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第1207話 雑貨屋で買い物。(タンポポ茶改名す。)

武雄の連れは雑貨屋の本棚を漁っていた。

「これでもないですね・・・こっちは歴史書ですか。」

「これは薬草かぁ・・・似ているかなぁ。

 でも薬草の本って本当に効くのかなぁ。

 これもパナ殿に確認して貰おうかな。」

「・・・へぇ~、この国の魔物ってこうなんだ。」

「・・・珈琲の原産地はっと・・・なるほど、名称が違うのか。」

アリスとエリカは真剣に探しているがコノハとパナは気が向いた本に集中していた。

「こら!コノハ、パナ真剣に探して!」

「アリス、早く探してね。

 私とパナは相談役なんだからアリス達が探してくれないと指摘は出来ないんだから。

 あ、これってこの辺の食材が紹介されている。

 これ買っちゃおうかなぁ。」

「本当ですね。

 アリス、早くしてくださいね。

 えーっと・・・珈琲の豆を輸入するには・・・んー・・・この位置だとウィリプ連合国に依頼ですか。

 ・・・タケオにはウィリプ連合国との繋がりがないかぁ。

 一旦持ち帰って検討しますかね。」

「こらこら。貴女達、お小遣いないでしょうが。」

「「・・・」」

コノハとパナが顔を見合わす。

「真面目に探してね。」

「アリス、前借りしたいんだけど。」

「アリス、後ですぐに返しますから貸してください。」

「エリカさんの本を探すのを手伝ったら貸しますよ。

 って、コノハは良いとしてパナはすぐに返すってどういう事ですか?」

「タケオが前に『各王家に精霊が付いたことと懐妊し流産の可能性を低くしたことへの恩賞でいくらか払う』と言っていますので、後で取り立てますから返せます。」

「あ、言ってたね。

 じゃあ私もそうしよ~。

 というよりタケオに今言いに行った方が早いんじゃない?」

「まぁ・・・そうですね。

 アリス、さっきのは無しで結構です。

 本探し頑張ってください。」

「そう言わないで探すの手伝ってよ。

 そうすれば早く終わるんだから、もうすぐ夕食なんだから早く帰らないといけないでしょう?」

「・・・しかたないか。」

「そうですね。

 夕食も近いですし。」

コノハとパナが自分が見ている本を棚に戻す。

「で?アリス、エリカどんな本を選んだの?」

「これと・・・これ。」

「ふむふむ・・・ん?エリカ、その本はなに?」

「薬草・・・だそうです。」

「薬草かぁ。パナ、どう思う?」

「見せてください。」

「はい。」

パナがエリカから本を受け取ると凄い勢いでページをめくり始める。

「・・・ダメですね。」

パナが本を閉じてから言う。

「そうなの?」

「ええ、特に有毒植物の項目がおかしいです。

 一部、美容に良いとか書いてあってこれは危険です。

 他にも効能が違う所もありますし、処方の方法も違う物が散見されます。」

「ん~・・・私達が使っている化粧品はどうですか?」

エリカが聞いて来る。

「王都で見た限りでは鉛や水銀類は使っていないようでしたので問題ないと思いました。

 アリスが使っている物も見ましたけど問題ないでしょう。」

「良かった。」

アリスがホッとする。

「しかし民間療法の本ないわね。」

「薬草も民間療法の一部ですよ。

 まぁ・・・たぶんエリカが探したいのは総合的な民間療法専門書という所でしょうか。」

「そうなの。

 地方に来ればあると思ったんだけどなぁ。」

「エリカが収集してまとめ本を作れば良いのでは?」

「・・・私?」

「それ良いわね。

 素案が出来たら私達が添削するわよ。」

「レイラ殿下のおかげで出版物はたぶん他の方々よりかは出しやすい環境なのは確かですね。」

「やってみたら?

 それに無いのならちゃんとした知識を世に広めるチャンスだし。

 実入りも良さそうよ?」

「・・・王都で考えてみます。

 で、書いて良い内容の精査はお願いしますね。

 さっきの薬草の本からも使える事は書きます。

 あとは・・・怪我への対処方法が載っている本があれば良いのですが・・・」

「んー・・・さっと見るかぁ。」

「そうですね。」

「怪我ね。」

4人が本探しをするのだった。


------------------------

カウンターでは武雄と店員が話をしていた。

「・・・新しいお茶ですか。」

「ええ、今度作付けをする事になっているんですよ。」

「北町の麦茶とこの街からのお茶・・・何と言う名なのですか?」

「・・・名?」

「ええ。」

店員が頷く。


武雄的には「タンポポ茶」で良いのだが、それだと原料が丸わかりになってしまう。

それに品質についても今は2人の作業を見ながら標準化しなくてはいけないので、最低でも数年は原料がわからないようにしておく方が良いのではないか。

となると原料がわからない名前にする方が良いとなる。


「・・・ダンディ茶(仮)です。」

「ダンディ茶?」

「正式名称はまだですね。

 それに今は王家とエルヴィス家とジェシーさんの所に卸すだけで精いっぱいなんです。」

「ほぉ、量産はこれからですか?」

「これからですね。

 まずは製造方法の確認と品質の維持方法の確立でしょうね。」

「なるほど・・・美味しいですか?」

「私は好きですね。

 それに北町の麦茶もたんぽ・・・・ダンディ茶も妊婦にお勧めのお茶なんです。」

「妊婦に・・・となると北町のライ麦を多く仕入れて販売した方が良いのでしょうか?」

「それも良いですが、焙煎した物を売ってくれると割と品質が保てるとは思うのですが・・・風味が飛んでしまう可能性がありますから、売る時にして貰うとありがたいですね。」

「焙煎ですか・・・んー・・・うちでは扱えないかもしれませんね。

 出来るだけ放置しておいて売る量を量り売りするという人手があまりかからない商売ですからね。

 焙煎の作業となると経費がかさみますね。」

「なるほど・・・売り方も少し考えないといけないんですね。」

「そうですね。

 簡単に人手も費用もあまりかからない方法が出来れば取り扱っても良いんですけどね。」

「わかりました。

 ちょっと考えてみますね。」

「はい、お願いします。」

店員が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] ダンディをダンディズムと解するか、ダンデライオンと紐付けするか、それを読者に委ねるには聊か表現が乏しいかと。
[良い点] 描写が丁寧な件 [気になる点] 悪く言えば冗長。 [一言] それはそれとして、もう記している人もいるかも知れませんが タンポポコーヒーはカフェインレスなだけでは無く「母乳の分泌量を増や…
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