言葉の接続と締め方 「て に を は」の使い方など
参考文献:日本語の文法(明治書院)、広辞苑、
自衛官 採用試験問題集(TAC)、など。
助詞・助動詞・接続詞
▽「分類」、・「用法」、/「用例」、を指す。
【 格助詞 】 主に体言(名詞)について、他の部分との関係を表す。
▽「が」 ・主格(主体) / A が 掃除をする。
・述語の対象 / Aは理科 が 得意だ。
▽「を」 ・対象 / 火 を 消してください。
▽「の」 ・連体修飾格 / A君 の 絵を貼る。
・主格 / A君 の 描いた絵。
・準体言 / その絵はA君 の だ。
▽「で」 ・場所 / 校庭 で 遊ぶ。
・手段 / 絵の具 で 描く。
・材料 / 粘土 で 作る。
・原因 / 台風 で 大木が倒れた。
・範囲 / 鳥 で 一番大きいのはダチョウだ。
▽「に」 ・場所 / 学校 に いる。
・対象 / 作業 に 集中する。
・時点 / 五時 に 戻る。
・変化結果 / 2つ に 切ってください。
▽「へ」 ・用法が狭く、移動の目標や到達点を表す。
人や事物において用いることが多く、「に」の同意語に近しい。
「に」と区別が曖昧だが、一文中に複数の「に」が必要な場合、
「へ」として用いられる助詞は「へ」に変換される。
通常は語感バランスを考えて、無理のない範囲で交互に用いられ
る事が多い。 / あの場所 へ 7時に持っていく。
▽「と」 ・並列 / A と 対戦する。
・比較 / 彼は双子の弟 と そっくりだ。
・引用 / 誰かが「危ない」 と 叫んだ。
・状態 / そよそよ と 風が吹く。
▽「(っ)て」 ・引用 / A って 何ですか。
▽「や」 ・代表例示 / テーブル や 机の下。
▽「から」 ・起点 / 駅 から 遠いですか。
▽「まで」 ・終点、範囲 / 面会時間は何時 まで ですか。
【 とりたて助詞(係助詞)】 ついた語に意味を添えて強調するもの。
述語と呼応することもある。
(古典語では係り結びがあり、現代語では「しか」が否定形に呼応)。
▽「は」 ・話題を示す助詞 / トマト は 200円です。
▽「も」 ・既に述べたものと同様の話題があるとき
/トマトは200円です。かぼちゃ も 200円です。
文の一部が話題としてとりたてられると、その部分が文頭に移動して、
格助詞などが、次のように変化します。(下記、は≠も)
「が・を」→「は」、「に」→「には」、「へ」→「へは」、「で」→「では」、
「から」→「からは」、「まで」→「までは」、「時の表現」→「(明日)は」など。
▽「こそ」 ・強調提示 / それ こそ 、○○しなければならない。
▽「でも」 ・類推強調 / A でも 、大丈夫か。
断定の助動詞「だ」の連用形に係助詞の「も」が付いたもの。
▽「しか」 ・否定強調 / こうする事で しか 、切り抜けられない。
特定の事柄以外を全否定するときに用いられる。
▽「さえ」 ・条件類推 / あれ さえ なければ、Aできる。
こうして さえ 、どうにもならない。
既存の物にさらに累加する時や強調して例示し他の物は当然で
あると類推させる場合、仮定表現を用いて条件を示すときに用いる。
▽「だに」 ・「さえ」に近しい亜種 / 考える だに 、恐ろしい。
【 接続詞 】
・順接 ▽「だから、それで、そこで」 / 寝違えた。だから首が痛い。
・逆接 ▽「しかし、だが、けれども」 / 彼は無愛想だ。しかし心は優しい。
・累加 ▽「しかも、そのうえ」 / この服は色が良い。しかも暖かい。
・並列 ▽「および、また、ならびに」 / 彼は学業優秀で、また、運動も出来る。
・選択、対比 ▽「あるいは、もしくは、または」 / 牛丼か、あるいは、豚丼か。
・説明、補足 ▽「なぜなら、つまり、たとえば」 / 伊賀、つまり、忍者村に行く。
・転換 ▽「ところで、さて、では」 / 仕事も一段落した。さて、食事にしようか。
【 接続助詞 】 主に活用語や用言に下接して、次の部分とつなぐ助詞。
▽「と」 ・順接 / 薬を飲む と 頭痛が治まる。
▽「とも」 ・逆説仮定条件 / 早く とも 一年はかかる。
・継続強調仮定 / 目の当たりにならず とも ~。
何も無く とも 君といる。
・否定の意を受け、下の「よろしい」「差支えが無い」などの意を省略する。
/ 何は無く とも の気持ちである。
▽「ても」 ・逆接 / 何度読ん でも 分からない。
・仮定の逆説 / 雨が降っ ても 行く。
▽「ながら」 ・平行 / 本を読み ながら 返事をする。
・逆接 / 残念 ながら 行けない。
※「接尾語」としての用法も。 / 昔 ながら の城下町だ。
▽「ば」 ・仮定 / 雨が降れば、道がぬかるむ。雉も鳴かずば、撃たれまい。
・並列 / 歌も歌えば、ピアノも弾く。
▽「のに」 ・否定 / 雨が降る のに 出かけた。安い のに 買わなかった。
