第992話 第2皇子一家にご挨拶。6(ちょっとしたお願い。)
「さてと。
タケオ。他にあるか?」
「そうですね・・・
あ。ここからウィリプ連合国までの地図はありますか?」
「あるぞ。
すまんが頼む。」
ニールがそう言うと執事が地図を出してくる。
「・・・マイヤーさん。この辺ですよね。」
「はい。こちらになりますね。」
「・・・ここに?」
武雄が指した場所を皆が見る。
「実はここでこの辺の主と思われる鷲の一団とミアを通じて話したのですが。」
「・・・また奇抜な・・・で?」
「鷲(雌)2体をエルヴィス領に移住させて頂けると現在預かっています。」
「ふむ・・・」
「出来ればで・・・少しだけで良いので討伐を緩めて頂けませんでしょうか。」
「鷲の討伐はそうそうないんだが・・・わかった。
冒険者組合にはそれとなく言っておこう。
だが、領民を襲ったり穀物等に被害が出たら討伐の依頼はされるのは止められないな。」
「そこは当然です。
ですが、今回はオークを2体与えていますので当分は大丈夫かと思います。」
「ふむ。わかった。」
ニールが頷くのだった。
「あと・・・マイヤーさん。何かありましたかね?」
「奴隷に関しての事、楽器に関しての事も終わりました。
言っていない事は特にはありませんね。」
マイヤーが考えながら言う。
「そうか。
楽器店の出店については便宜を図ろう。」
「ありがとうございます。
向こうの商隊が行くような不動産屋では良い所は確保出来ないと思うので、カリスが望む場所を用意出来るような不動産屋にお願いしてください。」
「そうだな。
それはクリナとカリスが決めてくれば良いだろう。
まったくタケオには頭が下がる。食材だけでなく音楽という芸術も持って帰ってくれた。
これで増々この街が発展出来そうだな。
・・・タケオはこのヴァイオリンをどうやって発展させるべきだと思う?」
ニールが楽しそうに言う。
「そうですね・・・
少なくとも楽器の製作工房は増えると思います。
なのでそこにどの程度力を入れるのか・・・でしょうか。」
武雄はそんなニールを見ながら腕を組んで考えながら言う。
「ん?タケオさんはこの地では音楽が発展しないと思うの?」
リネットが聞いて来る。
「いや・・・王家全部に教えますから・・・
どこが一番やる気になるのか・・・力の入れ具合で変わるのではないかと。
もちろん製作においては、ここに置かれる工房が中心だとは思いますが、数年、数十年後はわかりません。」
「「「ん~・・・」」」
武雄の考えに3人も腕を組んで悩む。
「タケオ。どのカリテスが一番曲数を作ると思いますか?」
カリスが微妙に返答に困る質問をしてくる。
「んー・・・どこまで楽天的に考えるかによるかと思いますが・・・
物がすぐに手に入るという条件がある以上普及に関してはカリスを擁する第2皇子一家が中心なのは確かなんですけどね。
王都に居るパイディアーを擁する第3皇子一家が陛下と組んで、さらに1年後にアウクソーを擁する第1皇子一家が王都に入る。
ということは王都でも継続的にカリテスが居ます。
さらに陛下がやる気になって学校でも作ろうものなら資金的に向こうに軍配が上がるでしょうね。」
「なるほど。
向こうは楽団や学校が出来る可能性があるのですか。
ジェシーの所のパンニューキスはどうですか?」
「・・・私の部下が相手してそうなんですよね。
まぁ。こちらについてはたぶん平気だと思います。」
武雄が考えている。
「??さっき言っていたタケオの同郷ですね。
何か問題があるのですか?」
「知識面です。
確かに精霊達は知識はありますが、それを言われて王家の者が理解できるかと言う所が難点です。
ですが、私の部下は楽団の姿をわかっています。
それに例え本職でなかったとしても部活で見聞きしていたので楽器の理解は出来ます。
という事はこの地に出来る楽器屋への指示もしくは自ら作り上げる楽器への完成度・・・
どんな楽器を作れば良いのか。足らない楽器の概要を職人に伝えられると思います。」
「なるほど。」
カリスが頷く。
「タ・・・タケオ。タケオ達が率先して作るというのは止めてくれないかな?」
ニールが汗をかきながら言ってくる。
「私としては部下が作りたいと言えば認める方向です。
ですが、研究の題材が多いのでそれどころではないはずですからね。
当分は作り出せないとも思っています。」
「そ・・・そうか。」
ニールがホッとする。
「確かにタケオさんの下に付くならやる事が沢山ありそうね。」
リネットが頷く。
「・・・なので、王家の方々が楽器作りは先行すると予想はしますが、どうなるかはまだまだ先になります。
と・・・こちらを第1皇子一家にお送りしてください。」
武雄がリュックから新たに2箱取り出す。
「わかった。」
「タケオさん。アウクソー宛に送れば良いのですか?」
クリナが聞いて来る。
「そうですね・・・
精霊宛だと勘繰る者が居るかもしれませんか・・・
クリナ殿下からアン殿下宛で良いのではないですか?」
「わかりました。
私からアン宛に送ります。」
そう言いながらクリナが「添える手紙に何を書こうかな?」と思うのだった。
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