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第1026話 王都で報告会の後(大変な局長達と武雄の息抜き。)

王城の小会議室。

さっきの続きで各局長と総長が話合いを設けていた。


なのだが、総長と人事局長と財務局長とでやり合っていた。

「いや・・・ですから銀貨5枚分で何とかなりませんか?」

「返金という名の積立金という考えは流石はキタミザト殿だとは思います。

 これは乗るべきですね。

 ですが、金1枚にして貰わないと25年後にまとまった金額を払えません。

 キタミザト家のヴィクター殿達ではありませんが、退職時に金貨200枚以上ないとその後の生活は出来ないでしょう。

 なので、金1枚にしてください。」

「他の部局からも補正の追加依頼が来ています。

 これ以上の追加は今の所難しいですね。」

総長が懇願するが人事局長と財政局長が予算を上げようとはしてくれない。


話は平行線を辿っている。

他の局長達も他人事ではない追加予算の話なので話の流れを見守っている状態だった。


「それですと装備品や衣服、食費等々を切り詰めなくてはいけません。

 彼らは金貨4枚ですよ?辛いはずです。」

「でしたら、王都の騎士の平均給与である金貨4枚、銀貨5枚とすれば良いではないですか。

 総長達が国内の騎士の平均給与である金貨4枚に設定したのです。

 予算関係は事前提出をしてきて、承認されていたでしょう。

 それにこう言っては何ですけど、兵士や警備局の人員に比べれば良い給料です。

 新人の兵士の給料が金貨3枚。何か問題がありますか?」

「それはそうですが・・・

 ですが、それでも王都守備隊(最高峰部隊)としての振る舞いは必要です。

 装備品や日常の衣服等々も気を付けて貰わないといけません。

 その差があまりないように既存の隊員との差を銀貨5枚としたのです。

 そこから様子を見て順次上げて行けるような制度にする予定なんです。」

「なら成果が出るまで食事は王城で取るしかないでしょう。

 それに住む場所は兵舎なのです。費用は経費と出来るでしょうね。

 装備品や制服等々は・・・最初だけですから何とかならないのですか?」

「ん~・・・最初だけと言われてしまうと・・・厳しい物があるのです。

 何とか銀貨5枚で・・・あとの銀貨5枚分の追加予算を頂きたいのですが・・・」

「金貨1枚。追加予算は認めません。」

「何卒!再考願います。」

総長と人事局と財政局の攻防は続く。


------------------------

こっちは第八兵舎の一室。

ブルックとアーキンが一緒に寝ていた。

アニータとミルコはニルデとジルダと一緒にしており、今は2人きりだ。


「・・・ねぇ。」

ブルックが隣にいるアーキンに声をかける。

「本当にしやがったよ。」

アーキンが顔に手を当ててワナワナしている。

「受けたのは君。」

「そこは・・・すまん。

 魅力的だった。」

「ありがと♪

 それにしても・・・兵舎でするのドキドキするね!」

「二度としない。絶対しない。

 これバレたら所長達に冷やかされる。」

「え~・・・別に良いのに。」

「良くない。総長とか他の隊長とかに何か言われる・・・

 これはマズいだろう。」

「そうかなぁ~?

 久しぶりだし。良いよね♪」

ブルックが満面の笑顔をアーキンに向ける。

アーキンは「参ったな」と惚れた弱みを感じつつ、その笑顔が愛おしく思うのだった。


------------------------

第八兵舎の別の部屋。

武雄、ミア、パナ、ビエラと初雪と彩雲の4人部屋。


「タケオ。動かなくなった・・・終わったみたい。

 アーキンとブルック気持ちよさそうに寝てる。」

掌にスライムを乗せている初雪が武雄に向かって報告してくる。

武雄的には「そんな報告はいらない」と言いたいが初雪に「なぜ?」と言われると困るので大人しく聞いている。

「・・・そうですか。

 まぁ。ここ最近はアニータとミルコと一緒ですからね。

 たまには2人きりになりたいでしょうし、久しぶりでしょうからね。

 しょうがありませんよ。

 で。初雪。部屋の周りは?」

「問題ない。

 あの2人以外は就寝済み。部屋に近寄る者もいなかった。」

「わかりました。

 で。ビエラは寝なくて良いのですか?」

「あ~?・・・問題らい。」

「主。ビエラは夕食後、私達が王城に行く前から寝ていましたし、戻って来た時も寝ていましたし。」

ミアが呆れる。

「・・・美味しい・・・夕飯は気持ち・・・良い。」

ビエラが考えながら言ってくる。

「うん。

 順調にビエラの語学力は高まっていますね。」

武雄が楽しそうに頷く。

「ですが、しっかりとした言い回しを習得しましょうね。」

「はい。タケオ。」

ビエラが頷く。


「あと・・・ユウギリから依頼が来た。

 これはアーキン達には言っていない。」

「夕霧?向こうで何かあったのですか?」

「正確にはタマからの依頼。

 姉のモモに夫が出来たので住み家を離したいとの依頼。

 どこかに棲み処を用意出来ないかと。」

「・・・エルヴィス伯爵はどう言っていますか?」

「タケオに任せると。」

「そうですか・・・なら夕霧達の生息地の試験小隊の訓練場の反対側の所に小屋を用意して欲しいとエルヴィス伯爵に依頼をしてください。

 大きさや中に入れる草等はモモの好みに沿った物で良いでしょう。」

「わかった。伝える。

 あとアリスとジーナがマリに剣術を習っていると言って来た。

 他に伝える事ある?」

「北の森の鳥・・・鷲ですが、2体の雌が移住します。

 その事は伝えてください。」

「わかった。」

初雪が頷きながら手にスライムを出すのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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