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第8話 ギルドカード



 デフォルト時のギルドカードには、ギルドへの登録時に用紙に記入した所有者の名前、年齢、ギルドランク、出身地、現在住んでいる場所、あるいは泊まっている宿等が表示されている。


 所有者が変更の意志を持ってそこに触れると、メニューが表示される。

 各種数値、スキル、パーティー、フレンド、依頼...etc


 スキルの項目に猛烈に目を惹かれるが、ひとまず各種数値から確認する。


 魔力      100/100

 ネガ・ポイント 20460

 ハイ・ポイント 1050


(今の最大魔力量は空気と同じって話だから、これはかなり低いのか……。アマテラス様が言ってた例のサプライズだけど、……このポイント量で一歩リードレベルなのか?)


 勿論そんなわけがない。


 一般の冒険者が一年を通してそれなりに多く依頼をこなしたとして、ダンジョン外だと80、ダンジョン内ならば100のネガ・ポイントが得られる、といったところであろうか。ちなみにこれはソロだった場合の話だ。


 ハイ・ポイントにいたっては、冒険者が一年の間に運良く陽性の魂の欠片を多く集められたとしても、5溜まればいい方である。

 ただし、ギルドでも説明されたとおり、ダンジョン内では陽性の欠片は得られない。


 それと、イーセン王国には教会があり、そこに聖書と呼ばれる分厚い書物がある。

 これには、


『この世に生を受けた事を神に感謝します。

 私を生んでくれた母が生を受けた事を神に感謝します。

 私を母に授けてくれた父が生を受けた事を神に感謝します。

 ~だったことを神に感謝します。~が~で神に感謝します。

 朝の空気がおいしかった事を神に感謝します。

 お通じが良かった事を神に感謝します。

 ~で~だから神に感謝します。~に~は~となり神に感謝します』


 などと延々書かれており、これを徳の高い聖職者が毎日十二時間かけて読み、祈りを捧げ、それを一年欠かさず続けてようやくハイ・ポイントが10溜まるくらいだ。


 基本的に魂の欠片、想いの力はギルドカードに吸収される際に多くのロスが出ているのだが、アマテラスが直接ギルドカードに突っ込んだせいでかなりおかしな数値となっている。



(これだけあれば、ひとまず駆け出しに必要なスキルは取れそうかな?)


 その異常さを認識せず、護は他の項目も確認し始める。スキルは最後。好物は最後に取っておくタイプなのだ。


([パーティー]に[フレンド]とか、使う機会が来る気がしなさすぎて、逆に笑えてくる。……ははは)


 一通り確認したところで、ようやくスキルの確認に移った。


(うへ、細かっ!?)


 初めこそ戦闘技能、生産技能、生活技能の三項目だが、戦闘技能のリストを開いたところで、その数に驚嘆する。しかもやけに分類が細かい。


▼戦闘技能

▽武具戦闘術

 身のこなし:短剣術         武具の扱い:短剣

 身のこなし:小剣術         武具の扱い:小剣

 身のこなし:長剣術         武具の扱い:長剣

 身のこなし:双剣術         武具の扱い:双剣

 身のこなし:大剣術         武具の扱い:大剣

 ・

 ・

 ・

 身のこなし:戦斧術         武具の扱い:戦斧

 身のこなし:槍斧術         武具の扱い:槍斧

 ・

 ・

 身のこなし:鏈術           武具の扱い:鏈

 身のこなし:投擲術         武具の扱い:投擲物

 ・

 身のこなし:弓術           武具の扱い:弓

 身のこなし:砲術           武具の扱い:筒

 身のこなし:盾術           武具の扱い:盾

 身のこなし:格闘術         武具の扱い:肉体

 身のこなし:甲冑格闘術       武具の扱い:甲冑

 身のこなし:騎乗戦闘術...etc


(何でわざわざ身のこなしと武具の扱いが分かれてるんだ……! 小分けにしてポイント搾り取る気か!? でも消費ポイントはそれほど多くない……。案外スキルの大量取得が基本なのかな?)


