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第1191話 144日目 今日は終わりですね。(エルヴィス邸での確認。)

夕食も終わり、食後のティータイムを楽しんで「さて寝るかの」とエルヴィス爺さんの言葉と共に皆が客間を出ていき、武雄とアリスも寝室に戻って来ている。


「主~・・・肉ばかりだったんですけど。」

武雄がアリスの髪を乾かしている時に武雄の肩に乗っているミアが抗議していた。

「そう言えば、スイーツなかったですね。」

「主~・・・次回はスイーツ店を希望します!」

「今回はいきなり街の人達も参戦したようですからね。

 偏っても致し方ありませんよ。

 参加してくれる所を増やせれば良いのではないですかね?」

「タケオ様、増やす事は可能ですか?」

「今回で祭りの雰囲気もわかっていますし、出店した店が好感触だったら他の店も『次回は参加をしても良いかも』と思ってくれるかもしれませんが、文官達の努力も必要でしょうね。」

「努力ですか?」

「ええ、今回は私達の挙式も合わせての実施ですからね。

 それなりに人が来ることも予想出来ました。

 ですが、次回は各町もしくは出店してくれる店の知名度や数で人を集めないといけません。

 ミアのようにスイーツ店が欲しいと思っている人が多ければ、出店依頼をしないと客は来ないかもしれない。

 もしその店が出店に渋っているのなら説得しないといけないかもしれない。

 次を実施したいのなら相応の努力は必要でしょう。

 受付をすれば店が参加するなんて安易な考えをしてはいけませんね。

 どういう祭りにするのか、祭りに来る人が楽しめる配置とは何か、出店する店に多少の利益を享受させられるのか・・・そういった事が説明出来ないと次回は出来ないかもしれませんね。」

「・・・難しそうですね。」

「ええ、難しいでしょう。

 でも、成功すれば街が活性化するでしょう。

 街に来る人も増えるでしょうし、通行料等で実入りも増えればその分給料が上がる可能性もあります。

 そして各町での特産品も知名度が上がれば売れる可能性があります。」

「んー・・・そう言えば東町の魚があまり列をなしていないと言っていましたよね。」

「焼き魚の酢漬けでしたね。

 あれは落ち着いて食べたい物かもしれませんね。

 今回のように野外で立ちながらとなると買われる率は低いかもしれません。」

「んー・・・となると・・・あ!タケオ様、つみれを焼いてみるのはどうでしょうか。

 あれなら焼き肉のように食べれますし、味も塩とウスターソースで変えられますよ。」

アリスが名案を閃いたという顔をさせて武雄の方を向くが武雄がアリスの顔を元の方向に戻す。

「ふむ・・・まぁなしですね。」

「えぇぇぇ・・・良い案だと思ったのですけど。」

「案は良いんですけどね。

 魚の臭みはどうするのですか?

 あれはすまし汁だから匂いが気にならないぐらいまで軽減出来ていると思っています。

 この街は山側ですからね。

 魚の独特な臭みを解消しないと大々的に売れませんよ。」

「んん~・・・臭みかぁ・・・香料とか入れますか?」

「ほぉ。誤魔化しに来るのですね。」

「誤魔化してはいませんよ。

 あくまで味を良くして風味を引き立てる為に使うんです。」

「なるほど。

 それも1つの案ですね。」

「タケオ様はありますか?」

「私ならまずはかまぼこにしますかね。

 あとがんもも良いですね。シイタケとニンジンとネギが基本材料ですが、他に入れても良いでしょうし。」

「んー・・・タケオ様も練るのですね。」

「川魚で練り物が出来るかはしてみないとどんな味かはわからないですけどね。

 はい、終わりですよ。」

武雄がアリスの肩を叩く。

「では、ミアを部屋に送り届けてお風呂に入ってきますね。」

「は~い。」

アリスが武雄を見送るのだった。


------------------------

ベルテ一家の家にて。

「あぁ・・・疲れた。」

「そだねー。」

エンマとフローラは食卓に突っ伏していた。

「そんなに大変だったの?」

ベルテ一家が皆でのんびりと夕食後のティータイムをしていた。

「ボーナが来た時はまだ余力あったんだよ。」

「そうそうあの混みがずーっと続いたんだよ。」

「ほぉ、大変だったな。」

ドナートが頷く。

「ニルデとジルダはどうだったの?」

「美味しかったですよ?」

「うん、どれも美味しかったー♪」

「・・・それだけ?」

「他にないよ?」

「美味しかったと言う事しか出来ないです。」

ジルダとニルデは不思議そうな顔をさせる。

「んん?・・・他にはないの?人が多かったとか。」

フローラが聞いてくる。

「・・・いえ、前の国でも人が多かったのですが・・・奴隷が居ないのにも慣れました。」

ニルデが考えながら言う。

「あ、そうだ、この子達都会暮らしだったんだっけ・・・」

「私達はあそこまで人が多い所に住んでなかったしね。」

「まぁ人の多さにはこれから慣れるしかないだろうな。

 アスセナさんはどうでしたか?」

「私はヴィクター様の部下ですからね。

 使い走りですよ。

 ヴィクター様がお腹空いた様子でしたので食べたい物を聞いて買いに行ったくらいです。

 まだ研修前なので特にする事もなく屋根の上でのんびりしていました。」

「屋根の上から?」

「はい、キタミザト様の指示でここで見ていると仰っていました。

 人の流れを見るとか言っていました。」

「そうですか。

 エンマとフローラは次回もしたいか?」

「んん~・・・要請があれば・・・」

「そうだね~・・・出来れば売り子さん増やして欲しい。

 あ!エンマ!給金!」

「あぁ!そうだった。

 いくらかな?」

「ん?今日は給金が出たのか?」

「うん、アリス様が今回の雇い主・・・で、エンマいくら?」

「えーっと・・・」

エンマがアリスから貰った革袋からお金を出す。

「銀貨4枚・・・え?」

「嘘・・・」

「「・・・」」

皆が固まる。

「働いたの実質、鐘1つとちょっとだよ?

 私達銀貨2枚ずつなの?

 お・・・多すぎない?」

「だよね・・・キタミザト様は何も言わなかったけど・・・多すぎだよね・・・」

「・・・まぁ・・・良いのではないですか?

 アリス様からの給金を返す訳にもいかないし。

 そのお金は2人が欲しい物を買いなさい。」

ボーナが言ってくる。

「大切に使おうっと・・・」

「今欲しい物かぁ~・・・」

2人は臨時収入に驚きを隠せないのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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