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第1084話 次の目的地は。(お酒の話。)

武雄とアリスとエリカとカサンドラとジーナは街中に戻って来ていた。

「そういえば私とドナートさんとボーナさんが話していた際にアリスお嬢様は何をしていたのですか?」

「お茶会です。」

アリスが答える。

「色々話をしましたよ。」

「そうですか。」

武雄は「私に関係あるならその時に言われるかな?」と深追いはしない。


「ほほほ。キタミザト様。王都から戻られたのですね。」

ローが店先で武雄達を見つけて声をかけてくる。

「おじさん。戻ってきました。

 その後、どうですか?」

「ほほほ。順調その物ですよ。

 ウォルトウイスキーの蒸留器の増設は今年の収穫時期までには試運転も終わらせ、本格稼働が出来るようにする見込みだそうです。」

「では。私からおじさんと社長さんに内示です。」

「はい。」

「新種の酒を今年の秋から冬に試作する予定です。

 本格製造はウォルトさんの所でしますが、試作はこの街で行います。」

「それはどうしてもこの街で作らないといけないのでしょうか。

 ウォルトさんの所で一から作った方が生産性はありそうですが・・・」

「理由としては、コノハ。」

「はいは~い。

 どうも~。アリスの精霊です。」

コノハがアリスの肩にチビッ子状態で実体化する。

「あの・・・精霊ですか?

 ミア殿は妖精で今度は精霊・・・それもアリス様が・・・」

「ちなみに私もですよ。」

「え!?」

「パナ。」

「はい。」

パナも武雄の肩に実体化する。

「キタミザト様も・・・」

ローが考える。

「・・・あと、スミス坊っちゃんや私の部下のジーナもですが。」

「増えすぎです・・・」

ローが額に手を当てて唸る。

「ははは。賑やかですよ。

 で。このコノハが指導と監督をします。」

「精霊が・・・ですか?」

「ええ。どうやって醸造していくのかの指導ですね。

 ですが、アリスお嬢様の精霊ですからそう頻繁に北町まで行けないというのが本音なのです。

 なのでこの街で試作をします。

 そして私が試作をしても良いのですけど・・・結局の所、私がするのは趣味程度で本格的には契約上ウォルトさんの所で製造しなくていけません。

 なので、今後の製造をするには誰かにコノハと話合いをしながら製造をして貰わないといけないでしょう。」

「なるほど・・・ウォルトさんの所から出向をする必要があるということですね?」

「ええ。

 たぶん・・・いや。確定にしておきますか・・・女性が多い場所に住んで貰わないといけないんですよね。

 ほら。米の作付けをする農家の住まいの近くに住んで貰う方がやりやすいでしょう?」

「・・・女性に来て欲しいと?」

「そうとは言いませんが、女性が周りに多い環境である事を事前に言っておかないといけないでしょうね。

 割合としては2対7で女性ですね。

 キタミザト家(うち)直轄の農家ですから・・・手を出すような無粋な真似はして欲しくないのですけどね。」

「・・・人選はさせます。

 初期の酒の研究という感じで伝えれば良いのですね?」

「ええ。全工程を来て貰った方にして貰います。

 ですが、一般販売用ではないので実入りは基本的にないですね。

 そこの費用をどう見て頂けるか・・・」

「・・・出向費用ですか・・・

 その農家の方とご一緒に住むというのは出来ませんか?

 滞在費用は安く済ませたいでしょうし・・・」

「向こうに部屋の余りがあるのか。

 そしてウォルトさんの所から何人来るのかわからなければ交渉は出来ません。

 かと言ってうちから費用は今の所出せないですかね・・・予算がないんですよね。」

「んー・・・近日中にウォルトさんの所に行って相談してきます。」

「ええ。お願いします。

 それと・・・それとは別の新種の酒の情報は欲しいですか?」

「!?」

ローが固まる。

「キ・・・キタミザト様・・・新種というのは米という穀物から作る以外にも考えているのですか?」

そして恐る恐ると確認をしだす。

「ええ。言いませんでしたっけ?」

武雄が「あれ?」という顔をさせる。

「聞いていません・・・ウォルトウィスキーと米という穀物からの酒だけです・・・」

ローがガックリとする。

「予定では第1弾が麦を発酵させた物を蒸留してアルコールの純度を高めたウィスキー。

 第2弾が麦を発酵させた物を濾過したビール。

 第3弾が米を発酵させて醸造した清酒やどぶろくだったのですけど・・・この順番で市場には出せそうですね。」

「キタミザト様の中では予定通りなのですね?」

「ええ。とっても順調です。

 契約書に『新しい酒を(・・・・・)思いついたら(・・・・・・)』なんて項目があったのでしたい事をさせてくれる良い契約だと思っていましたが・・・」

「・・・新しい酒の発想なんて早くても数年後だと思って、その時に違う所に頼まれないようにとしていた項目でしたのに・・・」

「ふふ。残念でした。

 ま。私もこの3つしか今は考えていませんから次はまだ先ですよ。

 それにビールは既存の設備を使えます。

 ウォルトウィスキーを試作していた際に使っていた小さい設備があると踏んでいるのですが・・・

 それも確認して貰えますか?

 米の方の酒の一般化はまだまだ先です。

 その間にもう1種類くらい酒を作り出した方が良いでしょうしね。」

「・・・はい。わかりました。」

ローがコクコクと頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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