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第20話 不名誉の行方

もはや短いのは仕様です。と開き直ってみる!



 あの女性四人組パーティーに遭遇してから二日後。護は地上に帰ってきていた。


 街の中央にある広場の、石造りの建物を覚えているだろうか。

 分かっていたかもしれないが、そこにファスターのダンジョンの入り口がある。石造りの建物は実力の伴わない者を篩にかける検問所になっている。


 検問所を出てすぐ脇にある冒険者ギルドで、護はいつものようにラーニャのところで依頼の報告をしようとする。


「おかえり。覗き魔術師さん」


「ええっ!?」


 いきなりラーニャは笑顔でとんでもない事を言ってくれた。


「くすくす、冗談よ。シルバー+ランクパーティー[迷宮の薔薇]の人達がマモル君の事を聞きに来てね、まず話を聞かせてもらったの。マモル君だけに非があるわけじゃないけど、レーナちゃん……あ、盾持ってる子ね? ――は、すごく怒ってたみたいだったよ」


 ラーニャと[迷宮の薔薇]は既知の間柄であるようで、どうやら冗談だったらしい。


「あぁ……、なるほど」


「……で、マモル君。見たの?見てないの?」


「あ、え!? あの、そのえっと……」


「ふーん……、見たんだ?」


「わ、わざとじゃないんです! それに大事なところは見てませんから!」


「……もう。それでも女の子の肌を無遠慮に見るのは駄目よ。ちゃんと謝ったの?」


「いえ、その……中々タイミングが無くて……すみません、まだです」


 なんとか言い訳しようとする護だったが、ジトッとした目に負けてあっさり白状する。


「はぁ……。次に会った時はちゃんと謝るんだよ? 彼女達も今街に帰ってきてるから、明日にでもギルドに来れば多分会えるんじゃないかな」


 もちろん謝るつもりはあるが、明日は宿に引きこもってようかなあ……。などと考える護であった。




「そういえばマモル君、地下十階前後で特殊型の希少個体が出たらしいけど、逢わなかった?」


 依頼の報告を終え、人の少ない時間帯というのもあって、話を振るラーニャ。


「特殊型……ですか? それらしいものとは逢ってないですけど……あ、そういえば地下十三階で蟻型のモンスターがすごい数群れてましたけど、それだったりしますかね?」


「んー、それってどのくらいの群れだったの?」


「えっと、少なくとも八十体くらいはいたと思います」


「八十!? マモル君、よく無事だったねっ?」


「あはは……全力で逃げましたから。俺もあれには冷やりとしました」


「そっかー……単に偶然小規模の群れが集まってたって可能性もあるけど、もしかしたら特殊型を中心にして集まってたのかもね。……またしばらくしたらダンジョンに潜るんでしょ? それまでに討伐されてたらいいんだけど、もしそうじゃないなら潜るかどうかは考え直した方がいいと思うよ?」


「そうですね……。その時は考えてみます」



 話を終え、ギルドを出ようとした護は、入り口で忘れておきたかった事情に遭遇する。


「あら、君は……マモル君だったかな? 先日ぶりね」


 [迷宮の薔薇]のリーダー、イーシャである。

 ダンジョンでは薄暗く、状況もあってじっくり見る余裕も無かったが、やや青みがかった黒髪を首の後ろで結び、護と同程度の身長。パーティーを率いるリーダーの雰囲気を滲ませる女性だ。


 唐突な遭遇に護は返事も返せずに硬直する。


「ああ、そんな警戒しなくてもいいんだよ。ここは地上だし、今は私一人だからね」


「……あ。いえ、すみません。大丈夫です」


「ふふ。あ、そうだ、この間はごめんね? 悪いけど戻ってきてギルドに確認するまで、君がどういう人か確証が無かったから」


 本来ダンジョンだと当然ではあるのだが、護の言う事を信用しない素振りを見せた事を気にしていたようだ。


「いえ、……その、こちらこそすみませんでした、結果的に覗きみたいな事になってしまって……」


「それならレーナに次会った時言ってあげて。今回の事気にしてるのあの子だけだからさ」


「あ、はい。そうします。……本当にすみませんでした」


「はは。あ、私これからギルドに用があるから。それじゃあまたね」


 手酷く責められてしまうのではないかと緊張していた護だったが、ようやくほっと息をつく。どうやら盾の女性以外はさほど気にしていないらしいと知って、少しの安堵と重い不安を抱えて、帰路に就く護であった。




破滅エンド回避!後は覗かレーナちゃんに謝るだけです。

というかレーナちゃん登場でやたら反響あって驚きました。


そういえばいつの間にか累計ユニーク13万人とか評価1万とか達成してました!(どやっ

累計PVも明日には100万に届きそうですし、野心草はもうウザいテンションになっております。これも皆様のせいです、本当にありがとうございました。

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