表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1028/3627

第1016話 王都で報告会。1(会議前。)

王城の会議室。

大きさは皇子妃達が使っていた中会議室と同程度の大きさ。

貴族会議と各局長、担当部課長が出席するような大会議室より小さかった。

机は長机が凹の字形に配置され、正面とされる講師席の後ろには黒板が配置されていた。



「失礼します。」

武雄を先頭に会議室に入って行く。

と一斉に中の人間が注目してくる。

「!」

ビエラが一瞬何かしそうになるが。

ベシッ

「ビエラ。大人しくしなさい。」

ミアがビエラの眉間に正拳突きをお見舞いする。

「あー!?」

ビエラが両手で突かれた所を抑えながら「何をする!?」と抗議してくる。

「ビエラ。

 ここに居る人間は味方ではありませんが、敵でもありませんよ。」

「所長。それ言っちゃいますか?」

ブルックが呆れている。

「割と味方程度ですよ。

 自分達と同じ考えである内は擁護はしてくれるでしょう。

 違う考えが提示されたら敵になります。

 全く・・・政争はしたくないんですけどね。」

「所長。わかっていると思いますが喧嘩は売ってはダメですからね。

 今回は中枢の幹部連中なんですからね。

 特に注意してください。」

「その言い方だと私が四六時中誰かに喧嘩を売っていると言われている気がしますが・・・

 善処しましょう。」

ブルックの忠告に武雄が頷く。


「キタミザト卿。長旅お疲れ様でした。」

オルコットとクラークがやって来る。

「いえ。問題はありません。

 ですが、今日到着してその日の内に会議ですか。」

「はは。

 皆が心待ちにしていたのですよ。

 生きた情報ですからね。」

「今日は全員を連れて来ていませんよ。

 引き渡す3名は聞いていますか?」

「はい。

 エルヴィス伯爵経由で王都守備隊総長宛の伝文を主要局長と確認しています。

 今日は話は?」

「いや。3名についての話は詳しくする気はありません。

 今日は行程と旅で出会った人達との話で終わりでしょう。

 明日、3名を王都守備隊に引き渡します。

 その際の面接に主要な方々はいらしてください。」

「この場では説明不要と?」

「正直な話・・・どんな説明をしても何か問題は出て来ると思います。

 今日話す事ではありませんし、明日ゆっくりと吟味してください。

 それに総長が受け入れると言えば他の誰かが何と言おうが受け入れるでしょう。」

「ふむ・・・わかりました。

 各位と調整しましょう。」

オルコットが頷く。

「お願いします。

 それに夕食後の会議です。眠くなるような話はしたくありません。」

「そうですね。

 それとキタミザト殿の席はあちらです。」

「わかりました。

 では。一旦席に行きます。」

「「ええ。後程。」」

武雄達はオルコットとクラークの傍を離れ、指定席に向かう。


「さてと。

 前列にビエラとエンマさんとブルックさん。

 後ろに初雪と・・・フォレットさん?

 なぜに居ますかね?」

「警護要員です。

 今日帰って来たのにもう駆り出されました。

 とりあえず、座って良い方のを選んだんです。」

「寝ちゃダメですよ?」

「頑張ります。」

フォレットが苦笑する。

「ま。その隣に前に出る私とアーキンさんで。」

「了解しました。」

アーキンが頷く。

「うぅ・・・私座っているだけなのに緊張する・・・」

エンマが緊張している。

「あ~♪」

ビエラは会議場内をキョロキョロ見ているのだった。

「じゃ。皆さん大人しくしていてくださいね。」

武雄は席に座らず言ってくる。

「所長はどちらへ?」

ブルックが言ってくる。

「全貴族と全局長に挨拶に行ってきます。

 行きますか?」

「所長。いってらっしゃいませ。」

ブルックが良い笑顔で「行きたくないわ!」と拒否をするのだった。

・・

「総員傾注。陛下並びにウィリアム殿下が入場されます。」

「総員起立!」

と誰かが言うと全員が起立する。

と会議室の扉が開き、アズパール王とウィリアムが入って来る。

2人とも何も言わずに講師席の対面の席の真ん中に行き座り、皆も座る。

「さて。始めるか。」

アズパール王が開始を宣言する。

「はっ!

 では、これより第15号議案に付随する中間報告を行います。

 まず概要について人事局長より説明を行います。

 人事局長。お願いします。」

総監局の文官が議事進行を始める。

「はい。

 では人事局より今回の王立研究所 第二研究所に依頼したウィリプ連合国への視察並びに王都守備隊員の確保事案についての概要を説明いたします。

 まず各椅子にお配りした資料をご確認ください。」

会議が始まるのだった。

・・

「続きまして第二研究所 キタミザト子爵より今回の実施結果をご報告願います。」

「はい。」

武雄が席を立ちアーキンと共に前に出る。

壇上に立ち武雄が陛下に深々と礼をし、そして両サイドに頭を下げる。

「第二研究所 所長のキタミザトです。

 さて。先の人事局長よりの行程の補足をしてまいります。

 我々は王都を出立ののちニール殿下領、国境を経て、ウィリプ連合国 ファルケ国を経由してドローレス国の領主邸がある街に行き、王都守備隊に編入させられる人員を確保して参りました。

 行きに14日、滞在3日、帰路に20日となっています。」

「・・・」

皆が何も言わないで人事局の資料に自分達で記入している。

「では。各街で会った人物もしくは町で聞き込みをした話をして行きます。

 まず、ファルケ国での話になります。」

武雄はどんどん話をして行くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