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第1185話 特産品祭り。4(その頃の貴族達は。)

広場の席の一角に貴族達が固まって楽しんでいた。

「いや~・・・やはりタケオのウスターソースの影響は凄いな。

 まだ販売されたばかりだというのに領民ですら商売に転用している。」

「「ですねー。」」

「伯爵様、領内に多く卸して貰いましょう!

 我らが街でも同様な事が起きます。

 どれだけ早く導入したかによって店の売り上げが変わるかもしれない程の商品です。」

エルヴィス領(この街)が最安値として、輸送費を加味すれば1割増でトントン、2割増で若干の利益でしょうか。

 伯爵様、どこかの局で仕入れを一気にされてはいかがですか?」

「んー・・・そこはこれから交渉しないとな!

 一旦帰っていくらで買えるか検討してからだな!」

「早く入れましょう!」

「文官に催促状を送っても良いのですか?

 これは絶対に流行りますよ。」

「流石にいきなり催促状は・・・

 だが!頑張るから!」

「「早くしましょう!」」

ゴドウィン伯爵とその警護兵達が食べながら話をしている。


「あ・・・美味しい。

 野菜炒めがこんなに美味しいなんて。」

「ねー。

 今まで野菜炒めも肉も塩味ばっかで飽きていたけど、これは凄いね。

 新しい味って良いね。」

「うーん・・・これはうちの領地にも卸して貰った方が良いね。

 民達にこの味を教えてあげたいね。」

「「あとで交渉しに行こうか?」」

「流石に今日は難しいんじゃないかな?」

「は・・・伯爵様方・・・これは美味しいですね!」

「肉が美味しい!野菜も美味しい!

 こんな料理があるなんて!」

「魚にも何か使えるのではないですか?」

「この街では肉というだけです。

 研究の為に5樽くらい買って行きましょう。」

テンプル伯爵達の警護兵がモリモリ食べていた。


「スミス・・・どう思うかの?」

「はい、お爺さま。

 早急にタケオ様の料理のレシピの一部を公開するべきだと思います。」

「そうじゃの・・・

 味については塩、ウスターソース、トマトソースの3種類じゃが・・・フレデリック、種類が少ないの。」

「はい、今回の屋台で販売されている料理の種類もですが、肉の種類が少なすぎかと思われます。

 仕入価格が安く抑えられているといってもこうも同じ肉ばかりでは・・・

 いくら部位があろうともオーク肉ばかりでは飽きますからね。

 これは早めに鶏肉を流通させるべきです。」

「ふむ・・・養鶏場は卵がメインなのじゃがな?」

「はい・・・

 もしくは屋台用に何か肉料理以外を提案してみるのも手だと思われます。」

「あ・・・お爺さま、フレデリック。

 タケオ様が王都で『お好み焼き』という物を作っていました。

 小麦粉を水で溶いて・・・野菜を入れて焼く料理です。

 この間の中濃ソースとマヨネーズをかけて食べるんですよ。

 美味しかったですよ。」

「ふむ・・・わしの口には来ておらぬの・・・

 今度作って貰おうかの。」

「はい、タケオ様に言いましょう。

 あ、そう言えば『焼きパスタ』もありました。」

「・・・どういった物かの?」

「野菜炒めの中にパスタを入れてウスターソースで味付けするのです。

 あれも美味しかったぁ。」

「わし・・・食べとらんの。」

「タケオ様に作って貰いましょう。

 お爺さまも食べれば2つとも普及させられる水準だとわかって頂けます。

 そうですよね?エリカさん?」

「ええ、あれが街中に広まれば話題になるでしょう。

 エルヴィス伯爵様、実は王都側でも普及させたいのですが、まずはエルヴィス領内でとの事で待っている状況なのです。

 催促をするつもりはないのですが・・・早めに実食をして頂けるとありがたいのですが。」

静かに食べていたエリカが苦笑している。

「・・・皆、タケオに気を使っているのじゃな?」

「はい、王城の料理人達からエルヴィス領の食事事情を見て来て欲しいと言われています。

 ですが・・・今日の屋台を見ているとあまり種類が多くないような・・・

 ウスターソースが出始めたばかりなのでこれからなのだと考えるとそうなのですが、もう少し種類が欲しいかと。」

「うむ・・・そうじゃの。

 ちなみにエリカ殿、ミノムシはどうじゃ?」

「斬新ですが、今まで無かったかと言われると類似品はあると考えています。

 ですが、油の費用や用意の手間を考えると別々に作っておく事の方が商売上は良かったのかもしれません。

 また、マヨネーズの存在の大きさでしょうか。

 王家と王城ではタケオさんからレシピは頂いています。

 今の所、各家族内で楽しんでいる状況です。

 こちらもエルヴィス家の動向を見ている感があります。」

「ふむ・・・パッと見ではマヨネーズは作れないからの。」

「はい、こちらの普及方法も考えていただければ王家や王都は倣うと思われます。」

「ふむ・・・マヨネーズを一般に出すが、レシピは極秘で、わしらで独占させるのは良い考えかもしれぬの。」

エルヴィス爺さんが考えながら言う。

「はい、完成品を世に出す事が良いかと思われます。

 また独占的にしておけば模倣品が出た場合に確認や対処がし易いと思われます。」

「ふむ・・・タケオが何と言うかじゃの。」

「そこは説き伏せないといけないかと。

 タケオさんの考えは素晴らしいのですが、無為に教えるといろいろと問題になる可能性も孕んでいます。」

「食の粗悪品は民の生活を貶める事に直結するからの・・・」

「はい、ちゃんとした食品なら良いのですが、利益の為に品質を下げる方もいるのが実情です。

 そういった事が無いように程よく施政者側で販売する必要があると考えます。」

「うむ、わかった。

 タケオとあとで協議をしようかの。

 エリカ殿も参加するかの?」

「はい、レイラ殿下から『最優先で聞いて来て』と言われています。」

「まぁ・・・明日以降じゃの。」

「はい、わかりました。」

エリカとエルヴィス爺さんが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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