第1059話 深夜の散策。1(恋愛相談と王城近くのエルダームーンスライム。)
深夜1時。
武雄は王城から少し西に行った所にある森の中。街道からは見えないくらい奥に居た。
その場所が森の中なのに少し開けていた。
「・・・」
武雄達は焚き火をしお茶を飲みながらボーっとしていた。
参加者は武雄、マイヤー、ミア、パナ、ビエラ、夕霧と初雪と彩雲とアモール。
なぜアモールが居るかはわからない。
王城の城門でマイヤーを待っている時にふらりと現れて「エルダームーンスライムに会う」と言ったら「邪魔はしないが付いて行く」と言ったので「誰にも報告しないなら」と言うと「しない」と言ったので同行していた。
「アモール。王城はどうですか?」
武雄が何気に聞く。
「いろいろと人間関係が面倒な所ですね。」
「悪さはしていないのですね?」
「したらもげます・・・まぁこういった事も人間の醍醐味なんでしょうけど。
それなりに生活しています。」
「契約者が女性でなくて良かったのですか?」
「良い訳ないでしょう・・・でも王の精霊というのは意外と面白いというのはわかりました。
そして最近は趣味を見つけましてね。」
「趣味・・・精霊も趣味を持つのですね。」
「パナも趣味くらい持っているでしょう?
あ。彼女は研究を愛していますから趣味と仕事は同じかもしれませんが。」
「あぁ。確かにパナの研究熱は高いですから仕事と趣味が同じというのも頷けます。
で、アモールが趣味ですか?」
「ええ。
王城内で週1で始めたのですが・・・・恋愛相談を受け付けています。」
「・・・需要はあるのですか?」
「ええ。当初は女性向けにしていたのですが、男性客のみ来ますね。」
アモールが笑みを浮かべる。
「・・・為になるのですか?」
武雄が訝しがりながら聞いて来る。
「なりますよ?
相談内容は他の隊に居る女性に声をかけたいから方法は何があるかとか。街の雑貨屋の女性店員に声のかけ方とか。王家の姫に対して究極の愛に目覚めたいだとかです。」
アモールが胸を張る。
「うん。最後のはダメですね。
その件は総長に報告しなさい。」
武雄がため息交じりに言う。
「そうですか・・・皆さん同じことを言います。
いや。それも愛の形としては間違っていないのでは?」
「そこは否定しませんが、その後の国の情勢が凄く大変になりそうなのでそういった者の意見は実行を諦めさせてください。
流石に王家だと洒落にもなりません。」
「貴族なら良いので?」
「どの貴族の女性かというのも関係しますが・・・結果恋焦がれている男がどうするかでしょうか。
私は身分違いの恋をしてしまった実例ですので何とも言えません。
ですが、あまりお勧めはしないですよ?」
「んー・・・愛の形はそれぞれ。
身分違いの恋もあって良いのではないですか?」
「あっても良いですよ。
それで周りが迷惑しないならという条件が付きますね。
私の場合は周りから反対はなかったです。」
「ふむ・・・わかりました。
そういった身分違いの恋をしたい男性が来たらそれとなく周辺調査してから考えます。」
「・・・気を付けてね。」
武雄が微妙な顔をさせて言うのだった。
「タケオ。あー。」
「主。来ました。」
「タケオ。来ましたよ。」
「来た来た。」
ビエラとミアと夕霧と初雪が同時に武雄に言ってくる。
「・・・わかりました。」
武雄達が立ち上がるのだった。
・・
・
武雄達の前に3体の魔物が座っている。
武雄が外見を見て考えていた「狼の親子に鷹・・・初雪は2体と言っていなかったかな?」
「・・・」
初雪が一歩前に出て掌から白スライムを3体出して地上に落すとそれぞれのエルダームーンスライムに向かって行く。
そして3体は何も躊躇せずに取り込みしばし目を瞑る。
「夕霧。これは?」
「ん。最終確認。シグレがサイウンの時もこれをした。
これで向こうはこちらに付くか付かないのか意思を決める。」
武雄と夕霧がヒソヒソと話している。
「・・・」
3体からスライムが出され初雪の前に行くと初雪が取り込む。
「・・・タケオ。この3名はこちら側に付くと言っている。」
初雪が武雄に報告してくる。
「3体は話せますか?」
「今は無理。」
初雪が即答する。
「そうですか。」
「タケオ。サイウンはシグレと情報を共有したから喋れた。
この3名も私達と共有すれば喋れる。」
夕霧が補足してくる。
「ふむ・・・で。この後はどうするのですか?」
武雄が聞いて来る。
「・・・サイウンはタケオに名前を貰った?」
「ん。タケオ。3名に名前を与えてください。」
初雪が夕霧に聞くと夕霧が武雄に言ってくる。
「えーっと・・・人間に擬態出来る者を気象から夕霧、時雨、初雪として、鳥を雲から彩雲として・・・
陸上型は・・・風にしますかね?」
「「「風?」」」
夕霧と初雪と彩雲が聞いて来る。
「ええ。
狼(成獣)を浜風、狼(子供)磯風としますか。
鷹の方は紫雲ですね。」
武雄がそう言うと3体のスライムが平伏する。
「ん。ハマカゼ。イソカゼ。シウンですね。」
夕霧が頷いてから3名に近づく。
「「「・・・」」」
3名は緊張しているが、それぞれ頭に手を置かれ、すんなりと情報の交換を始めるのだった。
「タケオ。終わった。」
夕霧が武雄に言ってくる。
「夕霧。お疲れ様でした。
3名ともよろしく。」
「「「はい!」」」
3体の見た目は魔物が返事をするのだった。
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