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第994話 121日目 宿に戻って。(皆の様子。)

武雄達が宿に戻ると受付があるロビーにはアンダーセンが待っており、部屋割りの結果と現状を報告してきた。

皆は各々の部屋に籠っているようで何もなかったので武雄はアンダーセンに「明日の昼まではのんびり寝ていて良い」と皆に伝えさせていた。

そして武雄もパナとの2人部屋でのんびりしている。

「・・・パナ。」

「はい。何でしょうか。」

「いや。

 ビエラとニルデとジルダとアスセナの様子を見に行ってください。

 そこはかとなく不安です。」

「ですよね。

 わかりました。」

とパナが退出していく。

「ミア。

 ゆっくりしましょうか。」

「そうですね。

 ゆっくりと言っても・・・毛布に包まるしかないですね。」

「こうして2人きりになるのも久々ですね。」

「そう言えばそうですね・・・というよりも最初の時以来ではないでしょうか?

 ん?ありましたかね?」

「いつもだれか居ましたものね。

 特に何か気配はないのですね?」

「特には・・・人間が多いのはしょうがないでしょうけどね。

 何かあればパナが扉を壊してでも来ますよ。

 主。私は寝ます。」

「はぁ・・・パナが戻ったら私も寝ますかね。

 まぁ明日は休みですからゆっくりしてください。」

「は~い。

 おぉ♪大きいベッドも久しぶりです♪」

ミアがベッドに向かってダイブするのだった。


------------------------

こちらはベイノン達の部屋。

試験小隊の面々が集まって飲んでいた。

「明日が休みだから飲酒の了解が取れて良かったな。」

「取ったというよりも、所長が出ている時にアンダーセンに決めさせたけどな。」

「帰って来て何か言われれば止めるつもりだったが・・・

 まぁ深酒はしないのは当然か。」

「所長・・・何にも言わなかったんですよね。」

アンダーセンがグラスに口を付けながら言う。

「はぁ・・・アンダーセン。所長はそういう人だ。

 明日に残らなければ何も言わんよ。」

マイヤーもグラスに口を付けながら言う。

「そう言えば所長達は明日は何をすると言っていたんだ?」

「特に何も・・・『明日の昼まで寝ていろ』だけですね。

 他の部屋には伝えていますし・・・皆のんびりでしょうね。」

「普通、昼まで寝ていて良いとは言わないんだけどなぁ。

 ま。信頼されている証なのか?」

「・・・いや。普通に次の日もいつもと変わらない行動をさせると言っているだけなのでは?」

「それはそれで怖いな。」

「だなー。」

・・

「・・・で。バートとフォレットは・・・部屋に行ったんだな?」

マイヤーが目つきを鋭くさせて言う。

「ええ。この飲み会の事も言っていませんね。」

「ふふん♪

 早く所帯を持て。」

「でも・・・まぁなるようになるか。」

「あの2人の魔法師専門学院の成績知っているか?」

「あ~・・・バートは確か3番だったかな?・・・フォレットは5番だったか?」

「フォレット・・・ん~・・・?

 あれは騎士団の時の印象が強いか・・・」

「そうなんだよな。

 騎士団に居る時のフォレットは、こっちに来るとは思わなかったな。

 噂もあったし。」

「噂は所詮噂だろ。だが元々剣技がギリギリだった印象なんだよな。

 第二情報は女性を採用しているのは知っているが・・・あのまま騎士団に居ると思っていたなぁ。」

「まぁ第一、第二情報は情報収集が任務だし、潜入もあるからなぁ。

 男性だけでは成り立たないんでしょう。」

「ですけど・・・王都守備隊の採用試験おかしいですよね?

 あの試験を通るって・・・女性には厳しいでしょうに。」

「・・・試験官をさせる人数がそもそも少ないんだからしょうがないだろう?」

「現役隊員5名と連続組手はどうなんですかね?

 それも全隊員が周りで見るとか・・・」

「組手相手が隊長、副隊長って・・・嫌がらせだよね。」

「しょうがないだろう。

 各隊が採用をしたいか確かめる意味合いがあるんだよ。」

マイヤーが皆を窘める。

「自分の部下としての力量を見るのが狙いですしね。

 それに剣技を受けるというか・・・試験を受ける時点でどの部署が欲しいかは事前に話し合っているんですよね。

 あの会議に初めて参加した時は驚きましたよ。」

アンダーセンも考える。

「へぇ~・・・そうなのか。」

「知らされてなかったな。」

皆が酒を飲みながら聞いている。

「幹部会でな。

 次年度採用候補兵全員の身辺調査をし終わって皆で話し合うんだ。

 試験前と試験後にな。

 今年は大変そうだがな。」

マイヤーが苦笑する。

「まぁ各隊で最低1名・・・あ。第二情報は2名ですか。

 今年は席が空いたのを皆が知っていますから、応募多そうですね。」

「さて・・・各騎士団が手放すかな?」

「確かに。今年はどこも手薄ですね。」

「・・・発端がうちの所長のような気がするんだが。」

「「正解。」」

皆は楽しく飲むのだった。


------------------------

こっちはベルテ一家がドナートとボーナ夫妻の部屋に集まって飲んでいた。

ちなみにこの酒はアンダーセン達からのお裾分け。

「・・・くぅ・・・」

のっけからドナートはベッドで寝ていた。

「あらあら。

 久しぶりのお酒だと酔いが早いわね。」

ボーナがゆっくりと飲みながら寝ているドナートを見る。

「うぅ・・・お酒美味しい。」

「アズパール王国のお酒もなかなかなんですね。」

エンマとフローラがクイッと軽く飲んでいる。

「・・・」

ジッロはそんな家族を見ながらボーっとしている。

「ジッロ。どうするの?」

ボーナがジッロに聞いて来る。

「・・・迷っている。」

「そう。でもあと数日で決めてキタミザト様に報告しないと。」

「私達は平気だし!気にしなくて良いよ!」

「実入りはたぶん少ないからジッロの出稼ぎに期待!」

エンマとフローラが目を煌させて言ってくる。

「はぁ・・・俺の兵士勤めは出稼ぎかよ。」

ジッロが悩むのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

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