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第1078話 140日目 朝です。(朝と言えばこれ。)

「あ゛ぁっ」

武雄は脇腹の強烈な刺激で目覚める。

今日の朝は武雄の脇腹にアリスが膝蹴りをかましていた。

当のアリスはそのまま武雄の腕にピタッとくっ付きスヤスヤ寝ている。

武雄は「これ真面目に対応策を考えないといけない時期に入って来たのかな?」とケアをかけながら思うのだった。

・・・

・・

アリスが身じろぎを始め。

「・・・おはよう・・ございます。」

と挨拶をしてくる。

「はい。アリスお嬢様。おはようございます。」

武雄は体の向きをアリスの方に向けて挨拶をしてくる。

「・・・ん・・・まだダルイのでもう少し寝ます。」

とアリスが再び夢の中に行ってしまう。

武雄は「じゃあ。しょうがないですね。」とアリスのお尻を撫でながらボーっとするのだった。


------------------------

朝食後のエルヴィス家の玄関にて。

武雄とアリスとエリカとカサンドラとベルテ一家とニルデ達とジーナが揃っていた。

ヴィクターは財務状況の確認中でいません。


「じゃあ。新居に行きますか。」

「「はい。」」

武雄の言葉に皆が返事をする。

「キタミザト様。私共は先に向かっておきます。」

幌馬車の御者台に乗る総監部の者2名がそう言い先に行く。

「キタミザト様。私が先導いたします。」

と残っている総監部の文官が先導を始める。

武雄を先頭に皆がぞろぞろと移動を開始するのだった。

・・

「キタミザト様。

 あの~・・・本当にアリス様が妃になられるのですよね?」

ボーナがコソッと武雄に聞いてくる。

「ええ。昨日自己紹介をしたでしょう?」

「え・・・ええ。アリス様がキタミザト様の婚約者だと・・・

 あの・・・『鮮紅』ですよね?」

「そうですよ。

 それが何か?」

「いや。何かと言うか・・・

 キタミザト様。鮮紅ってこの国の英雄らしいですよ?」

「英雄・・・あれが?」

武雄が指さす方にアリスとエリカが話をしていた。


「いや。アリス殿ズルいですって。」

「そうでしたか?

 朝食のデザートは皆一緒だったと思いますけど?」

「いやいや。あの生クリームの量はアリス殿だけ多かったです。

 明らかに!」

「そう言うなら昨日のデザートの餡子の量がエリカさん多かったですよね?

 ある程度は自分で足して良かったのは確かですが・・・随分と追加で乗せてましたよね?」

「あはは。

 いえいえ。私は味覚が他の人と違う可能性がありますからね。

 多くを食べないとわからないのですよ。

 それにアリス殿は挙式じゃないですか。

 食べ過ぎに注意ですよ。

 腰回りとか。」

「うっ・・・

 いえいえ。私は毎日運動していますからね。

 適度な甘味は体の為です。」

「・・・甘味ってなんでお腹に行くんでしょうね。

 胸に行けば良いのに。」

「ええ。エリカさん。

 そこは物凄く同意します。

 食べるとすぐにお腹周りに反映されてしまうのは・・・どうしようもないです。

 毎日運動するしかないと思います!」

「食事量を減らさないというのはアリス殿らしいですね。

 それにしても運動はアリス殿は出来たとしても王城内だと全然運動なんて出来ないんですよね。

 城内を歩くぐらいしか出来ないですけど限度がありますし、王都守備隊の所で素振りなんてのも出来ないですし・・・騎士団に混じってとか出来ない雰囲気なんですよね。」

「ん~・・・確かに。

 王城ではなかなか女子が運動出来ませんね。

 あ。タケオ様に言って何か室内でも出来る物を作ってみてはいかがですか?」

「タケオさんに?

 室内での運動の方法ですか・・・後で聞いてみましょうかね?」

「ですよ。

 私もジーナちゃんが王都に行ってしまうと外で運動なんて出来なそうですし

 それに」


武雄が聞いていないと思って2人はのんびりと話している。

「・・・食と健康にうるさいのが英雄なんですね。」

「いえ・・・普通の女性ですね。」

「ええ。普通ですよ。

 美味しい物は美味しいと言い、楽しい事は楽しいと言う普通の貴族令嬢ですよ。

 鮮紅だから高位的とか英雄だから何か言ってくるとかありませんよ。

 まぁちょっとキレると騎士団相手に互角に渡り合ってしまいますが・・・大した問題ではありません。」

「めちゃくちゃ問題なんですけど。」

「平気ですよ。

 アリスお嬢様は温厚ですから滅多な事では怒りませんよ。

 怒るとしたら食に関してか家族に何かあった時ぐらいですよ。」

「そうなのですか?

 まぁ私達ではあまりお会いする事はないとは思うのですが・・・」


「え?さらなるパンの開発ですか?」

「ええ。ピザという物を開発したんですけど。

 上に乗せるトッピングという行為が多種多様だそうで今組み合わせの確認中なんですよ。」

「ほぉほぉ。どんな感じなのですか?」

「領内の政策の為に鶏肉を中心に考えているんですけどね。

 甘くした鶏肉、辛くした鶏肉、香料に漬けた鶏肉等々考えているのですが・・・」

「やはり良し悪しがあるのですか?」

「全部が美味しいのです!」

「ん?全部?」

「ええ。全部です!

 ほとんどの食材に合います!

 野菜中心のピザもあっさりしていて良いですし、キノコ尽くしもなかなかでした。

 タケオ様が考案した魚介類を乗せた『しーふーど』というのは実践出来ていませんが・・・これも合うのだろうと思っています。

 まぁプリンを乗せたピザは流石に甘すぎてダメでしたが・・・それ以外はほぼ全ての食材に合いますよ!」

「ふむふむ・・・多様な食材を入れられるパンですね。

 これは一考の価値がありますね。」

「あ。料理長に頼んで今日作って貰いましょう。」

「え?良いのですか?」

「任せてください!エリカさんも唸ると思いますよ!」

「楽しみですね!」

「ええ!」


「・・・あの2人は何をしているんでしょうか。」

「確か・・・私達の引っ越しの手伝いと言うか見学でしたでしょうか?」

武雄がアリスとエリカを見ながら呟く。

ボーナは苦笑している。

「キタミザト様。もう少しで着きます。

 それと再度、会われる方の詳細の確認をさせて頂きます。」

先導の総監部の文官が声をかけて来るのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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