・残念、不満 / 注意した のに 遅刻した。
【 副助詞 】 補助的に意味を付け加える。
▽「でも」 ・端的な例の提示 / 卵焼きぐらい、子供 でも 作れる。
・無制限 / いつ でも 構いません。
・範囲 / 茶菓子 でも 買っていこう。
▽「さえ」 ・添加 / 注意だけでなく罰金 さえ 要求された。
・限定 / 料理 さえ できれば暮らせる。
・類推 / 地震後は水 さえ 出なかった。
【 終助詞 】 述部の最後につけて、文を質問文にしたり、
話し手の気持ちを付け加えたりします。
イントネーション(音の上げ下げ)を間違えると、
意図が伝わらなくなるので、注意しましょう。
▽「か」 ・質問 ↑ / これはいかがですか。
・疑問 ↓ / これはどうだろうか。
・納得 ↓ / あ、そうですか。
▽「ね」 ・確認 ↑ / ヤマダさんですね。
・同意 ↓ / ああ、いいですね。
▽「ねぇ」 ・考え中 → / そうですねぇ。
▽「よ」 ・情報提供 ↑ / バスもありますよ。
・主張 ↓ / もらってないよ。
▽「よね」 ・念押し ↑ / かかりますよね。
▽「とも」 ・断定・肯定 / 全くそうです とも。 出来る とも。
【 助動詞 】
▽「ます」 ・丁寧 / 演技を終わります。
▽「です」 ・丁寧な断定 / 父は医者です。
▽「れる、られる」 ・受身 / 相手に気に入られる。
・可能 / 奴はどこでも寝られる。
・尊敬 / 先生が来られる。
・自発 / 昔が思い出される。
▽「せる、させる」 ・使役 / 妹に取りに行かせる。
▽「ない、ぬ」 ・打消 / 明日は雨が降らない。
▽「まい」 ・打消の推量 / 去年ほど今年は暑くなるまい。
・打消の意思 / 二度と酒を飲むまい。
▽「だ」 ・断定 / 弟は小学生だ。
▽「た(だ)」 ・過去 / 彼は昔、腕白だった。
・完了 / 映画が終わった。
・存続 / 穴の開い た 靴を履く。
▽「たい、たがる」 ・希望 / 休みは山へ遊びに行きたい。
▽「らしい」 ・推定 / 彼女はもう直ぐ結婚するらしい。
▽「う、よう」 ・推定 / 明日は晴れるだろう。
・意思 / 明日こそ早く寝よう。
・勧誘 / 一緒に泳ぎに行こう。
▽「ようだ」 ・比況 / 足が棒のようだ。
・例示 / 彼の ような ギターが欲しい。
・推定 / 彼はまるで専門家のようだ。
▽「そうだ」 ・様態 / 今にも台風が来そうだ。
・伝聞 / 彼女は今度、引っ越すそうだ。
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【 読み易い文を書くコツ 】
なるべく句点「。」を用いて改行し、文を長々と続けない。
40文字/1行につき、1~3つ程の読点「、」を挿入し、意味が通り易く、息継ぎも
出来るように、言葉のリズムを整える。
言葉のリズムは、川柳や和歌の「五七五」や「七七」が理想的。
なるべく指示語を用いず、名詞で物事を特定すべし。
一度使ったら、次の指示語まで25行(40文字/1行につき)は間隔を空ける。
内容を指す名詞としての言葉か、動作を指す動詞としての言葉かの区別をつける。
名詞は「親から聞いた話」「面白い童話」、
動詞は「先生が話す」「話し手はAだ」、のように用いると良い。
カッコで始まるもの以外の文頭は、1マス空ける。
また「!」や「?」の後に同じ行で文を続ける場合も、1マス空けると良い。
三点リーダー「……」や全ダッシュ「――」は、2つセットで用いる。
書いた文を、声に出して読んでみるべし。
詰まらず違和感無く言葉が紡げるかどうかを、確認する。
読者に伝わるよう、文章の組み立てや構成が出来ているか。
情報は足りているか。
五感情報や雰囲気、感情を適切な配分で組み込めているか。
戦闘や風景、街の景色などの場面を、三次元で表現出来ているか。(難易度高し)
一度に情報を詰め込み過ぎていないか。
情報過多の場合、書き手は良くても、読者の頭から滑り落ちて行くので、
人物や物の見た目も含めて、情報は小出しにして積み重ねる。
視点をころころ変えず、その時々の視点人物を早急に明示する。
視点変更後の3行、または6行以内にはっきりさせる事が重要となる。
なるべく体言止めは避けて、きちんと述語に繋げる。
文章全体における語調の統一は出来ているか。
地の文と各キャラクター毎の統一が必要だ。
また、話し相手との関係によって語調も変化する。
(上司や目上の人、同期の友人、見知らぬ他人、兄弟姉妹、親、など)
その他、「各キャラクター毎に好む言葉の選び方」を意識するべきだ。
小説の書き方やプロットの立て方など、入門書としてオススメのサイトを挙げておきます。
「小説カキコ」という投稿サイトの「書き方・ルール」というページが充実していてオススメします。
今更と思う方も、一読の価値があるページを発見できるかも知れませんよ。