表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1001/3606

第989話 第2皇子一家にご挨拶。3(ニール達とお話合い。)

料理人達と話していていたらニール達が客間にやって来たので料理人達は退出し、武雄とマイヤーは第2皇子一家達とお茶を飲んでマッタリとしていた。


「タケオ。ご苦労だったな。」

「ニール殿下。宿の手配をして頂きありがとうございました。」

「いやいや。

 これまでのタケオの俺らへの援助を見たらこの程度安い物だ。

 本当ならこの屋敷に招きたかったのだが・・・流石にこっちはリネットが居るからな。

 そこは自重した。」

「そうでしたか。

 ですが、あの宿だけでも十分にありがたく思っております。

 なんだかんだ言っても連れて来ている面々も疲れが溜っています。

 その状態をわかりながらも泊まる宿も資金の関係上あまり良い所には泊めてあげられませんでしたから・・・本当にありがたく思います。」

武雄が苦笑する。

「そうか。そう思ってくれて嬉しいぞ。

 で。どうだ?仕事は無事に終わったのか?」

ニールが楽しそうに聞いて来る。

「ははは。それはこれから話しましょう。

 ですが・・・まずはパナ。」

「はい。タケオ。」

パナが武雄の胸ポケットから出て横に人間大になって立つ。

「リネット殿下の調子を見てください。

 それが最優先です。」

「はい。」

パナがリネットの傍に行って対面の椅子に座り問診を始めると、リネットが真面目に答え始めるのだった。

クリナはリネットの横に大人しく座り、パナの問診を真剣に聞いている。


「・・・すまんな。」

ニールがリネットの方を見ながら言う。

「ちゃんと産んで頂かないといけませんからね。」

「リネットはつわりは毎日2回程だな。」

「多いか少ないかは私では判断出来ませんね。」

「あぁ。俺もだ。

 本人は『訓練に比べればマシ』と言って、のほほんとしているがな。」

「母は強し・・・ですか?」

「そうであってほしい。

 先の妃達2名とも病死でな。

 リネットには寿命を全うして欲しい。」

「エイミー殿下がしっかり者になった所以ですか?」

「まぁな。

 ・・・今度はしっかりと・・・子は当然だが妻も元気に過ごさせたい。」

「・・・ケアを毎日するしかないかと・・・」

武雄は伏し目がちに言う。

ここに居ないという事は間に合わなかった・・・普通のケアは1日前の状態に戻すのだ・・・

知らず知らず病魔に侵されていたら発覚してからでは手の出しようがないのだ。

「そうだな。

 ・・・今は魔法師は常駐しているから問題はないと思う。

 気を付けてはいるがな。」

「はい。」

武雄が頷くのだった。


「ウィリプ連合国はどうだった。」

「ウィリプ連合国という括りなら・・・普通の国家ですね。」

「普通か・・・」

「労働力を奴隷に頼っていたり、奴隷の待遇が悪かったりはありますが、国家として見れば行政機関はありますし、治安も悪くはない・・・普通です。」

「ふむ・・・聞き方が悪かったか。

 敵国として見た場合どう思う。」

「労働力は金銭で買うという、生産性は高い制度を取っています。

 それは農業だけでなく、商業や物作りにおいてもです。

 となれば戦闘となる場合、戦闘に特化した者が配備される可能性は十分に考えられます。

 特に本格侵攻をするならば、指揮する者が国中から質の良い者をかき集めても不思議ではないでしょう。」

「・・・質が良いか・・・

 タケオはどのくらいと見る?」

「最悪は全員が騎士団クラスかと。」

「・・・そうか。

 俺らはそんな国家相手に最低でも防衛をしないといけないのか。

 数はどう見る?」

「1万は居てもおかしくないでしょう。」

「そんなにか!?

 購入資金はどこから・・・なるほど。だから奴隷なのか。」

ニールが眉間に皺を寄せながら唸る。

「単純に私達と同じくらいの穀物や物を作れる国力があったとして、かかる費用は4割程度、純粋な粗利や税収は3倍はあると想定すれば不可能ではないかと思います。

 そして騎士団クラスの兵士を惜しみなく前線に投入し、消費すると思います。」

「・・・何とも言えないな。」

「はい。奴隷を物として見る事が出来る者達だから出来る事だと思いますが・・・」

「・・・そうだな。

 兵士が死んでも物が壊れた程度の感傷しかないというのは理解が及ばないが・・・

 事実奴隷というのはそういう物なのだろう。

 軍の士気は高くないもしくは連携は取れなそうだがな。」

「士気が高いか、連携が出来ないかどうかはわかりませんが・・・少なくとも個々の兵士の能力は上回っていると見ます。」

「そうだな。

 逆に楽観視した場合はどうだ?」

「・・・ゴブリンやオークが5000と人間の騎士団が2000程度でしょうか。」

「・・・難しい数だな。」

「具体的な想定はアルダーソン殿が考えるでしょう。」

「期待はするがな。

 タケオのような奇抜な考えが出来るかだな。」

ニールが考える。

「どれだけ奇抜な物を考えるかではなく、皆を説得出来る作戦が出せるかだと思います。

 本人が納得して立てた作戦なら例え周りから奇抜だと言われても問題はないでしょう。

 それと私個人としては奇抜だとは思っていませんよ。

 勝つ為に犠牲を少なくする為に多少長引いても安全策を取っただけです。」

「そうか。

 それはすまなかったな。」

「いえ。逆に皆が奇抜だと思ってくれているのならまだやり方はあるという事でしょう。

 私に取っては良い情報ですね。」

「前向きだな。」

「犠牲者が少なくなるように最善を尽くすだけです。」

「そうだな。

 あとは王都で判断するだろう。

 皆が何を言おうとも、タケオには正直にウィリプ連合国での感想を伝えて貰いたいものだな。」

「元よりそのつもりです。

 あとは王都の局長達が決める事です。」

武雄が頷くのだった。



ここまで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