第1040話 風呂。(レイラが肩代わり。)
王城内の王家か客用にしか使われない湯浴み場にて。
女性陣は体を洗い終わり湯船に浸かっていた。
「あぁ・・・これは良いですね・・・」
ボーナがしみじみと浸かりながら言ってくる。
「あぁ・・・広いし明るいし豪華だし・・・こりゃ凄いわ。」
ブルックが湯船に浸かって周りを見る。
「流石は王城なのですね・・・
キタミザト様。良くこんな所を貸していただけましたね。」
エンマがキョロキョロしながら言ってくる。
「あぁ・・・足が伸ばせてゆったり出来る湯浴み場って凄い・・・
これは良いですね~・・・」
フローラも満喫する。
「「「あ~♪」」」
ニルデとジルダとビエラは風呂の縁にタオルを重ね。
頭を乗せて風呂場で寝る格好をして満喫している。
チビッ子3人はぷかぷか浮きそうだ。
と。脱衣所から誰かが入って来る気配がする。
「あ。やっぱり入られてた。」
「だから言ったのです。早くしようと。
下着になんで時間をかけますかね?」
「そうは言ってもね~。
いろいろ準備はしていたし。
別に大きいから問題ないでしょう?」
「・・・それもしかして私待ちだったのを隠す理由ですか?」
「違うわよ。
私達がたまたま時間を超えてしまっただけ。」
一団が入って来る。
「アルマ殿下!レイラ殿下!エイミー殿下!」
ブルックが入って来た一団を見て即座に直立不動する。
「あ。この方がタケオさんの部下ですね。
わかりやすい。」
「他が連れている女性陣ね。」
「おじゃまします。」
3人が堂々としている。
「・・・殿下方・・・私達は出ま」
「あ。別に良いわよ。
そもそも今日はタケオさんから貴女達を入れたいと言われていたし、時間間違えたのは私達だしね。
むしろ私達が時間を調節するべきだったんだろうけどね。
後ろが立て込んでいるから嫌ではなかったら一緒に入りましょう。」
「え・・・我々は嫌では。」
「なら問題ない。
パナ殿。まずは体の洗い方を教えてください。」
「あ。私も教えてください。」
アルマとレイラが体を洗い始めパナとパイディアーが監督している。
何とも不思議な光景がそこにあった。
「私達も洗いますか。」
「はい。エイミー。」
エイミーとアルが体を洗い始める。
「・・・はぁ・・・」
エリカはため息交じりにエイミーとレイラの間で体を洗うのだった。
「はぁ・・・」
ブルックがため息を付きながら湯に浸かる。
楽しい時は一瞬だったと思うのだった。
「あの~・・・あの方々は?」
ボーナが聞いてくる。
「第3皇子の正室と側室、第2皇子のご息女・・・王家の方々です。
パナ殿とパイディアー殿は良いとして第2皇子一家のご息女エイミー殿下の精霊アル殿も来たのですね。」
「王家の方々・・・」
「第3皇子の正室アルマ殿下と側室レイラ殿下は共に身籠ったばかりです。」
「え・・・」
「・・・身籠った事も精霊が付いた事も全てに関わりがあると言われているのがうちの所長なんです。
なのであの方々はうちの所長が頼むと何とかしてしまう人達なんです。」
ブルックが諦めながら言ってくる。
「そ・・・そうなのですね。」
「そうなんです。
はぁ・・・とりあえず温まりますかね。」
ブルックがボーっとし始めるのだった。
「はぁ~・・・妊婦になって良かったのはこの湯浴みですね。」
「そうねぇ。2日に1回だけど入れるしね。」
レイラとアルマがのほほんと湯に浸かっている。
「久しぶりに足が延ばせますね。」
エイミーもゆったりと浸かっている。
周りの皆も緊張しながら王家の3人を見ている。
「あ~っと・・・こっちが噂のベルテ一家ね。
こっちが・・・ニルデちゃんとジルダちゃんとビエラ殿?」
「ニルデです!」
「ジルダ!」
「あー!」
3人が返事をする。
「はい。わかりました。
そうですか。ゆっくりして行ってくださいね。」
「「「はい。」」」
「こっちが・・・えーっと・・・アスセナさんね。」
「はい!よろしくお願いします。」
アスセナが頭を下げる。
「うんうん。わかって来たわ。
で。貴女が前に会ったアニータね。」
「はい!」
「その教育係のブルックね。」
「はっ!」
ブルックが返事をする。
「じゃ。こっちの紹介か。
私が第3皇子の正室アルマ。こっちがレイラでこの子が第2皇子の長女のエイミー。
こっちが」
アルマが皆の説明を始める。
・・
・
各々紹介も終えてのんびりです。
「あ~・・・そうそう話には聞いたのだけど。
貴女達凄い経験したみたいね。」
レイラがベルテ一家に言ってくる。
「え・・・ええ。」
エンマが若干暗い顔をさせる。
「経緯等々を蒸し返す事はする気もないんだけど・・・気になる事があるのよ。
少し聞いて良いかしら?」
レイラが真面目な顔で聞いてくる。
「あの・・・何でも答えますが・・・」
「そぉ?
パナ殿がケアをかけて1か月くらい戻したのですってね。
体も完璧に戻ったの?・・・その破瓜の痕も元に?」
「「・・・は?」」
エンマとフローラが固まる。
「だって気になるんだもん。
うちの未経験者2人が初経験の後に痛いからとケアでもして戻ったらどうしようと思って!」
「「大きなお世話です!」」
エイミーとエリカが怒る。
「ちょ・・・ちょっと確認をしてきます・・・」
「あ。私も~・・・」
エンマとフローラが湯船を上がりコソコソと端っこに行く。
「ふふふ。」
レイラは笑いながら呆気に取られるブルックをにこやかに見るのだった。
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