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終焉
目に見えるものだけが真実とは限らない
耳に届く音だけが真実とは限らない
鼻に感じる匂いだけが真実とは限らない
口で味わうものだけが真実とは限らない
肌に当たる感覚だけが真実とは限らない
心を蝕み 身体を蝕み
悠久の刻の中で人類は探究心を忘れない
その先が光明の未来か絶望の深淵かを定めずに
日々の命の欠落は
微かな音さえたてず
静寂の空にその楔を突き立てる
無垢なる浄化された魂は
穢れた精神と共に汚染され
その身をカラフルに染めていく
己が見えるその先に
己に聞こえるその先に
己に匂うその先に
己が味わうその先に
己が感じるその先に
理の常があるとは限らないが
それを探究するのもまた人類に課せられた償いなのか
人は 病み 蝕み 患い 苦しみ 崩壊してゆく
その道程に足跡を残して
魂と命の先端に待つのは
断罪か それとも……




