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幕間 メモ帳日記

次話の導入部分が思いつかず、ちょっと予定変更して変わったお話。お話?



 ○月×日(初依頼の日)

 魔術の練習もかねて草原に採取依頼に行ったら獣に襲われて死に掛けた。

 なんとか勝ったけどぼろぼろの姿を見たゲートルさんと受付嬢の子に怒られた。

 地球の仕事場で怒られても内心なんとも思ってなかったけど、彼らは心から俺の身を案じて言ってくれてるのが分かって、胸が熱くなった。


 ただ、受付嬢の子(ラーニャちゃんといって今の俺の体より少し年上らしい)の剣幕はちょっと怖かった。今後は怒らせないようにしたい。


『よしよし、怖かったね、もう無茶しちゃだめだよ!』


 ○月△日(初依頼の翌日)

 昨日色々試してスキルを取得しただけじゃいざという時に役に立たないことが分かった。日中は街中の依頼を受けて、余った時間には宿のおかみさんに頼んで裏庭で型の練習をさせてもらうことにした。今日からはひたすら反復練習だ。


 あと、アマテラス様、勝手に人の日記覗いて返事書かないで下さい。


『だが断る! ←これ一度言ってみたかったんだ♪あはは』


 ○月□日(更に翌日)

 筋肉痛がやばい。(字が震えている)


 笑ってごまかさないで……いえ、もうなんでもいいです。


『(* ̄m ̄)プークスクス』


 ○月○日(更に翌日)

 練習に魔力操作も組み込むことにした。

 [魔力吸収効率増加]で魔力を増やし、[肉体活性化]の効果をより高めることで、戦闘に使う筋肉が効率的に身につくようになると思われる。


『ふぁいとだよ、護君! でもマッチョはあんまり好きじゃないからやめてね』



 ×月×日

 筋肉がついてきてる気がする、最近はあんまり筋肉痛にならない。

 型をスムーズにやれるようになってきたし、気配も無意識に把握してることが多くなってきたし、周囲の空間もなんとなく分かるようになった。

 これでもういつ森狼に襲われても大丈夫だろうか。


 もう若くないんだから無理しないでください。


『ヽ(`Д´#)ノ ムキー!! 乙女になんたる言い草! 僕に年齢なんてないんだからいいんだよ!』



 △月×日

 草原採取の帰りにまた森狼に襲われた。とっさに出たのは何故か足だった。

 前回剣が役に立たなかったのが尾を引いてるのだろうか。

 それはともかく、森狼は当たり所が悪かったのか首の骨が折れて絶命していた。前ほどじゃないけどグロい。

 また震えてまともに戦えないなんてことにならなかったのは、ゲートルさんのおかげだろう。草原に出ようとする度に身をすくませる俺を見かねて時々稽古をつけてくれた。

 本当にあの人にはお世話になりっぱなしだ。


 依頼の完了をギルドに報告したら、血の臭いがすると言ってラーニャさんに問い詰められた。原因は森狼を解体したせいだろう、蹴り殺したと言ったら何か言いたげな目で腰の小剣を見ていた。俺にとってもあれは想定外だったんです。


『良い人たちにめぐり合えてよかったね。後はもっとちゃんと会話できるようになろうね』


 △月△日

 昨日のことがきっかけでブロンズ+ランクになれた。

 アイアンランクの依頼も受けられるそうなので、森の採取依頼を受けた。

 ラーニャさんから群れに注意するように言われて、警戒してたし気配も捉えてたのに見つかって追われた。どうやら風上だったらしい。


 俺としても仲良くなれるようになりたいです。


『うんうん、そうだよね。ラーニャちゃんかわいいもんね~!』



 □月○日

 こっちに来てから九ヶ月、最近は狩りもするようになって魔力の影響かやたら背が伸びた。ラーニャちゃんはちっとも大きくならなくて、時々恨めしげに睨んでくる。


 それからとうとうアイアンランクになった。シルバーランクからはダンジョンに入る許可が出るらしい。基本的にパーティーで行くのが常識らしいけど、器用貧乏な俺がパーティーに入れてもらえるだろうか。不安だ。


『何かメインで使うものを決めて鍛えてみたらどうかな?』


 □月×日(数日後)

 アマテラス様に言われたからというのもあるけど、回避に特化した戦闘スタイルに決めた。無傷で敵を倒すってなんとなくロマンを感じるよね。

 ひとまず身のこなし系のスキルを一部方向性が違いそうなものを省いて一通りLv6まで取得してみた。

 本来使う武器が違うせいか、動きが中々噛み合わない、失敗だっただろうか。


 ……よく考えたら回避特化ってパーティーに必要とされない気がした。気のせいだと思いたい。


『無傷っていうなら、パーティーの盾になれる防御特化って道もあったんじゃないかな……?』



 ○月×日

 身のこなしつながりで期待半分に舞踏スキルを取ってみた。今までの苦労がなんだったのかというくらい次にする動きが分かってつながる。大成功のようだ。


 後、最近狩りしてて気付いたんだけど、ポイントが全然増えてない。

 アマテラス様が送ってくれたポイント、一歩リードってレベルじゃないんですけど。


(返事がない、アマテラスは日記を読まなかったようだ)



 △月○日

 今日、ようやくシルバーランクになった!

 いよいよ明日からパーティーを探してダンジョンに突入だ!


『おめでとう護君! 初探索、頑張ってね!』


 △月×日

 意気揚々と入れてくれるパーティーを探したけれど、回避特化なんて求めてるところはなかった。

 Lv3程度の魔術でも入れてくれそうなパーティーはあったけど、中々声をかけられない。なんとか勇気を出して影魔術師を募集してる人に声をかけた。


 その人は俺の冒険者になってからの期間を知ってたらしくて、ポイントを全部影魔術につぎこんだ馬鹿だと思われて罵られた。

 他の魔術も大抵使えるし、武具戦闘だってこなせるけど、声に出せない。


 今日は一日不貞寝した。やばい、泣きたい。


『あはは……。よしよし、泣かない泣かない。

 きっとそのうち君を入れてくれるパーティーも見つかるよ』


 △月△日

 アマテラス様や懸命に止めてくれたラーニャちゃんには悪いけど、やけになってダンジョンに一人で突入した。今では反省している。


 進んだのはまだ地下一階だけだけど全然問題なかった。

 にやけ顔でギルドへ報告に戻ったのが悪かったのか、顔を見たラーニャちゃんの対応がすごく冷たかった。嫌われたかもしれない、どうしよう。


『自業自得です。ちゃんと心配かけた事ラーニャちゃんに謝りなさい』


 △月□日

 ちゃんと謝ったら許してくれた。

 昨日しょぼくれて宿に帰る俺を見て大体怒りが晴れてたらしい。


 アマテラス様もごめんなさい、それとありがとう。


『うん、許してあげる! どういたしまして!』



 ×月○日

 こっちにきてから二年、時々パーティーに誘ってくれる人もいたけど、影魔術の一件からなんとなく気が進まない。ここ最近はずっとソロだ。


 異常なポイントでおかしなスキル構成なのもばれたらまずい気もするし、俺はもうパーティーに入れないんだろうか。誰か違うと言ってほしい。


(返事がない、アマテラスは日記を読まなかったようだ)





「って、そんな都合のいいタイミングがあるかああああああああ!!」




何故か幕間の方が文字数多くなる不思議。


日付が飛んでアマテラスに変な事言ってる日がありますが、

内容はご想像にお任せします。

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