 [身のこなし:短剣術]を例に出すと、


 ネガ・ポイント

 Lv1 10

 Lv2 30

 Lv3 60

 Lv4 100

 Lv5 150

 Lv6 200


 ハイ・ポイント

 Lv7 50

 Lv8 150

(Lv9 250)

(Lv10 450)


 となっている。全てのスキルがこれと同等というわけではない。

 護の所持ポイントならLv9以上すら取得できるようだが、今は全て空欄となっている。


(とりあえず様子見で色々Lv3まで取ってみるかな)


 短剣、小剣、盾、格闘の関連スキル、気配察知に空間把握等、メインウェポンを決めたわけでもないので、低め(のつもり)に取っていく。

 ちなみにスキルLv3は大体シルバー相当で、一般的な駆け出しはスキルLv1のものをもっと厳選して、ポイントが溜まり次第こつこつと揃えていくのが普通である。


 次に魔術。

 まず必要そうな[魔力操作:魔力認識]、[魔力感知]、[魔力放出]、[体力回復速度増加]、[魔力吸収効率増加]、[肉体活性化]等、片っ端から取っていく。

 [魔力操作:存在変質]というスキルもあったが、他に比べて必要ポイントがかなり多く、その物騒なスキル名に尻込みして取得は見合わせた。


(おお、これが魔力か……! 熱とは違う何かが、全身を満たしてるのがなんとなく分かる……!)


 ちなみに魔力認識はLv1でMAX。同年代の子供であればスキルを取得する必要も無く魔力の存在を把握している。


 そして念願の魔術スキルの取得だ。[攻撃魔術:火]、[爆発]、[水]、[凍結]、[風]、[放電]、[土]、[岩石]。

 [支援魔術:回復]、[付与]、[結界]、[阻害]、[補助]、[光]、[影]。これらもひとまずはLv3まで片っ端から取っていった。


 実際は魔術はイメージ次第なので属性は存在しないが、具体的にこういったイメージでこんな魔術が発動しますよ。

と、例に出せば[ファイアボール]、[ファイアランス]といった感じで、名前のついた魔術が各属性の各Lvにまとめられている。


 取得する度に様々な魔術のイメージが頭に流れ込んでくる事に護は歓喜し、小躍りしそうになる自分を必死に抑えていた。



 落ち着いたところで、一応生産技能のリストもざっと眺めていく。


▽料理

 食材加工:肉

 食材加工:昆虫

 食材加工:魚介

 食材加工:野菜...etc

▽鍛治

▽彫金

▽裁縫

▽木工...etc

 ・

 ・

▽基礎

 ・

 素材知識:獣         素材解体:獣

 素材知識:魔物       素材解体:魔物

 素材知識:魔獣       素材解体:魔獣

 素材知識:幻獣       素材解体:幻獣

 素材知識:聖獣       素材解体:聖獣

 素材知識:植物       素材採取:植物

 素材知識:鉱石       素材採取:鉱石

 素材知識:液体...etc


 食材加工の中に見てはならないものがあった気がするが、見なかったふりをして素材知識と解体、それから採取を取っていく。


 幻獣や聖獣の知識はLv5まで、剥ぎ取りはLv4までしかない。

 彼らは人族から手を出さなければ自ら攻撃を仕掛けてくることはないが、一度手を出すと人族全体に対して苛烈なまでに反撃してくるので、冒険者が手を出すのは基本的に禁止されている。

 それでもLv5まであるということは、密猟しようとする愚か者もいたのだろう。そういった者の尻拭いでやむなく始末した、といった場合もあったではあろうが。



 そして最後に生活技能を確認する。


 ・

 ・

 歩法:雪原

 歩法:水中

 走法:山

 走法:森

 走法:雪原

 走法:水中

 走法:水面...etc

 ・

 ・

 性技:奉仕

 性技:被虐

 性技:調教


「ゴクリ……」


 性技:衆道


「げほっ! ……ごほん」


 ・

 ・

 話術:雑談

 話術:相談

 ・

 話術:人格破壊...etc


(話術……だと!?)


 一縷の希望を込めて即座に[話術:雑談]を取得する護。……なんとなく理解したが、話す相手の感情の機微を把握できる観察眼や、自分の中に話の引き出しがなければ意味が無いらしい。無念。


 [生活魔術:着火]、[湧水]、[乾燥]など、いくつかの生活魔術に、[武具手入れ]、[道具手入れ]というスキルもあったので取得しておく。


 言語の一覧にさしかかると、[人族語:ボルアス大陸共通語]というスキルが既に取得済みとなっていた。アマテラスに突っ込まれたのはこれだったのだろう。



 随分と長い間ギルドカードを弄っていたが、ようやく護はその腰を上げた。魔術も使ってみたいが、まずは生活のために日銭も稼がねばいけない。


(依頼を受けて外に行けば両方出来て一石二鳥だな!)


 とばかりに依頼を探すべく掲示板に向かっていった。




本当は依頼を受けるところまで行くつもりでしたが、

予想以上にスキル関連が長くなり、ひとまず中断。


というかスキル考えるのに丸一日考え続けて禿げそうでござる。

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