第5章-7話 最古の狼族
宰相視点
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宰相執務室
「なんじゃ…一体今忙しいんじゃが…」
忙しそうに書類整理してる宰相の下に兵が…
「たった今別宅が…」
「別宅がどうかしたのか?」
「中に浮いたと思ったら消えました…」
「……ん?消えたと聞こえたが…」
「はい…」
「もうよい下がれ」
「は…はっ!」
兵が執務室を出てゆく
ぱん!っと宰相が手を鳴らす
「いるな?」
「はい…」
宰相の影の仕事をする者を呼んだ
「今の会話聞いていたな?実際はどうなんじゃ?」
「確かに…中に浮いて消えたように見えましたが…実際には何かに押しつぶされたように見えたそうです」
「ふむ…やはり魔物の王とやらのしわざかの?」
「おそらくは…」
「なるほどの…先日新たに送った死霊達は?」
「近づいた瞬間消滅させられました」
「そうか…よほど強い死霊がいると見える…」
「はぃ…」
「しかし魔物の王もやる事が派手になってきたの…このままいけばいずれ…戦争か?」
「いぇ…」
「ん?言ってみよ」
「戦争にすらならないかと…」
「ほぉ…各国を見て回っているお前さんから見てそんなにか?」
「はい…」
「それは最上級の魔族がすべて揃った上ではどうじゃ?」
「すべての最上級の魔族などが揃った上でようやくまともにやりあえるかと…」
「そうか…戦争になった場合はどうじゃ?」
宰相は基本戦にはでない最上級の魔族ではあるが…
大体謀略ばかり繰り返していたせいかかなり鈍っている
とはいえ魔法の腕はそうとうなものだ…
「こればかりはわかりません、魔物の国に誰も入れませんゆえ…」
「そうじゃな…幾ら死霊を送ってもちかづけやせん…どうしたもんかのぉ…誰も遅れないんじゃなんも出来んのぉ…かといって魔物を送った所で…の魔物に関しては向こうが上手じゃろうしの」
「かと存じます…」
「んむ…とりあえず死霊を継続して送り込むんじゃ」
「はっ」
影が消える
「しかしどうしたもんかのぉ…最上級の手の者は集まりつつあるが…魔王の孫はきゃつの手におち…ドラクールのやつも恐らく向こうにつくじゃろう…まいったのぉ…」
宰相は悩むになやんでいた…
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一方別宅を潰してからカナタは魔物国と魔国の中間の砦上空にいた
「さて…」
砦に配属されている魔物達をすべて解放し魔国以外の魔物の集落に送った、そしてまともな魔族は精神魔法で今日の記憶を消し魔国に戻らせた、あほなのはそのまま消した
砦をまるまる手に入れたのでとりあえずゴーレムを50体と死霊を100体その場で生み出し作り配置した
そしてドワーフの国にやってきた
ドワーフの国の建設ギルドに用だ
「派遣を頼みたいんだが」
建設ギルド受付だ
「派遣依頼ですね、派遣場所はどの国になりますか?」
「魔物国と魔国の中間地点辺りなんだが」
「その場所は…砦がある辺りですね…少し御待ちを…」
しばらくすると背は低いがガタイの良いひげもじゃのおっちゃんが来た
「あんちゃんが依頼主だな、砦に派遣依頼だって?」
「ええ、ムリですか?」
「魔物の国が出来たってのは聞いてるがおまえさんが派遣依頼してんのは砦なんだな?」
「ええ、魔国から奪ったんですけどね、余りにも出来が悪いので」
「ふむ…」
別段魔法で作る事は出来るんだけどシンプルな作りしか出来ないのだ
「でっ欲しいのは砦か?」
「んー小さい町…かな?」
「ほぅ…町か」
「ええ、真ん中に噴水町並みも綺麗に揃えて作って欲しいんです」
「ほぉ…戦争の為じゃねぇのか?」
「魔国程度なんでもありませんからね、欲しいのは魔国を潰した後に残った、まともな魔族が住む為の町なんですよ」
「言うじゃねぇか…でっもし買ったとして今の魔国の首都はどうすんだ?」
「首都はいわば国の象徴ですからね、国を潰すには手っ取り早く首都そのものを消滅させようかと、その後その場所に新たに町を作ればいいだけですしね」
「つーことは結構な数の家が必要か」
「ええ、ただ下地は俺がやっておきます」
「下地?」
「ええ、更地にし押し固めてとりあえず町予定地の周辺は土を盛り上げて外壁を作っておきます」
「ほぉ…よほど強い土魔法が使えると見える…まぁいいだろう砦ってなりゃ断るが建設予定は町ってことならな」
