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第1126話 出張魔法鑑定。1(ベルテ一家の鑑定。)

「え?・・・えーっと・・・」

エンマが玄関先で固まっているテイラーと鈴音を見る。

「あ!・・・失礼しました!

 あの私、スズネ・タキノと言います。

 武雄さ・・・キタミザト様の研究所の部下です。

 で、こっちが。」

「ステノ技研というキタミザト様の息のかかった工房の1階で魔法具商店をしているテイラーです。

 キタミザト様からベルテさん一家に魔法を教えるようにと言われて参りました。」

「あ。はい。

 えーっと・・・ちょっとお待ちください。」

エンマがドナート達を呼びに行くのだった。

・・

客間というリビングにて。

ベルテ一家とニルデとジルダがテイラーと鈴音の話を聞いていた。

アスセナは特に今回は言われていないが参加していた。

「ケアとファイアとアクアをですか?」

「はい。

 キタミザト様からは生活に必要な物を教えるようにと言われています。」

「魔法を生活の一部に・・・」

ドナートが考える。

「魔法は攻撃力が全て、戦いに使う物と教わっていたのですが、キタミザト様は違うようです。」

「はい。私達も同じ感想です。」

「ですが、貴方方は農業をすると言われていますから、水汲み等々で時間をかけるのも重労働だというのはわかります。」

「はい。

 で。どう言った事をされるのですか?」

「魔法の適性と魔力量の確認と系統の確認ですね。

 ですが、皆さんに適性があるとは聞いています。

 なので、具体的な魔力量や系統の確認ですね。」

「はぁ・・・王都でも調べたのですが・・・」

「ええ。キタミザト様からもう一回調べておいてと言われています。

 何と言うか・・・王都の結果のみではなく、実際に私に調べさせて2重でみたいのかもしれません。

 実際に私はもう一度最初から調べる気では居ましたけども。」

「そうなのですか?」

「はい。王都の判断に異を唱えるわけではありませんが、やはり私が診断するなら最初から全部したいじゃないですか。

 特段意味はありませんが、私の我が儘ですよ。」

「はぁ・・・わかりました。」

ドナートが頷く。

鈴音は「まぁ王都の魔法具商店主さんよりテイラーさんの方が上だもんね。大学の元教授が地方で店主しているような物だし」と思っていたりする。

「では。一人ずつしましょうか。」

測定の為の用意を始めるのだった。


机の上には、PC用のマウスみたいな突起物と丸フラスコが床には桶が用意された。

テイラーの目の前には椅子が一つ置かれる。

「お座りください。」

「はい。」

そう言ってドナートが席に着く。

・・

「えーっと・・・ドナートさんは土系統のようです。

 魔力量は2000程度ですね。」

「土系ですか。

 土の移動とかは出来るでしょうか。」

「移動ですか・・・出来るとは思いますが・・・

 直系で言えば、ストーンやアースウォールのように土を作り出すという事でしょう。

 土も含めて物を移動させる系になると少し多めの魔力を使いますが、たぶん出来ると思います。」

「はい。わかりました。」

ドナートが頭を下げる。

「はい。次に行きましょう。」

「よろしくお願いします。」

ボーナが席に着くのだった。

・・

「ボーナさんは・・・感覚の強化でしょうか・・・全体なのか特定の部位に出るかはわかりませんが・・

 魔力量は4000程度ですね。」

「感覚の強化ですか?」

「ええ。

 今まで感情が昂揚した時に何か変わった事はありませんか?

 視覚や聴覚、肌等々・・・感覚が良くなるようなことが。」

「ん~・・・特には。」

「なら、今後は少し様子を見ながらにしましょう。」

「はい。わかりました。」

ボーナが頷く。

「はい。次に行きましょう。」

「よろしくお願いします。」

エンマが席に着くのだった。

・・

「エンマさんは、雷でしょうか。

 魔力量は8000程度ですね。」

「・・・8000!?

 そんなにですか!?」

「ええ。測定上はそうなりますね。

 魔力量を多くする方法は魔力を限界まで使って器を徐々に大きくし容量を増やしていく育成型が広く知れ渡っていますし、魔法師専門学院でも使われている方法です。

 私の経験上、もう一つありまして、苦難を強いられていて心の底から力を渇望するような事があると高くなる事もあるのです。

 まぁ皆さんは奴隷という経験をなさってしまっていますから高くなっても致し方ないですね。」

「はぁ・・・まぁ・・・それなりには絶望を経験していますが・・・」

「絶望を経験したからといって必ず増えるというわけではないんですけどね。

 まぁ大きいのは生まれつきなのか奴隷での経験なのかはわかりません。

 少なからずエンマさんの今の魔力量は8000程度であるというのは紛れもない事実ですね。」

「わかりました。

 それと雷か・・・使い勝手なさそうですね。」

「まぁ基本はお教えしますので。」

「よろしくお願いします。」

エンマが頭を下げるのだった。

「はい。次に。」

「よろしくお願いします。」

フローラが席に着くのだった。

・・

「フローラさんは、操作系の反応がありますが・・・過去の資料を見ると特定の箇所に物を引き付けるでしょうか。

 魔力量は3000程度ですね。」

「引き付ける・・・ですか?」

「石を物に投げる際に狙った所にほぼ当たるといった事ですね。

 弓が得意な者が持っていたようです。」

「あの・・・前に魔物と戦ったのですけど、その時結構弓が当たったのですけど・・・」

「たぶん無意識下で出来ていたのでしょうね。

 意識すればもっと良くなると思います。」

「はぁ・・・なるほど。」

フローラは「あの時は必死だったしなぁ」と思うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] エルフに人間が魔法を教える、この勇気・・・・・ ・・・て世界じゃない・・・と思っていいのかな? そもそも、アズパール王国の人にとっては『存在自体』が特異だったり畏怖を感じるものだけど、…
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