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第1029話 着任とプレゼン。

王城の小会議室ではなく。昨日の中会議室。

3人の着任式は厳かに行われていた。


「3名の継承をお願いします。

 現契約者、王立研究所 第二研究所 所長 タケオ・エルヴィス・キタミザト子爵。

 次期契約者、王都守備隊 コリー・ベレスフォード総長。

 両名前へ。」

「はい。」

「はっ!」

武雄と総長が前に出る。

と用意された3名の奴隷契約書の束に手を置く。

「契約者タケオ・エルヴィス・キタミザトがテーア。エットレ。ファビオに関し継承を行う。」

「テーア。エットレ。ファビオに告げます。

 現契約者よりその順守条項を継承します。

 順守条項に違反した場合、身体能力、魔法能力等9割の能力を1週間使用禁止とします。

 契約主。コリー・ベレスフォード。」

総長の宣言を受け、テーア。エットレ。ファビオの体が淡い光に包まれると共に首輪が光り総長の名前が刻まれる。

そして総長の右手小指に指輪が発光するのだった。

・・

「以上で着任式を終わります。 

 総員起立!アズパール王に敬礼!

 直れ!」

皆が礼をして座る。

「採用された3名は各々の指導官と打ち合わせを実施します。

 指導官は3名を連れて第八兵舎にて説明を実施する事。

 以上!伝達終わり。

 解散!」

着任式が終わっていた。

そして先の3名が指導官と思われる人員と3名が退出して行く。


「うむ。

 上手く行ったようだな。

 順守条項というのは宣誓しないのだな。」

アズパール王が概要を見ながら頷いている。

「はい。継承ですので奴隷契約の順守条項は前のままです。

 1つ。主人である私の命令に従う事。

 2つ。私の命令もしくは自身の防衛行動以外での殺傷行為を禁止。

 3つ。私や私の所属先が不利益になるような行動を禁止。

 以上が条項なのですが、今回は継承ですので言いませんでした。」

武雄が答える。

「そうか。

 で。タケオ。この後は我達に何かあるのか?

 皆も揃っているんだが。」

アズパール王が周りを見ると各局長が居た。


実は着任式は最初第八兵舎でする予定だったが、アズパール王が見たいと言い出し小会議室に変更。

各局長も見たいとなり小会議室から中会議室に変更となってバタバタしての行事だった。


「ええ。ついでなので昨日の話で出たタンポポ茶を飲んでもらおうかと思いまして。」

武雄は式が遅れるとわかると総監局と料理長に掛け合いタンポポ茶の試飲会を企画していた。

「ほぉ。良いな。」

アズパール王が頷く。

「はい。では。

 とりあえず入っておいで~。」

武雄がそう言うと扉が開き執事達とニルデとジルダとアスセナとベルテ一家が入ってくる。

そして試験小隊の面々や、ビエラと初雪も入り席に座る。

「ん?どういう事だ?」

「面倒なので全員連れてき・・・ん?なんですか?・・・用意も出来てる?」

武雄が話していると執事の一人が近寄り耳打ちをしてくる。

「・・・まぁ。用意が出来ているなら良いでしょうけど。

 陛下。甘味の匂いが広まったみたいですね。

 ウィリアム殿下達が来ました。」

「うん。皆で食べようか。」

アズパール王が頷く。

「はい。わかりました。」

武雄が諦めたように言うと扉が開き第3皇子一家とエリカが入ってくる。

「タケオさん。私達をのけ者にしようとしたでしょう?」

レイラが入って来るなり抗議してくる。

「そんな訳ないですよ。

 後で持って行くつもりでしたよ。」

武雄が笑顔で答える。

その様子を何も言わないで見ているニルデとジルダ。

だが、顔が物語っていた「あんた。だれ?」と。

武雄は2人の顔を見て「良く口に出さなかったですね」と感心し、「お昼は大盛りにしてあげるからね」と思いながらレイラ達とニルデ達の間に体を入れる。

「へぇ~エルフに獣人かぁ。

 綺麗だし、この子なんかとっても可愛いわね。」

アルマがひょこっと武雄の肩口から覗き、ベルテ一家達を見てからジルダを褒める。

「・・・あげませんよ。」

「求めないわよ。

 こうして見てるだけで私は十分ね。

 えーっと・・・私達はどこかな?」

「アルマ殿下。レイラ殿下。こちらに。」

「レイラ。行くよ。」

「はーい。」

執事が先導していく。

エリカは何も言わずに端の席に行く。

ウィリアムはアズパール王の隣へ。


「さてと・・・

 ま。試飲会ですので温かいタンポポ茶と付け合わせにマドレーヌですね。

 配膳お願いします。」

執事達が皆に配膳していく。

「えーっと・・・

 今回のタンポポ茶ですが、濃い目に煮出しています。

 少し味が独特ですので濃すぎると思った方は牛乳を少々入れると味を軽く出来飲みやすいでしょう。」

「ふ~ん。

 タケオさん。これは麦茶とは違う物なのよね?」

レイラがお茶を見ながら聞いて来る。

「違いますね。

 タンポポ茶は利尿作用があるので飲み過ぎには注意が必要です。

 適量を飲み続けると体内の余分な物が随時外に出されるので健康になると思いますよ。

 麦茶も体に良いとされていますが、効能は違うかと。

 少なくともタンポポ茶よりかはトイレに行く回数は少ないですね。」

「なるほど。

 じゃ。頂きます。」

レイラが1口飲む。

「んー・・・独特。甘いけど苦い・・・難しい。」

「私は飲めなくはないわ。

 あ。甘い物の後だと苦みが少し変わるかも。」

アルマがマドレーヌを1口食べてから口直しでタンポポ茶を飲んで感想を言う。

「ふむふむ。面白い物だな。

 タケオ。これは王城にも卸して欲しいな。」

「わかりました。

 料理長と少し話して決めさせて頂きます。」

「うむ。

 すまんが我にもう一杯くれ。」

アズパール王は気に入ったのかお替りを要求するのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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