「ええ、シンプルな砦なら魔法で作れますからね」
「ほぉ」
「それと、それが終わったらうちのダークエルフの里とハーフの村もお願いしますよ、今は元の村から移動した古い家ばかりですから」
「ほぉ相当な数になるなこりゃ…だがそんなに払えるのか?」
「一応国の長ですからね足りなければ代金の代わりに廃坑になってる場所にいる例の魔物を取り除くって手もありますよ」
「なに!?あの化け物をなんとかできるのか!」
「ええ、あれも魔物ですからねうちの国に引っ越してもらうつもりです」
「それができりゃあ…鉱山が一つ復活する事になる…殆ど掘れてねぇからなあの鉱山は!成功したら代金なんざいらねぇ!よし!きた…ん…だがどうやって行くんだ…かなり遠いが…」
「ああ、では空間魔法の使える者を遣しましょう」
「ほぉ…それは助かるな!」
俺は一度ダンジョンに行き空間魔法を持ってる魔物を倒しゴーレムを作り空間魔法を譲渡した
ついでに近い階層の魔物からそれぞれ能力を譲渡し建設ギルドに連れていき説明して残した
それから俺は砦上空に来て砦を含めて周辺を更地にし押し固め町予定地の周囲を囲むように壁を作った
そして…
例の最上級の鉱山で寝ている魔物の廃坑前までやってきた
以前塞いだ廃坑だ
俺は土魔法で塞いだ廃坑を通れるようにあけ中に入っていった
暫く進むとやつがいた…
巨大な何色って言えばいいか分からない狼だ…
【またお前か…随分気配が違うが…今度は何のようだ…】
【ええ、最上級になったので迎えに来ましたよ】
【迎え…?そういえばそんな事を言っていたな】
【何の意味があってここにずっと引きこもってるのか知りませんがうちの魔物の国に引っ越してもらおうと思いまして】
【ばかな…魔物が集まって国でも興したというのか?】
【集まってではなく集めたですね】
【集めた…国というからには相当な数だろう、それを一人で集めたと?】
【ええ、殆どが上級で構成されていますよ】
【ばかな…数万年…一度たりとも無かった…】
超鑑定
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フェンリル
亜種最上級 狼種
Lv76
ステータス割愛
スキル
生命力強化Lv10 魔素吸引Lv6 怪力Lv10 敏俊Lv4
威圧Lv10 咆哮Lv10 夜視
火魔法Lv10 土魔法Lv10
全状態異常耐性Lv10
狼種族の管理者の加護
固有能力
噛付噛砕飲込
再生 不老
超感覚 念話
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さすがに強いな
しかし狼種族の管理者の加護か!へぇ…そんな管理者いるんだ
って事は各種族ごとに管理者いるのか…?
今度どっかの管理者と会ったら聞いてみよう
【超感覚を持ってるなら俺がわかるだろう?】
超感覚はあらゆる感覚が鋭くなり様々な事がわかるようになる
【……ん…半精霊だと…?お前は前来た時魔族とエルフのハーフだったはずだ…進化して半精霊になっただと…?】
【ああ、運よくな】
(…馬鹿な…数万年一度たりともそんな兆候はなかった…この世界に異変が起きようとしているのか…もしくは…何にしても監視する必要がある…管理者側は一体何を考えているんだ…)
【いいだろう…お前を監視させてもらう】
監視?直球できたな
【それでいいよ、だけど俺のテイムなどは受けてもらうよ】
【テイム…俺が誰かにテイムされようとはな…】
【まぁそりゃお前をテイムしようとすれば最上級でテイムLv10が最低条件だからなしかもしばらくお前を抑えられる実力が必要だ】
【仕方あるまい…】
【ああ、うちにはあらゆる環境を作ってあるんだけどやっぱり洞窟がいいのか?それとも森とか?】
【…住処か…俺はでかいが入れるような洞窟があるのか?】
【俺の国は四方を俺が土魔法で作った防壁代わりの山があるんだそこをまた魔法で必要な大きさの洞窟を作ればいいだけだ】
【国の四方を…馬鹿げた魔素量だな、それでいい】
【安心してくれフェンと呼ぶが、フェンくらいの大きさの魔物は幾つかいるからな土竜なんてお前と同じくらいじゃないかな】
【ほぉ…そいつの次の進化が楽しみだな…】
【ああ、みんなもうすぐ最上級だからな】
そういいフェンに近づき触れてテイムを発動した!
