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第1030話 第3皇子一家との話。1(お土産です。)

着任式とタンポポ茶のプレゼンを終えた武雄はビエラを連れて第3皇子一家の執務室に来ていた。

ベルテ一家等々は試験小隊(アーキン組)と一緒に王都見物に行っている。


「・・・さて、どうした物か。」

武雄がソファに座り目の前の麦茶が入ったコップを見ながら言う。

「どうしたの?タケオさん。」

レイラが聞いて来る。

「いえ・・・あ。パイディアーが居ますね。」

「うん。昨日パイディアー探していたわよね。

 何か用なの?」

アルマが聞いて来る。

「お土産が・・・」

武雄がリュックを取り出す。

「「「お土産?」」」

アルマとレイラとエリカが食いつく。

「ええ。パイディアー達にお土産を買って来たんですよ。

 これです。」

箱を2つ出し机に置く。

「?・・・タケオさん。これは?」

レイラが聞いて来る。

「パイディアーへのお土産ですよ。」

「私?」

パイディアーが近寄って箱を開ける。

箱の蓋を開けたパイディアーが中の物を見て固まる。

「・・・タケオ。

 ヴァイオリンです。」

パイディアーが真顔で武雄に報告してくる。

「はい。

 といっても全く一緒ではないらしいです。

 原型というか同じ様な物ですね。」

「手に取っても?」

「どうぞどうぞ。」

武雄の返事を聞き、パイディアーがヴァイオリンと弓を箱から出し皆から少し離れる。

そして首に挟み軽く音を出しては弦を調整していく。

「・・・カリスと同じ行動をするんですね。

 流石芸術の神様。」

武雄が頷く。

「タケオさん。これは何?」

アルマが首を傾げる。

「あれ?スズネさんが持っていたのに似ています。」

エリカが残りのヴァイオリンを見ながら言う。

「ええ。同類ですね。

 これをパイディアー達のお土産で買ってきました。」

「達?・・・ならクリナの所のカリスにも?」

アルマが聞いて来る。

「ええ。2挺渡していますし、アン殿下の所のアウクソーにはニール殿下経由で送って貰いました。

 エルヴィス邸に帰ったらジェシーさんの所のパンニューキスにも送る予定です。」

「へぇ・・・どんな音なの?」

「タケオ。調律が終わりました。」

パイディアーが戻り言ってくる。

「早いですね。」

「出来て当たり前です。

 タケオ。ありがとう。」

パイディアーがにこやかに言ってくる。

「あら~?パイディアーがこんな顔を。」

「初めて見たわ。」

「タケオさん。凄いです。」

3人が驚いている。

「女神の微笑みをこんなに貰えるのは私ぐらいですかね。

 では。カリスに言いクリナ殿下に依頼した事を説明しますね。」

武雄は楽器店の話をするのだった。

・・

「なるほど。確かに部品の入手が出来る所は国内にあった方が良いわ。」

アルマが頷く。

「タケオさん。それは第3皇子一家領(うち)でも良かったんだよ?」

レイラが口を尖らせている。

「あはは。レイラ悔しがらない。

 タケオさん。僕達王家に素晴らしいお土産ありがとうございます。」

ウィリアムが頭を下げる。

「いえいえ。芸術の精霊がいるのを知っていて楽器を買って来ない方が怒られますよ。」

武雄が苦笑する。

「タケオ。何か弾きますか?」

パイディアーが聞いてくるが「弾きたいんだけど!リクエストください!」という顔をさせている。

「・・・王城内で良いのでしょうか・・・」

タケオがウィリアムを見る。

「流石に夜は止めた方が良いですが、今は昼間ですから問題ないですよ。

 パイディアー。何個か・・・曲と言うのだったかな?」

「タケオ。カリスは何を弾きましたか?

 私も大丈夫ですよ!」

パイディアーがウズウズしている。

「では・・・」

武雄がリクエストをするのだった。

・・

パチパチパチパチ

パイディアーが軽く会釈をする。

「へぇ~♪」

「良い音・・・音楽ね♪」

「これはなかなかです。」

「良いですね。

 これをアンとクリナがするなら流行りそうですね。」

第3皇子一家も好評なようだ。

「タケオ。新しい譜面はカリス達と打ち合わせをしてステノ技研に送ります。」

「はい。お願いします。」

パイディアーの言葉に武雄が頭を下げる。

「タケオさん。音楽は妊婦に良いのかな?」

レイラが聞いてくる。

「良いかどうかは何とも言えませんが、少なくとも妊婦の感情を穏やかにさせる事は出来ると思いますよ。

 怒ってばかりより穏やかに過ごしている方が子供にも良い影響はあると思いますよ。」

「なるほど~。

 いや。タケオさんのおかげでつわりも楽なんだよね。

 だからタケオさんが持って来た音楽も良いのかと思って。」

レイラが言う。

「レイラ。前から言っていますが、つわりの程度は個々でまちまちです。

 食生活や運動をしていても重度の方は辛いし、軽い方は楽なのです。

 たまたま今回は皆さん重度ではなかっただけですよ。」

「そうなのかぁ。

 私もアルマお姉様も軽いですし、セリーナお姉様からも軽くなったと手紙が来ているんですよね。」

「今までが悪かっただけです。

 吐くからと水分だけにするだとか、お茶をお腹一杯飲ませるだとか、寝たきりにするべきだとか・・・あれは母子ともに体調を悪くさせるだけです。」

パナが難しい顔をさせながら言う。

「そっかぁ。

 パナ殿とコノハ殿が居て良かったわ。」

アルマが頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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