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第1109話 次は。(アリス。スミス・・・頑張れ。)

「このぉ!!」

「・・・っ!」

アリスは横四方固めを食らっていた。

アリスはジタバタしているが武雄は全力で防いでいる。

それは歯を食いしばって一言も発せずに力の限りを尽くして解けないようにしている。


流れとしては・・・アリスが切り込んで武雄がシールドで防御をし、そのままジーナと同じようにアリスは投げられたのだが、アリスは投げられながらもすぐに体勢を整えようとしゃがみながら右手のみでバスタードソードを持った時に武雄がタックルをして横四方固めのような形でかなり強引に寝技に持ち込まれていた。

そしてマリが武雄に指示を出して横四方固めが完成していた。

アリスは「タケオ様!?マリ!助言禁止!それは反則です!コノハ!抗議して!」と訴えたが誰も相手にされずに今に至っていた。


「マリ。これって解けるのかな?」

コノハがマリの隣にチビ状態で現れて自らの主の頑張りを見守っている。

「アリスでは抜けられないな。

 それにしても・・・なるほど。こうすれば魔眼持ち相手でも人間が対処出来るんだな。

 剣術でどうやって魔眼持ち相手に寝技まで持って行けるか出来る方法を考えないと・・・」

マリが頷いている。

その2歩外には。

「あ・・・私もあんな風に醜態をさらしていたのですか。」

「ジーナ。今後はされなければ良いのよ。

 寝技は厳禁よ。逃げられないと思わないと!」

「そうですね。

 寝技になる前に倒さないといけませんね。

 そして寝技になりそうなら距離を置いて必ず剣での勝負に持ち込みましょう。」

体操服が土塗れのジーナがパラスに慰められている。

「あ~・・・お姉様。また・・・大丈夫ですか?

 ・・・確か2回目ですよね?」

マリの隣のスミスが苦笑している。

「スミス!何ですかその呆れた顔は!

 簡単そうだと思うならタケオ様のこの寝技を受けて見なさい!」

「お姉様ですら対処出来ないのなら僕では無理ですよ。」

「くっ!一回やってみなさい!

 ぬぅぅ・・・にゅぅぅ・・・このぉ!」

アリスが必死にジタバタし始める。

「タケオ。今度は右腕に力を入れて左足を突っ張る・・・そうそう。そうです。

 あ。主は次ですから。」

マリが武雄に指示を出しながらスミスの後ろから声をかける。

「え!?」

その声にスミスが振り向く。

「主も組み伏せられた状態を経験した方が良いでしょう。」

「いや・・・僕も必要あるの?」

「ええ。

 寝技を掛けられるとどうなるのか。この経験は必要でしょう。

 タケオ。アリス。引き分けですよ。」

マリが武雄に声をかける。

「嘘でしょう・・・」

「さ、主。用意をしましょうか。」

・・

「あぁ!!こぉ!!!」

「・・・」

武雄に袈裟固めを食らっているスミスが必死に脱出しようともがいていた。

「あぁ・・・見慣れたというよりも私もあぁだったのか。」

「アリス様。結構・・・寝技は有効な手立てなんですね。

 それにしても・・・スミス様・・・」

ジーナが慈悲の目を向ける。

「スミスは単純ね。

 タケオ。剣も抜かないで組み伏せていたわよ?」

コノハが楽しそうに言う。

「コノハ!僕は凡人です!

 そこの規格外とは違いますよ!

 このぉ!!!何でだぁ!!」

「ジーナちゃん。私達規格外らしいわ。」

「・・・アリス様。規格外の中にご主人様は入っているのでしょうか?」

「入ると私は思うけど・・・ジーナちゃんはどう思う?」

「動く速さから想定される剣の威力は兵士と同じだと思われるのですが、気転が利きますから総合力において入るかと。

 スミス様は規格外相手に真っ当な勝負が出来ると思ったのでしょうか?」

「思ったのかなぁ?

 マリにそれだけしか教わってなかったのかもね。

 スミス。まだまだよ。」

「そんな事はわかっています!

 はぁはぁ・・・なんで解けないですか!?」

スミスが頑張っている。

「タケオ。気を緩めない。

 右腕の引き付けが甘くなっています。」

マリが武雄に注意をしている。

「こら!マリ!誰の味方ですか。」

「もちろん主の精霊ですからね。主ですよ。

 ですけど、足らない主の為にとりあえず生きて行けるように剣術の特訓をしたのに・・・稽古では真剣さが足らなかったんですよね。

 寝技では主は勝てないんですからどれだけ剣術が大事だという事を認識するまでタケオには協力して貰います。

 タケオ。よろしく。」

「まぁ。マリ達には苦労をかけているので良いですけど。

 で。ヴィクター。この玄関の扉の意匠ですね?」

「はい。こちらとこちらでして。」

「ふむ・・・私は左ですが・・・一般的にはどうなんですかね。」

「どちらも良し悪しがあると言った所でしょう・・・

 貴族所管の建物となると右が多いかと。」

「ふむ・・・悩みますね。」

武雄はヴィクターと研究所の意匠を話していた。

もちろんスミスに寝技をかけながら。

「タケオ様!真剣じゃないんですか!?」

スミスが怒っている。

「真剣ですよ。

 マリ。手は抜いていませんからね。

 問題ないでしょう?」

武雄が目線をマリに向ける。

「ええ。今の状態なら問題ないでしょう。

 おっと。タケオ。今度は左腕をしっかりと締めてください。

 主が何かをするみたいです。」

マリが頷きながら武雄に指示を出す。

「こら!やる前に潰さないで!

 ちくしょう!!このぉ!」

スミスが力いっぱい武雄を押しのけようとするのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 楽しく2周目を読ませて頂いています。 勝負として引き分けになっていますが 抑え込んだらシールドを30も使えるタケオが勝ちな気がします。 例えば、首の場合は首の左右に1枚ずつに喉仏で1枚…
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