【しかし本当に来るとはな…】
【なぁ】
【なんだ?】
【フェンに狼種の管理者って鑑定で見えるんだけど】
【…ずいぶん高い鑑定Lvだな…そうだ今現在俺が一番古株だからな】
【へぇ、うちにも最上級の狼種の魔物がいるけど加護はなかったもんな】
【何…最上級の同族だと?】
【ああ魔国で勧誘したんだ最上級になって間もないようだがな三つ首の立派な狼だ】
【ほぉ…たまには外と繋がってみるものだな…ある程度は同族の事はここからでもわかるが…そうか…この付近の魔族の国か…】
【ああ、もうすぐ終わる国さその前にすべての魔物を魔国から勧誘してるのさ】
【お前は魔物ばかりだな魔族は勧誘せんのか?】
【んー…魔物とのハーフなら勧誘するんだけどな】
おっテイムが終わった
【続いて眷属化するぞ】
【構わんが…眷属…?】
続いて眷属化をする
やはり存在力が大きい程時間が掛かるようだ
もちろん相手の心も影響するようだが
【ああ】
眷属化の説明をする
【新たな能力か…】
(……管理者の仕事はおざなりか…?何をしている…)
【各種族の一番古株がその種の加護を受けるのか?】
【そうだ、そして加護を与える事も出来る】
へぇ……ああ!だからエントのじいちゃんは加護くれたのか
なるほどねぇあのエントのじいちゃん一番古株だったのか
【なるほどね、加護は幾つか持ってるけどエントから貰ってるからそういう事だったんだな】
【エントから加護か…いや…半精霊なら頷ける】
まぁ半精霊になる前にもらったんだけど…
続いて眷属化が終わった
【これが眷属化か…なるほど確かに繋がりを感じる】
【監視しやすくていいだろう】
【まぁな…さぁどう移動する身動きすれば崩れるぞ】
【ああ、そのままでいい】
空間移動でフェンごと魔物国東の防壁山の上に移動した
【ほぉ…空間魔法もかなりのものだ…ゲートも作らずに移動とはな…】
【ああ、この山だが…少し狭いか…】
俺は東防壁山に住んでいる魔物達に集まってもらいみんな一度風魔法で空に浮かんでもらった
「じゃあそのまま浮かんでいてくれ」
「はいよっ主様」
みんなでかい魔物にはもうなれっこでびっくりしたのは最初だけだ
フェンは俺が浮かべている
【どうするのだ?】
【少し東防壁山が小さいからな東に広げる】
俺は様々な魔法を駆使し防壁山を東に広げ高くし押し固めた
そしてみんな降りて貰った後俺とフェンは魔国側の山の地上に降り立った
【ほぉ…】
【ここに穴を開けるか】
そして魔法でフェンが普通に出入りして動けるくらいの穴を掘り真ん中は円になるように広くした
【こんなものだな】
【ああ、十分な広さだ】
【もしかして狼族って洞窟の方がいいのか?】
【すべてがそうではないがな】
そうか…
防壁山のあちこちにちょいちょい洞窟風住処を作っていった
これだけあれば十分か足りなければ北、南、西にも作ればいいな
それから暫くフェンと会話した後オルやケルを連れてきた
【ほぉ…お前達が魔族の国から来た同族か】
さすがにオルトロスやケルベロスは緊張してる
【は…初めてお目に…】
【……】
【よい、頭を上げろ】
【はい…まさか出てこられるとは…】
【だよな兄貴……いやですね】
俺は狼達同士何か会話あるだろうと思い俺は単独砦へ戻った
そこには沢山のドワーフ達が建設準備をしていた
「ああ、親方もう準備してるのか」
「おう…ほんとに更地になってるじゃねぇか」
「ええ、あーそれと廃坑の方は終わりましたよ」
「何?どうなった!」
「ええ、説得してうちの国に移住して貰いました」
「ふぅーーー…これで復活か…おい!」
「へぃ親方!」
「一度戻って廃校の調査隊を組んで調査してこい!」
「へ…へぃ!」
「よし!みんな気合入れていけ!」
「「「「へぃ!親方!」」」」
「元気がいいですね、ここの守りはゴーレムと死霊達がいますから」
「おう!あのゴーレムのおかげで材料の移動が楽でいいぜ!」
「ええ、何かあったらゴーレムに言ってくれれば俺に通じますから」
「わかった!後は任せておけ!」
「ええ、ではお任せします」
さぁ…これから大変だ魔国を国として滅ぼす前に住処用意しないといけないからなそれまでは攻めてきても抑えないとな




