92/100
もし銃刀法が
もし日本に銃刀法がなかったら
尺八で頭をぶち抜いているだろう
人は生きてるからこそ
死と隣り合わせな訳じゃない
人は生きてるからこそ
死の存在を確認出来るのではない
もし日本に銃刀法がなかったら
もう既にこの世に存在すらしていないだろう
人間の生は死と隣り合わせ
人間の死は生と隣り合わせ
生きてるから死ぬんじゃない
死なないから生きてるんじゃない
死ねないから生きてる
ただそれだけだ
生きる事を肯定的に捉えてみても
死ぬ事を否定的に捉える理由になんてならない
生きる事を否定的に捉えてしまっても
死ぬ事を肯定的に捉える事と同義ではない
生きてる事を惰性に捉えるから
死ぬ事を惰性に捉え
死ぬ事に恐怖するから
生きてる事に安堵する
生きてる事に普遍性を感じるから
死ぬ事に偏見があり
死ねない自分を肯定することで
死なない自分を肯定してしまい
生きてる自分を肯定するんだ
もし日本に銃刀法がなかったら
きっと日本人の半分は
自らの命が紙切れより軽くなるだろう
自らの命を軽く感じてしまうだろう
自分の命と同じように……
死なないと死ねないは違う
生きたいと生きてるは違う
生きたいから死ねない
死ねないから生きてる
生きてるから死なない
死なないから生きるしかない
ただそれだけの傍若無人な事かもしれない




