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第1057話 夕霧到着。2(次は王城で取引。)

武雄達は王城のとある一室の前に到着していた。

武雄が扉をノックすると中から「どうぞ」と許可がおりる。

「失礼します。」

扉を開け中に入る。

「キタミザト殿。ようこそおいでくださいました。」

出迎えたのはアモールだった。

口調は優しいものの顔は・・・目が死んでいます。

「・・・失礼します。」

武雄は何も言わずに頭を下げる。

「こちらです。」

アモールが武雄達をさらに奥の部屋に連れていく。


アモールがノックし、返事があったようで扉を開ける。

「第二研究所 所長が来られました。」

「うむ。」

「失礼します。」

武雄が中に入ると王家専属魔法師がソファの前で立っており、対面のソファに手をかざしていた。

「こちらへ。」

武雄は指定された席に行く。

「お座りください。」

「失礼します。」

皆が座る。

「キタミザト殿。ご用向きは昨日の晩にご連絡を頂いた件ですね?」

座るなり王家専属魔法師が聞いてくる。

昨日の晩。武雄はパナを使いアモールにこの場を用意するように言っていた。

いつ来るかは昼過ぎ以降としか言わなかったが・・・

「ええ。少し時間が押したようですみません。」

「いえ。毎日この部屋で研究ですので構いません。

 それに丁度良い時間ですから・・・息抜きになります。」

王家専属魔法師が顔を曇らせながら言う。

武雄は「・・・極秘部隊って大変だね」と思うのだった。

「そうですか・・・お疲れのご様子ですので手短にします。

 こちらからの用件は1つ。第2皇子一家の邸宅がある街の古書店で見つけた精霊の本についてです。

 こちらです。」

武雄がリュックから取り出して王家専属魔法師の前に置く。

「これが・・・キタミザト殿。中身を見ましたか?」

「ええ。拝見はしましたが・・・これと言って何も。

 ですが、パナが中身を確認して精霊の本と言われています。」

「ふむ・・・私には読めませんね。

 どういった精霊が?」

王家専属魔法師が中を軽く見るが直ぐに閉じる。

「それは言わない事でパナと約束をしています。」

「そうですか・・・

 まぁ致し方ありません。

 アモール。読めますか?」

「では・・・失礼して。」

アモールが精霊の本を軽く見ようとして1枚めくるとすぐに閉じて机に置く。

「・・・精霊の本です。」

アモールが無表情な顔をさせながら言う。

「悪神や邪神ですか?」

「・・・そういった者かどうかは明言は出来ませんが・・・とりあえず宝物庫に保管が良いでしょう。」

「ふむ・・・」

「陛下への報告書からはこのことは私の一存で削除しています。」

「ふむ・・・」

「いくらで買いますか?」

武雄が感情を表に出さないで聞いて来る。

「んー・・・そうですなぁ・・・」

「私の中では悪神や邪神であろうが善神であろうが、精霊の良し悪しと言うより契約者が何を考えるかに依ると思っています。

 実際にパナやコノハ、マリやアルなんかは使い方によっていかようにも評価が分かれるでしょう。」

「んー・・・では、金貨」

「もしこれがパット殿下や今後生まれる殿下方の精霊になったら・・・価値としてはいくらだと思いますか?」

「・・・もう少し時間を頂けますでしょうか。」

王家専属魔法師が悩みだす。

・・

「・・・こちらの金額でいかがでしょう。」

王家専属魔法師が紙に書いて武雄に見せる。

「・・・金貨10枚ですね。」

「はい。どのような精霊でもキタミザト殿がおっしゃったように使い方次第でしょう。

 それに精霊が主を蔑ろ(・・・・・・・)にしたとは聞いたことありません。

 もし悪巧みが過ぎる精霊が殿下方に付いた時もその精霊は殿下方の望みを叶える為に動くのでしょう。

 ちなみに今後とも見つけられたら同金額で買い取らせて頂きます。

 よろしいでしょうか。」

「いくらになろうと私は何も言う気はありませんよ。

 提示して頂いた金額で構いません。

 私も見つけた際は持って来れる物は持ってきます。」

武雄が頷くのだった。

「ありがとうございます。

 では、今支払わせて頂います。」

王家専属魔法師が席を立つのだった。

・・

武雄達が退出した後。

「自らの陣営で適応者を探して勢力の拡大を計っても良いだろうに・・・

 アモール。キタミザト殿は稀な方だな。」

「ええ。そこは間違いなく。

 王家に対して・・・いやそもそも二心は無いのでしょう。」

「そうだな。ああいう方の信用は無くさないようにしないといけないだろう。

 で。精霊の本が街中の店にか・・・

 アモール。どういった精霊かは言えないんだな?」

「ええ。言えません。

 パナもキタミザト殿に言わないですね。」

「そうか・・・

 新しく産まれる殿下の何方かに付けば良いが・・・

 王都守備隊に頼んで通る街、町、村関係なく古書店を巡って頂こうか。」

「わかりました。書類を作成します。」

アモールが頷く。

「それと王家専属魔法師部隊(うち)としての5年後の戦術起案は出来たか?」

「・・・部隊員の方が作ったのを精霊達(我ら)で添削しましたが・・・

 やり直させています。」

「そうか・・・出来るだけ早く目途を付けさせる必要がある。

 他局がいつ会議で発言しても良いように準備をしておかなくてはいけない。」

「はい。わかりました。」

アモールは「はぁ・・・ここの人間達は頭ばかりデカいのが多くて嫌になる」と思う。

「それとキタミザト殿の警護は任せる。

 王都領内から出るまで陰ながら警護しておいてくれ。」

「はい。了解です。」

アモールが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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