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第1178話 夕食後のティータイム。(欲しい物があります。)

夕食を終え、客間で皆でティータイム。

「はぁ・・・美味しかったぁ。

 ちょっとお昼寝も出来たから気分も良いわ。」

「食って寝て・・・自堕落よ。」

「良いじゃない。

 これが旅ってものよ。」

グレンダとエラがゆったりとしている。

「はぁ・・・私としては」

「「なに?」」

「いえ・・・今のままで十分です。」

テンプル伯爵が何か言おうとしたが言えなかった。

「ふぅ・・・夕食も良く食べたな。」

ゴドウィン伯爵がお腹をさすりながら言う。

「・・・フレッド・・・お主は胃がいくつあるんじゃ?」

「良い食べっぷりでした。」

「タケオ、こやつを甘やかしてはならんぞ。

 厨房の備蓄が簡単になくなるからの!」

「そうなのですか?

 ゴドウィンさん、大丈夫ですか?」

「大丈夫だ。

 あのくらいは・・・いやちょっと食べ過ぎたが許容範囲内だな!」

「あれだけ食べていたら太りそうですけれど・・・

 そんなにお腹出ていませんよね。」

「食べたら運動しているからな!」

「ジェシーさんも大変そうですね。」

「ジェ・・・ジェシーは関係ないぞ?

 自主的にしている。

 そう!食べた分は消費しないといけないからな!」

「フレッド・・・良く食べて良く運動するとは子供の証ではないのかの?」

「ははは!子供の感情を忘れてはなりませんからな!

 それに食べる事が出来るのは素晴らしい事だ!

 食事量が落ちたら病気になった証だ。」

ゴドウィン伯爵が脳筋みたいなことを言う。

「・・・ゴドウィン伯爵、ジェシーお姉様に怒られていませんか?」

アリスが心配そうに言ってくる。

「・・・アリス・・・その本気で心配する顔はやめてくれ。

 大丈夫だ。

 これでも領内の施政も問題なく熟しているし、食事についてもジェシーは何も言ってこないぞ。」

「ん~・・・ジェシーお姉様が何も言わないのですか。」

アリスが考えながら言う。

「・・・本当に何も言ってこないからな?」

「ゴドウィンさん、テンプルさん・・・貴族の食事ってそこまで豪勢ではないですよね?」

武雄が2人の伯爵に聞いて来る。

「んー・・・まぁ領民達がどう思っているかは知らないけど、そこまで豪勢にはしていないかな?

 うちは海に面しているし魚が取れるからね。

 魚がメインで出て来るという以外は特に豪勢にしていないかな。」

「俺の所も豪勢というわけではないな。

 むしろ親父殿達の食事が気になります。

 タケオが加入してこれだけ美味しい食事が毎日でしょう?

 親父殿、毎日が豪勢なのですよね?」

「・・・確かに美味しくなったの。

 じゃが・・・費用的にはフレデリック、少し低くなったのじゃったかの?」

「はい、この1か月の食費は前年同月と比べた場合、若干低く抑えられています。

 その証拠に今回のタケオ様、アリス様の挙式の立食会の料理の費用は同規模であった前回のレイラ様の婚礼の立食会の時よりも1割程低くなっています。」

フレデリックが言ってくる。

「ふむ・・・となると費用的には豪勢にはなっておらぬの。

 むしろタケオやビエラ殿達が居るからの、費用が1割か2割は多くなっても良いのに減ったという事は質素になったという事じゃ。」

「味が良くて費用が低くなったのか!?」

「え・・・何それ・・・聞いた事ないわよ。」

「うんうん、エルヴィス家の食事はどうなっているのよ。」

「うむ、タケオ、知恵をありがとうの。」

「いえ、基本は私が食べたいだけですから。

 でもたまたまかもしれませんしね。

 今回の立食会の料理も簡素とお願いしましたから・・・」

「あれが簡素・・・か。」

「でも確かに・・・手の込んだ物は・・・ありませんでしたかね?

 パンに肉が2種類にスープが2種類にサラダにスイーツがいっぱい。」

「そうそう!あの白いふわっふわの何!?」

「甘くて美味しかったぁ♪

 いつの間にあのような物が出来ていたなんて・・・

 レシピは・・・」

グレンダがアリスを見る。

「王都には教えていますけど、まだ秘密ですかね。」

アリスが苦笑している。

「そうだよね・・・あれはなかなか教えられないよね。

 あの美味しさは凄かったなぁ。」

「ですね。

 あっという間になくなったし。」

「これからあれを食べたスイーツ店の人達は真似をする為に寝ずに試行錯誤するんだろうね。」

「そうだね。」

グレンダとエラが「あれはまた食べたいね」と言っている。

「・・・そう言えば・・・

 テンプル伯爵、タラの卵巣の塩漬けにされた物を焼いて日持ちさせた物を前に買ったのですが。」

「ん?タラの卵巣の塩漬けですか・・・

 あ、珍味の一角のやつですかね。

 ええ、たぶんこの辺の干物関係はうちで取れている物ですからたぶんアレですね。」

「あれ・・・取れて3日と言われたのですが、」

「たぶん、すぐに塩漬けにして輸送したんでしょうね。

 卵巣の塩漬けは酒飲みに珍味として食べられていますね。

 タケオさんは食べたのですか?」

「ええ、とても美味しかったのです。

 大量に買いたいのですが、卸して貰えますか?」

「ええ、珍味が売れるという事は魚の干物も増加出来そうですね。

 取り置いて貰うように言っておきましょう。

 タケオさんが買った所で注文してくれれば良いように言っておきます。

 あ、それと他の珍味もどうですか?一緒に送りますから試して貰えますかね?

 口に合った物があれば注文してくれると嬉しいんですけど。」

「え?良いんですか?

 珍味かぁ・・・楽しみだな。」

「タケオさんが美味しいと言えば買う人も多くなりそうですしね。

 うちとしては願ったりです。

 他に欲しい物があれば送りますよ?」

「あ~・・・海藻の干物があれば良いですね。」

「海藻・・・んー・・・変な物を食べたがりますね。」

「食べないのですか?」

「漁村では食べられていますけど・・・

 野菜と違って用途があまりないのですよね。

 良く洗ってサラダにするとかしかありませんかね。

 とりあえず干物にして売られている物を送れば良いのですね?」

「はい、お願いします。」

テンプル伯爵が考えながら言っているが、武雄は満面の笑みを向けるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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