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第1200話 研究所の話。2(新たに欲しい物を追加する。)

「ん~・・・パナちゃんの所はだだっ広いのね。」

コノハが2階の図面を見ながら言う。

「あぁ、コノハ、研究室はまだ区切っていないんですよ。

 トレーシーさんが来てから鈴音も交えて区分けしようかと考えていますよ。」

「この広さが貰えたのだと・・・ぬか喜びでした。

 それはそうとタケオ、スライムの体液研究ですけど。

 火を使いますよ?薪は流石に危ないと思いますが、どうしますか?」

パナが聞いてくる。

「・・・アルコールランプはどうでしょうか。

 赤スライムの体液はアルコールみたいな物だと考えています、前に弱々しく燃えると聞いたのでそういったイメージがあるのですが・・・」

武雄が考えながら言う。

「アルコールランプですか。」

「ええ、あれなら個室でも換気出来るようにすれば問題はなさそうですよね?

 それに瓶に太めの紐と・・・あぁ・・・芯を支える部分と火を消す蓋が必要ですね。

 まぁガスバーナーよりかは作りやすそうではありますね。」

「・・・スズネに作らせようか。」

「コノハ、また鈴音を使うとそろそろ過労で倒れちゃいますよ?」

「んー・・・タケオがする?」

「試作はしますかね。

 実際にはテイラー店長にさせますか。

 最初は私達だけが使うでしょうから少量生産ですし、サテラ製作所まで動員する物ではないでしょうからね。」

「タケオだって結局は人任せじゃない。」

「私不器用ですからね。

 試作レベルの物は出来ても売れるレベルの物は出来ませんよ。

 結局はやれそうな人にやらせる方が良いんですよ。

 それに仁王様もいますし、万が一は助力してくれそうです。」

「まぁ・・・そうね。

 他にタケオは何を作るの?」

「んー・・・白スライムの体液には空気に触れて火を付けると岩のように固くなる性質があると説明されています。

 私のイメージでは液状のモルタルだと思うのですけど。

 これをもう少し具体化させて・・・モルタル板・・・出来ませんかね。」

「あ~・・パナちゃんの為の間仕切りかぁ。

 良いんじゃない?」

「上手く行けば内装材として需要が見込めますよね。

 壁紙事業に新風を入れられるかもしれませんね。」

「んー・・・なるほどね。

 確かに下地がモルタルの白色か石か木かによって壁紙が変わるわよね。

 もっと明るい色の壁紙も出て来るかもね。

 モルタル板は確か耐火性能があるんだっけ?

 まぁタケオが居た所とは程度が違うだろうけど。」

「30分耐火性能は欲しいですよね。

 そうすればパナがミスしても大火事にはならなそうですし。」

「・・・タケオ、私は精霊ですよ?」

「弘法も筆の誤りという言葉の通り、いつの時代も油断大敵の戒めはあるのですよ。

 パナがどんなに注意してもなる時はなってしまいます。

 トレーシーさんも鈴音と一緒のテトも水系の魔法は使えるでしょうから万が一の際は消火が出来るでしょう。

 パナの方は誰か来るまで延焼を食い止められる部屋にしないといけないのです。

 それにこれはパナの部屋だけでなく、あとの2名の部屋もそうです。

 これは施設管理者である私の命令です。」

「わかりました。」

パナが頷く。

「・・・ねぇタケオ、パナちゃんにアルコールランプを作ってあげるのはわかったけど・・・

 パナちゃんファイア出来ないんじゃないの?」

コノハが「そう言えば」という顔をさせている。

「あ・・・んー・・・」

武雄が考える。

「タケオ、そこは大丈夫です。

 雑貨屋に火打石がありました。」

「火打石・・・オイルライターでも作りますか?」

「自然石からのオイルライター用の発火石なんてないわよ?

 確かあれってセリウムと鉄の合金だったはず。

 仮に自然石を使うとしても着火が安定しないんじゃない?」

「んー・・・ヴィクター、着火はどうしていましたか?」

武雄が魔法が使えないヴィクターに聞く。

「いえ・・・コノハが言っている発火石ですが、良質な火打石はありますよ。

 それを使ってメイドをしていた者は火を着けておりました。

 2回も打ち付ければ普通に火を起こしていましたが・・・」

「そうなのかぁ・・・んー・・・ここはそういう物なのね。

 で、ヴィクター、その火打石はこの街で売っている物と違いがあるの?」

「いえ・・・違いはわかりませんが、私もジーナも自分達の食事や湯浴みの為に火起こしはしております、そこまで苦労したというのもありませんので性能は良いと思われます。」

「ふむ・・・なら火打石を加工してオイルライター用の発火石を作りますか。

 一旦粉状にして・・・発火しやすい鉱物をさらに混ぜて見ますか?」

「・・・発火しやすい鉱物かぁ・・・さっき言ったセリウムがあればなぁ。」

「王都の専売局の取り扱っている鉱物は見ていますけど・・・あったかなぁ。

 それは後日確認しておきますね。」

「わかったわ。

 じゃあ、タケオが他の人にさせるのは。

 テイラーには赤スライムの体液を使ったアルコールランプとオイルライターの製作。

 ハワース商会にモルタル材の開発ね。」

「・・・コノハ、私がモルタル材をハワース商会にさせようと考えているの良くわかりましたね。」

「タケオの知り合いで外壁材への知識があるのあそこだけでしょう?

 それに他の工房は皆機械や武具系、服と馬車だからね。

 ならあそこに頼むしかないじゃない。」

「良くお分かりで。

 まぁそんな感じでハワース商会にも仕事が斡旋出来そうですね。」

「あそこ・・・家具から文具までやっているのにここに来て部屋作りかぁ。

 リフォーム事業も出来そうよね。

 家具から壁まで1部屋丸ごとオーダーメイド出来そうね。」

「モニカさん、喜んでくれるでしょうかね?」

「涙を流しながら喜んでくれるわよ。」

「タケオが言えば喜ぶでしょう。」

「事業拡大のチャンスですから、喜ばれるでしょう。」

武雄の言い草にコノハやパナ、ヴィクターが苦笑しながら同意するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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