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第996話 123日目 第2皇子一家邸がある街を出立。(誘惑。)

朝食後の早い時間。

「出立!」

マイヤーの号令で武雄達一行が進み始める。

宿の数名が見送りに出て来ていた。

・・

城門を過ぎた辺りにて。

「所長。速度を少し早めましょう。」

「わかりました。

 速度は任せます。」

「はい。

 速度上げ!」

マイヤーが皆に号令するのだった。


------------------------

第2皇子一家の朝食後の客間にて。

「ふむ。

 タケオ達は無事出立したか。」

執事から報告を受けたニールが頷く。

「タケオさんは昨日の夕方に挨拶に来てくれましたからね。

 のんびり過ごしてくれたみたいで良かったですね。」

リネットが笑う。

「タケオさん。昨日は午前中に買い物に行った後、宿内に居たと言っていましたね。

 楽しそうに『他の皆さんは寝かせたまま外出しました』と言っていましたけど。

 普通するのですか?」

クリナが首を傾げながら聞いて来る。

「「しないなぁ。」」

ニールとリネットが苦笑しながら言う。

「あ。やっぱりしないのですね。

 良かった・・・タケオさんが普通なら私はワガママをしていたのかと思っていました。」

クリナがホッとする。

「それは違うな。

 王家、貴族共に特権階級だ。

 周辺警護をする者と一緒に外出するのは当然だな。」

「そうね。

 クリナも街に出る際は兵士か執事を最低1名は付けなさいね。

 どんなに近場であってもですよ。」

「はい。

 わかっています。」

クリナが頷く。

「と。昨日はクリナはカリスとヴァイオリンの店を下見してきたと言っていたが今日も見に行くんだな?」

「はい。

 昨日は目星を付ける作業と近くの1か所の確認でしたが、今日はいろんな店を見に行きます。」

「そうか。

 気を付けて行くんだぞ。

 それとアン宛の荷物は今日の夕方に発送しよう。

 クリナは今日の出かける前までに手紙を用意しておいてくれ。」

「あ。それならもう出来ています。

 出かける時に執事に渡しておきます。」

「うむ。

 そうしてくれ。

 あとこの後王都にタケオ達が出立した旨の伝令を送るからな。

 何かあるか?」

「「特にありません。」」

ニールの問いかけにリネットとクリナが考えながら言うのだった。


------------------------

街道を行く武雄一行。

「キタミザト様。」

いつもは後ろ側に付いているテーアが前にやってくる。

「ん?どうしましたか?」

「いえ・・・少し聞きたいのですが・・・」

「はいはい。なんですか?」

「き・・・昨日のスイーツは王都では出るのでしょうか?」

テーアが恐々聞いて来る。

「ん~・・・

 マイヤーさん。王都の兵士は食堂はどうなっているんですかね?」

「そうですね・・・

 王都守備隊は陛下の私兵ですから王城内にも簡易的な事務室はありますし、文官・武官向けの食堂も使えるんですが・・・第八兵舎にいる方が多いんですよね。

 第八兵舎に居ると外に食べに行く者もいますから・・・テーア殿がどの部隊に所属するのかによって違うんですよね。

 それに第1騎士団や第2騎士団だとどうなんでしょうか・・・兵舎が大きいので独自で何かしら規則があるようですね。」

「配属されるまでわからないと・・・んー・・・それにしてもスイーツですよね。

 王城内の食堂では出そうですよね。」

「んん~・・・配属されるまでわからないのですね。」

テーアがガックリとさせる。

「美味しかったですか?」

「はい!あんなに美味しいとは!

 美味しい物を食べられるなら兵役も気持ち的に楽になると思います!」

「ふむふむ。

 マイヤーさんはどう思いますか?」

「確かに美味しい物が食べられるなら毎日の食事が楽しそうになりますよね。」

「なるほど。美味しい物は種別問わずなのですね。

 これは喫茶店というのは良い考えだったのですね。」

武雄が考えながら言う。

「キタミザト様。喫茶店ですか?」

テーアが聞いて来る。

「ええ。

 研究所を構えるという話はしましたが、覚えていますか?」

「はい。

 ですが、研究所内で喫茶店をするのですか?」

「ええ。正確には建物の1階に私達や文官達向けの喫茶店を作るのですけどね。

 一般の方にも利用して貰うように作るんですよ。

 料理人はエルヴィス家からの出向なのですが日替わり定食とかを作ってくれる予定ですね。」

「定食。」

「ええ。

 同じお金で皆同じ物を食べるのですが・・・

 そうか。追加料金を出せばスイーツが提供出来るようにすれば良いのでしょうかね?」

武雄が考える。

「所長。それだと行列が出来てしまうかもしれませんよ。

 私達が食べる物が残っていますかね?」

「うちの昼食の時間を早めたら良いのではないですか?

 その分午後休憩を1回作っても良いですよ。」

「なるほど。そういうやり方もあるのですね。」

マイヤーが頷く。

「部署ごとに別々に休んでも良いでしょうね。

 特に研究職の3人は各々の時間があるでしょうし。試験小隊は逆にキッチリと時間を決めて来そうですよね。」

「それも向こうに行った際に決めないといけませんね。

 ・・・たぶん皆が早くに食べそうではありそうですが。」

マイヤーが苦笑する。

「んー・・・25年勤めたらキタミザト様に雇って貰いましょうか・・・

 そうしたら美味しい物を多く食べられるのでしょうか。」

テーアが本気で悩みながら言うのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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