第1203話 気分一新、マイヤー達を出迎えよう。2(待ち受けている。)
武雄とアリスとエリカが城門に着いた時には皆が集まり終わっていた。そう皆が。
「・・・えー?・・・なんで皆さんが居るのでしょうか?」
武雄が周りを見ながら言っている。
「歓迎ですかね?」
「タマちゃんにビエラちゃんにクゥちゃん、ミアちゃんの軍団と夕霧達、ベルテ一家と試験小隊の4人・・・あ、ニルデとジルダはコラを撫でて遊んでいますね。
全員ですね。」
「主~、来たのですね。」
ミアが飛んでくる。
「ええ、今来ましたが、皆が居るのですね?」
「はい!
訓練場で会うので匂いを覚えさせようと思って!
皆連れてきました。」
「なるほど。
夕霧達は?」
「ん、ついで。
まだ研究所が出来ないからハツユキも少し暇そうでしたし、ミア達が行くならと付いてきました。
タケオ、エルヴィス伯爵領内の探索は順調。
シグレも最近は報告がないようで森でのんびりしています。」
夕霧も近寄って来る。
「良い事ですね。」
武雄が頷く。
「所長、皆が揃ってしまいましたね。」
アーキンが言ってくる。
「私は顔だけ見に来ただけなんですけどね。
準備はどうですか?」
「部屋の最終確認は終了しています。
各部屋の鍵も預かっているのでここで合流してから各家に行かせます。
集合はどのくらいにさせますか?」
「・・・まだ建物がね・・・・」
「ですよね。
この後にトレーシー殿達も来ますので伯爵への謁見は後日で良いでしょうか。」
「ええ、皆が揃ってからで構いません。
それに制服を買わないといけないでしょうね。」
「主、ラルフ様の仕立て屋でこちらの書類を出せば採寸から割引まで出来る運びになっています。」
ヴィクターが武雄に書類の束を渡してくる。
「だそうです。」
「各員に渡しておきます。」
アーキンが書類を受け取る。
「あとは歓迎会ですね。」
「・・・どちらの歓迎会ですか?」
武雄の呟きにアーキンが真顔で聞き返してくる。
「ふむ・・・どっちも?」
武雄が聞き返す。
「あ~・・・一般の方は皆が揃ってから伯爵様に挨拶後でお願いします。
部隊としての方はアンダーセン隊長からの指示待ちです。」
「・・・ビエラに運動させないとなぁ。」
武雄がチラッとビエラを見る。
「大丈夫です。
原案通りにほふく前進での訓練です!」
「・・・コラ達対ビエラはミアから延期要請が来ているんですよね・・・」
「私達を使うのはダメですからね?」
「ビエラの暇つ・・・やる気を削がない方法を考えないといけないんですよね。
何かさせるかなぁ。」
「所長、楽しそうですね。」
「ええ、さっきまでヴィクターと予算の話をしていたんですよ。」
「大変そうですね。頑張って下さい。」
「ええ、頑張りますよ。
アーキンさん達は日々の仕事に邁進してくれれば問題ないですからね。」
「はい。
・・・あれですかね?」
アーキンが街道の先に幌馬車を見つけるのだった。
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マイヤー達一行。
「マイヤー殿、あれがエルヴィス家がある街の城門ですよね。」
アーリスが呟く。
「ああ。」
マイヤーが前を見ながら言う。
「気が付いていますよね?」
「あそこ通りたくないんだがな・・・」
「何だか人だかりというか・・・集団が異様な雰囲気を出しているように思えるのですが。」
「所長だろうな。」
「でしょうね。」
「お母さん、城門が見えるよ。」
「ほんとね~、着いたわね。」
「美味しい物があるんだよね。」
「お店巡りから始めないとね。」
「楽しみだなぁ。」
「いろいろ」
隊員達以外は新しい街を楽しみに待つのだった。
・・・
・・
・
武雄達の前に幌馬車が止まり隊員達が並ぶ。
「所長、お出迎えありがとうございます。」
マイヤーが代表して武雄に声をかける。
「はい、引っ越しお疲れ様でした。
ご家族は問題なく?」
「はい、怪我も病気もなく・・・で・・・これは?」
「皆集まっちゃいました♪
どちらかと言うと私が最後に来たんですけどね。」
「いや・・・はぁ・・・
アリス殿やビエラ殿は良いんですけど・・・コラ殿達の後ろは鷲に狼ですよね。」
「あぁ、ミアの軍団ですね。
この地の主達ですよ。」
「そうですか・・・大丈夫ですよね?」
「ええ、コラの下に付いていますから触った程度では問題ないですよ。
試験小隊用の訓練場に良く居ますから会った際は撫でてあげれば良いのではないですか?」
「わかりました。
これからの予定はどうすれば良いのでしょうか?」
「アーキンさん。」
「はい、マイヤー殿、皆様お疲れ様です。
これから各部屋に案内しますのでそこで各書類をお渡しします。
一応家具は用意していますが、最低限ですので買い足しをお願いします。」
「うむ、わかった。」
「あとエルヴィス伯爵様へのご挨拶は後続のトレーシー殿達が合流されてからになります。
研究所は現在建設中ですので、引き渡しされるまでは試験小隊の訓練場で打ち合わせ等々をする事になると思います。
また、研究所から制服を作る店への書類を預かっていますので書類を持ってお店に向かってください。」
「うむ、了解した。」
「では、マイヤー殿達は受付をお願いします。
その後、案内しますね。
ミルコとアーキンは後続で、私とアニータは先頭の幌馬車で行きます。
1軒ずつ回りますので少し時間はかかるでしょうが、近くに部屋がありますので問題はありません。」
「とりあえず受付だな。
所長、また後日。」
「ええ、数日はのんびりしてくださいね。」
「はい、では。」
アーキン達が城門の兵士達に近寄るのだった。
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