第5章-9話 魔国戦準備完了
魔国側視点
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「準備整いました」
「そうか…さすがに時間が掛かったのぉ」
「はい…常に他の魔国へ外交に行ってる者達が多数おりますので」
「そうじゃのぉ、今後は外交は上級に任せ最上級はなるべく自国の領土内に留めるとするかのぉ」
「はっ」
「新しく任命した元帥を呼んでおくれ」
「はい…」
暫くすると最近宰相が任命した新しい元帥がやってきた
「失礼」
「入っておくれ」
「はっ」
扉から入ってきたのは竜人だ…
全身漆黒に染まった竜鱗の持ち主…
「戦の準備が整ったようじゃの」
「はっ、しかし帰国命令…次に元帥への任命…そして戦せよと…」
「そうじゃ…しかたなかろう」
「魔王様が攫われたとは…門番のケルベロスでは勝てない程の敵ですか?」
「そうじゃ…おそらく魔物では倒せまい…」
「魔物では…ですか?」
「相手は魔物の国と名乗っておるそのまとめ役じゃ…魔物では勝てまいよ…」
「では…この度の戦魔物抜きで行うおつもりですか?集めてしまいましたが?」
「いや…様子見に前哨戦は魔物のみで行う」
「では、使い捨てと…?」
「そうじゃ今度の戦ヒト共との戦とは訳が違う…良くて五分五分じゃ…」
(そこまで…宰相は何をそんなに恐れているんだ…?)
「わかりました」
「お主が魔国に来てもう何年だ?」
「300年程になりますか」
「もうそんなに経ったか、竜人国からは?」
「何の音沙汰もありません」
「そうか…」
「もはや戻った所で仕方ありますまい」
「まぁそうじゃの」
「俺達竜人族は竜の守人俺もその掟だけは破れません」
「そう言っておったな、血の盟約の一つだったのぉ?」
「はい、我々はみな血の盟約により自分の属性の竜を守る役割が刻み込まれております」
「じゃからこそ竜国には誰も入れぬ長く生きておるワシですら入れぬのじゃからのぉ、まぁよい明日魔物の国とやらへ向けて前進じゃ」
「はっ、宰相殿は戦へは?」
「上空部隊の後方から魔法で仕掛けるつもりじゃ」
「わかりました」
上空部隊とは翼のある魔族で構成された部隊である
「では失礼」
「さて…どうなるかのぉ…相手の戦力がまったく分からぬとは…情報なくして戦はならぬ…とはいえ魔王の娘をとられたままではまずい」
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「カナタ起きてるかい?」
「ああ、どうした?」
「魔国が動いたぜ」
「へぇ、良く動いたな」
「ああ!さすがに娘っこ攫られたままなのはやべぇってわけだ」
「まぁそうだろうな、他に情報は?」
「ああ、なんかな元帥ってのが新しく任命されたんだがよ」
「それが?」
「竜人族なんだよ」
「はっ?」
(竜人族が魔国で?)
「どんなのだ?」
「ありゃあ闇属性の竜人だな、追い出されたんだろうよ」
「ああ、そういう事か」
「かなり強そうだぜ?」
「それなら問題ないだろう」
「ん?なんでだ?」
「竜人族は…竜を攻撃出来ない」
「あーなーるほど、ひでぇなぁ」
「そういったってな竜がこれだけ沢山いるのはこっちなんだからそいつもこっちにくりゃいいのにな向こうにいるんだから覚悟はあるだろうっていうか知らないだろうな」
「そりゃ誰もこの国へははいれねぇからな」
「でっ明日か?」
「ああ、例の元砦へ向けて明日の朝進軍するみてぇだぜ」
「わかった」
「じゃあ下級中級上級の死霊全部明日の朝投入してくれ」
「へぇ、まぁいいんじゃねぇか」
「ああ、もう最上級の死霊生み出せるしな、昨日も1000体程生み出して情報集めに行かせた所だ」
「ああ、役にたってるぜ今までは下級や中級じゃ入れねぇ国もあったからな」
「へぇ…面白いな暇になったら行こう」
「ああ」
「それとゴーレム部隊を新しく作るか、今まではただの警護だったしな」
「ほぉ死霊にゴーレム部隊か」
「ああ前哨戦だからなやられる前提でいい部隊じゃないとな」
その後100体の部隊長としてゴーレムを作りその部隊として10000体のゴーレムを作った
ヒト型、竜型、狼型、など様々な形のゴーレムを作り部隊長に命じた100体のゴーレム達に指揮させ先に街建設中の土地の先に陣をとらせた
着く頃には死霊達も着くだろう
