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第1156話 142日目 これからが本番。(誰が犯人だ?)

夕食も終わり、食後のティータイムを楽しんで「さて寝るかの」とエルヴィス爺さんの言葉と共に皆が客間を出ていき、武雄とアリスも寝室に戻って来ている。


アリスは湯浴みを終えて今はベッドの横の椅子に座り武雄に髪を軽く乾かして貰っていた。

「明日ですかぁ・・・」

「アリスお嬢様、気落ちしていますか?」

「そういうわけではないのですが・・・

 タケオ様、私の事を『お嬢様』呼びするのはいつまでですか?」

「そこは考えていませんでしたね。

 区切りとしては明日が一番良いでしょうね。」

「ですよね・・・今日で『お嬢様』も終わりなのですね~・・・」

「感慨深いですか?」

「不思議な感じです。

 いつもと変わらない日常のはずなのに・・・呼び方が変わるとどう変わるのか。

 もしくは変わらないのか・・・不安と期待が半分ずつですね。」

「そうですか・・・

 私は明日の挨拶が失敗しないかというのが不安ですね。」

「・・・そうでした。

 私も覚えなくてはいけませんね。」

「そうですね、お風呂を上がったら覚えますかね。

 ・・・さて、髪も乾きましたね。

 私はお風呂に行ってきます。」

「はい、いってらっしゃい。」

アリスが見送るのだった。

・・

「ん?これは?」

アリスがベッドの上に置かれた物を広げる。

「ジーナちゃんの体操服??

 ・・・でもサイズが・・・まさか!」

バッとアリスは扉を見るが武雄は当然いない。

「これを今日は着ろと?

 ・・・いやいやいやいや・・・・えぇー???」

アリスが赤面しながら思いを馳せるのだった。


------------------------

エリカの部屋。

「えーっと・・・明日のドレスの用意も出来たし、祝辞の用意は出来てるよね。

 あとは・・・えーっと・・・

 お祝いの品を渡し忘れちゃったか。

 まぁこれは明日でも良いんだろうね。」

「エリカ様、2伯爵が言われた時に出せば良かったのでは?」

「そうなんだけどね・・・

 いやポクポク肉と聞いた瞬間に飛びました。

 ええ!ええ!全て見事に!」

「いやいや・・・まぁポクポク肉が美味しかったのは事実ですよ。

 私もかなり驚きましたし。

 ですが、お祝いの品を渡し忘れてはいけませんよ。

 殿下達から預かったのでしょう?」

「うん。

 ちゃんと大袋に入れた・・・ほっ・・・入っているね。」

エリカが大急ぎで中を確認する。

「いや・・・エリカ様、もしここでなかったらどうしたのですか?」

「適当な物を見繕うかと・・・」

「それはダメでしょう。」

「平気!忘れてないから!

 最悪は後でも良いし!」

「変に意固地になっていますね。

 ちなみに何を持って来たのですか?」

「えーっと・・・魚醤だったかな?

 壺が何個かと紅魚の干物とか珍しい物たくさん。

 ・・・結局3貴族共食べ物でしたね。」

「・・・それだけあの2人には食べ物以外には喜ばないと思われているのでしょうね。」

「・・・殿下方と話した際に他に喜びそうなのはお金と結論付けましたが・・・流石にそれは祝いの席にはマズいだろうとなったのよ。」

「そうですかね?

 結婚したては何事もお金は必要ですよ。

 エリカ様も準備したじゃないですか。

 屋敷だったり家具だったり、新調する物が多くて大変でしたでしょう?」

「うん・・・まぁそうね・・・」

エリカが微妙な顔をさせる。

「挙式後の生活は意外と苦しい物です。

 なので少しでも金貨があるとありがたいと思うのは当然ではないですか?

 裕福な貴族以外では喜ばれると思います。」

「言っている事は真っ当なんだけど、軽く私が精神的に負傷したわ。」

「そうですか?」

カサンドラがわからないという顔をする。

「・・・わかっていますよね?」

「当然。」

カサンドラが真面目顔で答える。

「くっ・・・」

「早くエリカ様も身を固めないと・・・本当に余生は1人で暮らす羽目になりますよ。」

「言わないで・・・最近本当にそうなりそうで怖いのよ・・・」

「これは失敬。」

「はぁ・・・本当・・・どうしよう・・・」

エリカが落ち込むのだった。


------------------------

アリスと武雄達の湯浴み場。

「えーっと・・・

 明日は入場して・・・アリスお嬢様と宣誓して・・・その前に署名でしたか・・・最後がパレード。

 はぁ・・・」

武雄が湯船に浸かりながら明日の工程をおさらいしている。

「宣言かぁ。

 まぁ・・・とりあえず覚えない事には何もならないか。

 カンペの用意もしておくべきかな。

 さて・・・上がるか。」

武雄が湯船から上がる。

・・

武雄が湯浴み場から部屋に戻る廊下にコノハとパナが居た。

「タケオ、おやすみ。」

「タケオ、おやすみなさい。」

「ええ、おやすみなさい。

 2人して何をしているのですか?」

武雄が何気に聞いて来る。

「ん?特には・・・ないかなぁ?」

「就寝の挨拶です。」

コノハとパナが答える。

「そうですか。

 2人とも明日は忙しいでしょうからね。

 ゆっくりと寝てくださいね。」

「タケオ達もね。」

「ちゃんと寝てくださいね。」

コノハがニヤリとパナは普通に答える。

「?・・・ええ、宣言を覚えてから寝ます。

 ではね。」

武雄が2人から離れる。

・・

「良いお風呂で」

武雄が寝室の扉を開けて入るとその場の光景に驚く。

そして「コノハぁ!!」と心の中で叫ぶのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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