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第1063話 133日目 先行帰還。(何事もなかったかのように。)

エルヴィス伯爵邸のチビッ子達の部屋の窓を彩雲がコンコンとくちばしでノックすると夕霧がやって来て窓を開けてくれる。

彩雲と紫雲がピョンピョンと飛びながら客間の中に入る。

「ユウギリ。戻りました。」

「お・・・お久しぶりでございます。」

「ん。2人とも無事で何より。

 王都で確認した通りに帰って来ましたね。

 今回はこっちの部屋で良かった。今客間は混乱中。」

「何があったのですか?」

彩雲が聞いて来る。

「私もさっき戻ったのですが、先んじてハマカゼとイソカゼを伯爵に紹介しました。」

「・・・ユウギリは王都に行った事を秘密にしていた・・・のですよね?」

「ん。その通り。

 出立前、情報を共有した時に考えた通りにハツユキのスライムに連れて来られた事にしました。

 なので私は詳細を知らないとなっています。

 このまま連れて行きますが、説明内容はあの時の通りに。」

「はっ!話を合わせておきます。」

「シウンの紹介はサイウンがする事。

 明日にはサイウンはタケオの下に飛んで貰う事になると思う。」

「はい。」

夕霧が彩雲と紫雲を連れて書斎に向かうのだった。

・・

客間にて。

彩雲と紫雲が合流し、彩雲から紫雲の説明が行われ、夕霧、時雨、彩雲、浜風、磯風、紫雲が情報の共有を行っていた。


「はぁ・・・エルダームーンスライムが3体追加とな・・・」

エルヴィス爺さんが目の前の3体をマジマジと見ながら呟く。

「浜風様、磯風様、紫雲様ですか。

 浜風様と磯風様は王都の西の森に紫雲様は王都の北の森出身と。」

フレデリックがメモを取っている。

「タケオ様は何か言っていましたか?」

アリスが彩雲に聞く。

「・・・特には・・・前から言っていた周辺の調査と体液の話を説明していました。

 この3名とも問題なくこの地で暮らす事を了承しています。」

彩雲が言ってくる。

「主。こちらが資源管理部よりの報告になります。」

フレデリックが報告書をエルヴィス爺さんの前に置く。

「ふむ。

 夕霧。スライムの体液事業について、1回目だがハワース商会に納品が済んでの。

 消しゴム用として各種とも樽1個が売れたそうじゃ。」

「はい。」

「うむ。

 それとじゃが腐葉土と残飯を混ぜて作っている肥料に緑スライムの体液をさらに混ぜての高性能化は研究が始まった段階だそうじゃ。

 まずは混ぜて1週間、2週間、1か月の物で成果が今までとどう違うかの検討をするという事になっておる。

 緑スライムの体液の納入量は今の所増えそうではないの。」

「はい。わかりました。

 卵の殻はどうでしょうか?

 綺麗にしているはずですが。」

「うむ。フレデリック。」

「はい。毎日殻の洗浄はして頂いております。

 資源管理部にて、ある程度集まったのちにハワース商会に納入がされておりますが・・・

 ハワース商会からは追加購入の依頼が来ております。

 前に話した各町への卵の殻の清掃作業小屋の設置を前倒しで実施しようかと思いますが、夕霧様。派遣するスライムはどういたしますか?」

「ん。私では何とも。

 でも現状毎日5体のスライムが殻の清掃をしている。

 同じ規模で良いのなら5体ずつ渡しますが、タケオに聞いてみないと良し悪しがわからないです。」

「そうですね。

 わかりました。小屋の設置は前倒しで実施するようにしますし、タケオ様が戻るまでに輸送計画も資源管理部にて検討させます。」

「うむ。

 フレデリック。頼むの。

 夕霧達も無理のないようにするのじゃぞ?」

「「はい。」」

フレデリックと夕霧が返事をする。

「さて・・・スライムに関してはタケオが戻ってからの話になるじゃろうの。

 夕霧達もタケオに相談する事。

 わかったかの?」

「「はい。」」

夕霧をはじめスライム全員が返事をする。


「うむ。次は・・・

 彩雲。タケオ達は王都を出立したのじゃの?」

「はい。私と紫雲は王都から1日の所の街まで一緒に行き、そこからこちらに来ました。

 今日で出立3日目となります。」

「あ。じゃあ。明日はクゥちゃんの居た広場ですね。」

アリスが頷く。

「ふむ。

 前回のタケオの行程だと明日にはうちの領内に入るという事じゃの。」

「はい。

 あとエリカとカサンドラが一緒に来ています。」

「あ。そうか。一緒に来るんだ。

 お爺さま。部屋を用意してください。」

「うむ。

 レイラ達の代理じゃの。用意させよう。

 タケオからは他にはないのかの?」

「特にはありません。」

彩雲が言う。

「こちらからは特にはないかの?」

「伯爵。タケオにそのエリカという人間の部屋の事は言っておかないのですか?」

「ふむ・・・確かに言っておいた方が良いかもしれないの。

 彩雲。エリカ殿は馬車かの?」

「馬です。」

「エリカさん。荷物はどうしているんだろう・・・」

アリスが難しい顔をさせる。

「そこは到着すればわかるの。

 そう言えばアリス。毎日剣の稽古をしているが・・・挙式の準備は終わったのかの?」

「ええ。順調・・・ですよね?フレデリック。」

アリスがフレデリックを見る。

「はい。順調です。

 アリスお嬢様のドレスの仮縫いの際の試着も終わり、完成は明後日の予定です。

 タケオ様の方は前の通り同じ物を発注しております。

 料理や引き出物の準備も順調です。」

フレデリックが頷く。

「うむ。

 あとは受け入れの方じゃの。」

「そちらも抜かりはありません。」

「うむ。頼もしい限りじゃの。」

エルヴィス爺さんが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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