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第1070話 エルヴィス邸に帰還。(大人しすぎる人。)

城門着くと夕方に差し掛かっていた。

「「おかえりなさいませ。キタミザト様!」」

城門の兵士達が駆け寄って来る。

「皆さん。お疲れ様です。」

武雄が挨拶をする。

「連絡はありました。

 後ろの方々が?」

「ええ。新しい領民で私の部下です。」

「えーっと・・・エルフのご一家と獣人の方々ですね。

 はい。連絡の通りです。

 あとレイラお嬢様の名代のエリカ様とカサンドラ様ですね。」

「ええ。よろしく。」

エリカが返事をする。

「はい!ごゆるりと過ごされてください。

 キタミザト様。このまま伯爵邸に向かってください。」

「わかりました。」

武雄達が城門を過ぎていく。

・・

武雄はエルヴィス伯爵邸に向かう道すがら考えていた。

(アリスお嬢様が居ると思ったんだけど・・・これがマリッジブルーというやつですか?

 これは何かしないと不味いかもしれないですかね・・・)

ご機嫌取りの方法を考えるのだった。


------------------------

こっちはエルヴィス伯爵邸の客間。

アリスやエルヴィス爺さんやスミスがお茶をしていた。

ジーナと夕霧は居る。

「アリス。城門に行かなくて良いのかの?」

「お爺さま。私はタケオ様の妻になるのです。

 そういつまでも走り回っていてはタケオ様に飽きられます。」

アリスはそう言いながらお茶に口をつける。

「うぅっ・・・あのアリスがこんな事を言うなんて・・・」

エルヴィス爺さんは目頭を押さえて泣いている。

「何を泣いているのですか・・・はぁ。お茶がおいしいですね。」

アリスはお茶を飲む。

スミスは「いや。お姉様。いつもの倍飲んでますよね?」とアリスが落ち付いていない事を見破るのだった。

「ん。伯爵。

 シウンからタケオ達が城門を通過したと連絡がありました。」

「ふむ・・・予定通りじゃの。」

エルヴィス爺さんが夕霧の報告に頷く。

「では。私達は玄関に移動しましょう。」

「はい。」

フレデリックとヴィクターが退出していく。

と。アリスが立ち上がる。

「お姉様?」

「ちょっと用を足しに。」

アリスが退出して行く。

「・・・落ち着かんのじゃの。」

「ソワソワしていますね。

 まぁ・・・久しぶりだからでしょうか。」

「はぁ・・・人間そうそう変わらんものじゃが、アリスは良く耐えている方じゃの。」

エルヴィス爺さんとスミスが苦笑するのだった。


------------------------

エルヴィス伯爵邸の玄関。

「ミア。私達が挨拶している間は鷲達は幌馬車でのんびりさせてください。

 あぁー!着きました。」

「はい。わかりました。」

ミアが幌馬車に向かって行き、武雄は馬を降りて伸びをしている。

「主。無事のお帰り何よりでございます。」

「タケオ様。お疲れ様でした。」

「「キタミザト様。お帰りなさいませ。」」

ヴィクターやフレデリック達執事とメイドが礼をして近寄ってくる。

「皆さん。只今戻りました。」

武雄は朗らかに言う。

「では。所長。私達はこれで警護任務を終えます。」

「はい。ご苦労様でした。

 明日はダラダラしていて良いですからね。」

「はい。わかりました。

 では。」

アーキン達4名が礼をして馬を引きながら敷地を出ていく。

「皆さま。ようこそいらっしゃいました。

 タケオ様。荷物はどれでしょうか。」

「奥の箱と酒樽以外はベルテ一家の物でしょうね。

 一家の家は用意出来ていますでしょうか?」

「はい。準備は終わっております。

 後はタケオ様にサインを頂ければ終わりです。

 一応、寝具や家具は最低限の物を用意いたしましたが、買い出しが必要です。」

「そうですか。

 ならしばらくは買出しや散策をして貰わないといけませんか。

 当分は街に慣れることをして貰わないといけないでしょうね。」

「はい。それでよろしいかと。

 タケオ様。主がお待ちです。客間にお願いします。」

「わかりました。」

と武雄がベルテ一家を見る。

「さて。これからこの地を治める伯爵とご一家に会いますからね。」

「いきなりですね。」

「ええ。そうですね。

 でも、世の中そんなものです。」

武雄がドナートの言葉に苦笑を返す。

「タケオさん。私達も良いの?」

エリカが変な事を聞いてくる。

「私は問題ないと思いますが、・・・フレデリックさん。ダメなのですか?」

「いえ。屋敷に滞在して頂きますので問題はありません。

 ですが、お着替えをされるかと思いますので一旦お部屋にご案内いたします。」

「ありがとうございます。」

エリカが礼をする。

「では。タケオ様。」

「はい。行きましょう。」

タケオを先頭に屋敷に入るのだった。

・・

「タケオ様。お帰りなさいませ。」

玄関に入るとアリスが待っており、軽くスカートの両端を持ち、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばしたまま綺麗なお辞儀をしてくる。

「アリスお嬢様。ただいま戻りました。

 その・・・大丈夫ですか?」

武雄が恐々聞く。

「?・・・大丈夫ですが?」

アリスが「はて?」という顔をする。

「そうですか・・・いろいろありがとうございました。」

武雄は「ん~・・・困った。大人しい。」と困惑する。

「いえいえ。何も問題はありませんでした。

 ウィリプ連合国の話を聞かせてくださいね。」

「ええ。それはもちろんですよ。」

「それは楽しみです。

 皆さま。私はアリス・ヘンリー・エルヴィスと申します。

 遠路はるばるお越しくださいましてありがとうございます。」

アリスが武雄の後ろの人達ににこやかに言う。

「・・・はい。よろしくお願いします。」

ボーナが答え他のニルデとジルダ以外がコクコクと頷いている。

皆一様に「エルヴィス家のアリス・・・『鮮紅』だ」と驚いている。

ニルデとジルダは「このお姉ちゃん誰?」という顔をしている。

「アリス殿。お元気そうで何よりです。

 しばらくお世話になります。」

エリカが言ってくる。

「ええ。エリカさんもお久しぶりです。

 カサンドラさんも。」

「はい。アリス殿。よろしくお願いいたします。」

カサンドラが礼をする。

「はい。では・・・フレデリック。エリカさんは着替えですか?」

「はい。

 皆様も今日は屋敷にお泊り頂きますので、まずは部屋にお通ししようかと。」

「そうですね。

 フレデリック。後はお願いします。」

「はい。

 では。皆様。各部屋にご案内いたします。」

「皆さん。

 行ってらっしゃい。着替えやらしたらここに集合で。」

武雄が皆に言う。

「「はい。」」

武雄以外が執事やメイドに連れられて部屋に向かうのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます

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