そして最上級の死霊を1000体生み出し最上級クラスが攻めてきたらかく乱するように命じた
そして…魔国の中央の湖前の広場…数万の魔物達を集めた
「みんなこれから魔国との戦が始まる…といっても大した敵じゃない最上級が数体いるだけの戦だ暇つぶしに戦に出たいって者だけ明日元砦前に陣をとったから集まってくれ」
そう伝えた後解散した
「カナタ」
「ああ」
「カナタはどうするにゃ?」
「もちろん出るが、俺が最初から出たら一気に終わってしまうからなある程度みんなのストレス解消が終わった後かな俺が仕掛けるのは」
「それがいいにゃみんな上級か最上級に進化してるし」
「そ~だよね~」と上空からハルピュイ
「わらわも出てよいのか?」ラミア族
「もちろんだ、みんな好きに敵を蹴散らしていいぞ、前哨戦が終わったらな」
「なんでだ?」と鬼ヒト
「前哨戦は魔物投入してくるだろうからな」
「ああ…だろうなじゃあ?」
「ああ一斉に契約を解除して魔法で眠らせて他の場所に移動させる」
「なるほどのぉ」
「その後魔族達が攻めてくるだろうから後は好きに暴れてくれ」
「ふふふっ、面白そうじゃのぉ」
「まぁやっと攻めてきてくれたからな、じゃ俺は島に行ってくる」
「あい、わかった」
そして魔物国島
「って訳だ姫さん」
「そう…魔国とついに争うの…」
「いやか?」
「いぇ幼少からずっと記憶がないもの何の思い入れもないわ」
と一応現在魔王の姫さん
「なぁドラクール」
「どうした?」
「元帥に竜人が任命されたんだけど知ってるやつか?」
「竜人…確かにおるただの一将軍で他国へ行っておったが」
「へぇ、どういう性格だ?」
「そうだね…闇属性の竜人で生真面目?かな?」
「疑問系なのか?」
「そう対して面識ないからね」
「そうか~良いやつだったら仲間にしたいな鬼ヒト族はいるが竜人族はいないからな」
「そりゃそうよ、竜人族は基本的に里を出られないんだから」
「みたいだな、まぁいつか行くけどね」
「やめときなさいよ」
「巨人国に行った後だな」
「そっちもやめなさいって…」
「前行ったんだけどな」
「なに…?」
「ああ、巨人国の巨人の神と念話で話したよ」
「巨人の神の守人たる巨人に会わなくて良かったわね」
「まぁ神さんが敵意がないってわかってくれたんだろうな」
「良かったわね」
「まぁありゃあ巨人族の守り神だな」
「だから行っちゃだめなのよ」
「はいはい」
そしてメリュさんの館
「という訳です、万が一にも入られませんので」
「そうなの~?戦なんて久しぶりに起きたわねぇ」
「えぇ、この近辺の国で戦はこの100年なかったんですよね?」
「そうね~、魔王ちゃんがまだ若かった頃が最後の戦だったわねぇ」
「現在の魔王の祖父ですか」
「ええ~魔王ちゃんのお孫さんはこっちにいるのよねぇ?」
「そうですね、島でゆっくりしてもらっています」
「それがいいわねぇ、戦が終わったら今度連れてらっしゃい」
「ええ、そうします」
その後…メルビルの町討伐ギルドマスターの部屋
「おう、またきやがったな…また姿変わりやがって…」
「はははっ、もう慣れましたね」
「はぁ~、そりゃあな!でっ今度はなんだ?」
「えぇ知ってるかもしれませんが明日魔国と戦になりますので」
「………急だな…もう少し先になると思ったが…」
「ええ、挑発しまくりましたからね、最後は魔王の娘の事ばらしちゃおうかなって死霊におどさせてようやくですよ」
「…ん?魔王の娘?」
「ええ現在の魔王の娘さんの事でね」
「ばらすって…どういう事だ?」
魔王に関しての今までの事を話した
「まじか…じゃあ宰相がすべて取り仕切ってんのか…代替わりしたから戦しなくなったと思ってたが…」
「ええ、上級魔族以上はみんな知ってるみたいですけどね」
「そりゃあ…なんともいえねぇな…まぁしなねぇようにな」
「大した戦じゃありませんからね、竜国や巨人国に比べたら」
「そりゃあ比べられるもんじゃねぇだろう」
「まぁそうですね、戦が終わったらまた来ますよじゃ」
そういって自国に戻り準備を進めた
こっちの陣形?はっはっは! ない!!
数万の種族の違う魔物の国に陣形などない!はっはっは!
「キュウお前はどうする?」
「ん~?カナタの傍にいるよ」
「わかった、前には出るなよ?」
「うん」
キュウを可愛がりながら準備を進めていく
明日は…やっと魔国潰しだ
Zzzzz




