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第1169話 立食会。5(要の協力者。)

「キタミザト様、おめでとうございます。」

ステノ技研のブラッドリーが皆を代表して言ってくる。

すると皆が会釈をする。

「ありがとうございます。

 どうですか?」

「懐中時計の量産は何とか月産20個を達成しました。

 あとは熟練度を上げて行けば製作速度が早くなるかと思っています。」

「今、納期はどのくらいですか?」

「3か月でしょうか・・・

 ですが、続々注文が来ていまして・・・延びるかと。」

「そうですか・・・こればっかりは何とも出来ませんね。」

「はい・・・今の者達が手慣れて来たら追加の作業員を応募しようかと思っています。」

「ふむ・・・一般からですか?」

「それも含めてです。

 キャロル殿と打ち合わせをしながらという事になりそうではありますが・・・良い従業員を手に入れ量産個数の増加を目指さなくてはいけません。」

「ふむ・・・キャロルさんと話をした方が良いでしょうね。

 そもそもあそこの従業員達はステノ技研に就職しても良いと思った人達です。

 懐中時計と研究所からの依頼品の開発が主ですから重要性はわかっているでしょうし、一般採用はサテラ製作所に任せてそこで揉まれた人を送って貰っても良いかもしれませんね。」

「なるほど・・・そこはキャロル殿と話して行きます。」

「ええ、順調そうで良かったです。

 他は何かありますか?」

「はい・・・小銃と弾丸(試験小隊の標準品)なのですが・・・

 物の方は来月半ばまでに大きい方が10個と小さい方が2000個用意は出来ます。」 

「・・・そうですか。

 懐中時計で忙しいのにすみませんね。」

「いえ、当初からの依頼ですので・・・小さい方は毎月でよろしかったのですよね?」

「はい、お願いします。

 他だと・・・槍用の柄の試作でしたか。

 あれはどうなりましたか?」

「今、減圧用の筒の設計をしています。

 サリタとバキトがスズネと話しながら描いていますのでそれの出来栄え次第で試作を始めようかと思っています。」

「ふむ・・・

 あまり急を要する物ではありませんからね。

 安全を第一に作ってください。」

「はい、その辺は抜かりません。

 ですが、槍の柄の下地となる木材の選定が難しそうですね。」

「木材の事ならハワース商会のモニカさんに相談しても良いのではないですか?

 あそこに・・・うん、何か自棄食いしていますが・・・聞いてみると良いと思いますよ。」

「わかりました。」

ブラッドリーが頷くのだった。

「キタミザト様、少しお伺いしたのですが。」

サリタが声をかけて来る。

「はい、どうしましたか?

 あ、今日は来ていただきありがとうございます。

 スイーツもいろいろありますからね。

 食べて行ってください。」

「はい!楽しみにしています!

 で、ですね。

 エルヴィス家の軍務局から伸縮式警棒の見積もり依頼が来たのです。」

「個数は何個ですか?」

「100個です。」

「ん?」

武雄は一瞬悩む、武雄の記憶では「第1小隊から第4小隊分の80個」と思っていた。

「まぁ、予備も含めてという事でしょう。

 問題はありますか?」

「一番の問題は納期ですね。

 100個単位であれば材料の手配等々は割高にはならないはずです。

 それでキタミザト様宛にも作ろうかと思ったのですが、ジーナさんに定期送付するのですよね?

 何個にしますか?」

サリタが変な事を聞いて来る。

「えーっと・・・定期的に送ると・・・誰が言っていましたか?」

「スズネがジーナさんに『消耗品として扱って』と説明したと聞いていましたので、定期的に交換するのだろうと思ったのですが・・・違いますか?」

「そうですね・・・3か月程度は3つずつ送りたいですね。

 あとは試験小隊用に15個ですね。

 なので、うん、25個を頼んだ際の見積もりをください。」

「わかりました。

 スズネに渡しておきます。」

「はい、お願いしますね。

 あ、サリタさん、良い男は居ましたか?」

「な・・・なぜそれを!?」

サリタが狼狽える。

「いえ、ボイドさんが前に雑談していた時に『サリタが男を探しているのですじゃ、キタミザト様、誰か居ませんか?』と言っていたので・・・」

「爺ちゃん・・・キタミザト様になんてことを・・・」

サリタがガックリとする。

「えー・・・私としてはサリタさん達には来ていただいたのもありますし、出来る限りの協力はしたいのですが・・・

 男から見る男の長所と女性から見る男の長所って違いますから、こちらから無理に動けないと言うかですね。

 私が動くとごり押しになってしまいそうで・・・サリタさんに要望があるなら。」

「は~い、タケオ様。

 その続きは私達がサリタさんと話しましょう。」

アリスが横から入って来る。

「アリス様!?・・・とエリカさん?」

「あはは・・・私も混ぜてください。」

エリカがアリスに連れられてやって来ていた。

「アリス・・・任せても良いですか?」

「ええ♪むしろタケオ様は他の方とお話をどうぞ。

 ささ。」

アリスが武雄を押しやる。

武雄は苦笑しながら「あとはお願いします」と次の人と話に行くのだった。

「・・・アリス様、キタミザト様が『お嬢様』と付けていませんでした。」

「いいなぁ。」

「えへへ♪

 さ、『嫁ぎ先がない』と言われて2年で成果が出た私が相談に乗りますよ。」

「「お願いします。」」

3人の秘密の相談が開始されるのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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