プロローグ ~side彗悟~
初めてのライトノベルになります!
まだ雰囲気もつかめないし文とかあんまり変わらないかも知れませんがぜひ読んでいただきたいです!
また些細なことでも構いませんので感想やコメントいただけるとうれしいです!!!!
よろしくお願いします╰(✿´⌣`✿)╯
静かなものすごく静かな昼休みの高校の図書室。冬の空気は冷たく澄み渡っていて、かすかに香る紙の匂いが疲れた脳に染み渡っていった。
「ふぅ~。」
読みかけの本にしおりを挟んで両手を天井の方へと伸ばす。
あと数分で委員会の仕事も終わる。そろそろ帰らなきゃな。
ふと視線を共有テーブルの方へ向けると、いつも通りそこには一人の生徒が座って本を読んでいる。
両堂詩羽。
彼女の名前を知らない生徒はこの学校にいないだろうな。
冷徹女、そのくせ見た目だけは良くて絶対的なこの学校の女王……。
もちろん冷徹女と呼ばれるほどの毒舌さが彼女の周りに人を寄せ付けない。
凛と伸びた背筋と綺麗に伸ばされた漆黒の髪。それとは正反対なほどの真っ白な肌に整った容姿。
この人を美しいと言わずどんな人を美しいというのか僕には基準がわからない。
気がつけば彼女を長く見つめてしまっていた。
「そんなに見つめられると……困るんですけど……。」
静寂を破った彼女の声はまるでアニメにでも出てくるかのよう。ほんの少し顔を赤らめていうから僕にはその状況を理解することが出来なかった。
「……え?いま……なんて?」
下を向いてそのままうつむいてしまった彼女。
あの……、この人全然冷徹女なんかじゃなくないですか?
彼女は立ち上がり僕が座っている図書委員会の席へと近づいてくると、本にかぶせていたブックカバーをとった。
「読み終わったので……返却、……お願いします。」
「……え?あ、はい。」
未だに戸惑いどもってしまった返答。
でも僕の衝撃はそれだけにはとどまらなかった。
彼女が自前であろうそのブックカバーを外した時、当たり前に見えてしまった表紙には……。
水着姿の女の子の肩を抱く男の子……。
タイトルにはいかにもそれっぽい名前がついていた。
これってラノベ……だよな。
まさか?絶対的なこの学校の女王であるこの人が?ラノベを?
頭に?マークがたくさん。
今にも爆発してしまいそうだった。
「あ、……と。その……間違いがなければ……サインを…頂いてもよろしいでしょうか?」
極めつけがこれだ。
誰にもバレないように、いやバレたらきっと恥ずかしさで学校に来れなくなってしまうから、絶対にバレないように細心の注意を払って今まで高校生活を送ってきた。
もちろんだから今まで誰にもバレたことなんかなかったのに……。
正木彗悟、17歳ピッチピチの男子高校生(超人気ラノベ作家)。
人生で最大の危機を迎えているみたいです。