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第1050話 騙し合い。(武雄お呼び出し。)

「さてと。茶色く塗った胸当て(・・・・・・・・・)は・・・

 所長。もう少ししますか?」

マイヤーがボコボコにされている標的を見つめる。

「・・・王都守備隊の監視を掻い潜れる猛者はいないとは思いますが、何事も完璧という物はありません。

 拳銃が使えない兵器だと装う(・・・・・・・・・・)のはもう少ししておいた方が良いでしょう。

 なので拳銃の試射は終了です。

 あとはエルヴィス家への道すがら試していきます。」

武雄が立ち上がる。

「はぁ・・・偽装を朝の段階で良く思いつきましたね。

 あの胸当ては遠目だと革の胸当てに見えますよ。

 それにしてもそれ面白そうですね。」

ラックが聞いてくる。

「・・・魔力を常に消費しますよ?」

「え?・・・どのくらいですか?」

「維持で常に100。最初が500程度で撃てば自動で75消費していきます。」

「・・・お試しには良いでしょうが・・・実践では危ういですね。

 いざという時に魔力量が思ったよりも少ないとか洒落になりません。」

ラックが諦める。

「条件が整えられるなら装備しても良いのでしょうけど。」

武雄が考える。

「どんな条件でしょうか。」

マイヤーが聞いて来る。

「兵士のような戦いに身を置くような職業ではなく、魔力量がそもそも高い人ですね。

 それに、もっと威力を下げて護身用にするという手もありますね。

 それなら装備しているだけでも、今よりも少ない魔力を消費していくだけになるでしょうから問題ないでしょう。」

「・・・となると・・・

 貴族か王家ですかね?」

ラックが考えながら言ってくる。

「今はこの拳銃も小銃も王都守備隊のみが知っていれば良いです。

 もう少し研究をしてから、まずは王家辺りに配備だと思いますが・・・

 当分は他国にも他の騎士団や兵士にも知られる訳にはいきません。

 兵器の開発をしているとは思われたくないのでね。

 ま。ゆくゆくはでしょうか。」

「まずは試験小隊(我々)が結果を残さないといけないですね。」

マイヤーが頷く。

「ええ。魔法師の補助武器として、まずは配備出来るかの確認です。

 有効射程が400m程度ですから、400mから250mまでの遠距離での迎撃にどう使えるか。

 そして200mからの魔法戦に向けて、どう生かすのかを考えないと使えないでしょうね。

 小銃も剣も一緒。武器なんですから。」

「はい。わかりました。」

「二研殿。

 小銃って面白いですか?」

ラックがおもちゃを見つけた子供のような顔をさせている。

「・・・私の婚約者が楽しそうに撃っていましたよ。

 魔眼の所為で魔法が出来ないので遠距離射撃が楽しいのだそうです。」

武雄がジト目させながら答える。

「・・・鮮紅殿・・・増々強くおなりのようで・・・」

ラックがガックリとしている。


と遠目に総長と外交局長がやってくるのがわかる。

「二研殿。新装備どうですかな?」

「私専用ですね。

 魔力消費が最初に500で1発撃つと75使っていきます。

 マイヤーさんに同程度のファイアをお願いしましたが・・・どのくらい消費しましたか?」

「私の場合だと6発で240程度ですね。

 所長は6発撃つのに450は使いますね。」

「無駄に使っていますね。」

総長が苦笑する。

「ええ。なので私専用という訳です。

 で。総長と外交局長が来た訳は?」

「キタミザト殿。

 出張の報告書を見ました。

 前回の時と同じメンバーを集めましたので簡単な会議をします。」

外交局長がにこやかに言ってくる。

武雄は「あ、これ連行ですね・・・」と悟る。

「しっかりと説明してください。」

「マイヤーさ」

武雄は振り返るが。

「所長。行ってらっしゃいませ。

 私は妻とこの後、エルヴィス領での部屋の話をしてこなくてはいけないので、これにて。

 総長。外交局長。これで。」

マイヤーがそそくさと逃げて行く。

「さてと。

 二研殿の後片づけはしておきますね。」

ラックも我関せずで率先して動く。

「・・・あ~・・・」

武雄が2人を見送る。

「さ。行きましょうか。」

「はい。」

武雄と総長と外交局長が王城に向かうのだった。


------------------------

王都の雑貨屋にて。

「ブルックさん。これはどうですか?」

エンマが服を持ち上げてブルックに見せていた。

「ん~・・・確かに鮮やかですけど・・・値段が高いですね。

 エルヴィス領なら3割は安いですよ。」

「そうですか・・・高い。高いですね!」

エンマが値札を見て驚く。

「ブルックさん。これはどうですか?」

「あ。靴ですか。

 ん~・・・ダメですね。

 エルヴィス領は確かに形の種類は少ないですが、この値段なら準オーダーメイドで作って貰えますよ。」

「これも高いんだ・・・」

フローラが靴を元の位置に戻す。

「じゃあ。ブルックさん。どうですか?この下着は?」

「こればっかりは王都の方が種類はあるんですよね・・・

 でも値段がなぁ・・・」

ブルック達は衣服選びを楽しむのだった。


「んー・・・貴方。これどう思う?」

「フライパンか。

 今の旅のヤツは捨てたのか?」

「ええ。兵舎に入った際に兵士の方が『新しいのにしてください』と持って行ってね。

 明日出立でしょう?

 鍋とか買っておかないといけないの。」

「アーキン殿。予算はどのくらいなのですか?」

「特に指定はありませんが、どちらかと言えば安くて良いのを買ってくれるとありがたいですね。

 まぁ資金はそれなりに所長から貰っていますし。」

「アーキンさん。

 食材集めました。」

アニータが報告してくる。

アニータとミルコとビエラとニルデとジルダのチビッ子達とアスセナが、食材を店の一角に集めていた。

「こりゃまた凄い量だな。

 ミルコ。アニータ。一緒に所長が向こうで買って来た幌馬車を持ってこようか。」

「はい。わかりました。

 ブルックさんに伝えてきます。」

ミルコがブルックを探しに行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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