ。

 酒とか作ってみたいとは思わないわね。」

「そぉ。

 コノハが特別なのかな?」

「あれはねぇ・・・特殊も特殊だろうね~。」

「そうなの?確か・・・戦力にはならないと言っていたわよね。」

「・・・コノハには個人としては戦闘力は無いんだけどね。

 あそこの歴史が問題よね。」

「歴史?」

「コノハはタケオの所の王の系譜なのよね・・・」

「精霊ならそう言った話は珍しくはないですよね?」

「私達の所とコノハの所はちょっと違うのよ。

 そうだなぁ・・・コノハの力は個人の力ではないのよ。

 血脈というか系譜と言うか・・・歴史こそがコノハの力なのよ。」

「??」

エイミーが首を傾げる。

「エイミー達には少しわからないかも・・・そうだなぁ。

 エイミー達は始祖と呼ぶ者達がいますか?」

「初代アズパール皇帝ですかね?」

「何年前?」

「約1000年前ですね。」

「なら今日までの1000年の間で・・・全時代で家臣が使用していた武器を使えるとしたら?」

「・・・んー・・・全て・・・今と1000年前では武器も考えも違うでしょうから上手く行かなそうですね。」

「んー・・・・どう説明したら良いんだろう。」

エイミーに想像させるのにアルは苦労するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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